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ぜんぶライフ

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プライベートも仕事も 起きている時間も寝ている時間も 自分も大切な人も 心もからだも ぜんぶがみなさんの人生(ライフ)です。 人生に訪れるいろいろ たとえば介護や病気や スト…
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2022年12月の記事一覧

#05 ストレス脳をリラックス脳に変換する

~過去投稿はマガジンから~ 短い距離なのに過度に緊張して震えてしまいパットができない……。 ゴルフをしているとそんなゴルファーにお会いすることがあります。 いわゆるイップスです。 私はゴルフでのイップスを「ゴルフメンタルのうつ状態」と呼んでいます。 プレーヤーの性格も影響していると思いますが、しっかり対処すれば必ず治ります。 私が考えるに、その原因は上手になる過程での完璧主義にあると思います。 つまり、 「このパットは入れなくてはならない」 「あれほど練習したのに上

#04 ゴルフには、幸せな気分や優しい気分になれる効果がある

~過去投稿はマガジンから~ 私たちの大脳には、情報の伝達と処理を担う神経伝達細胞(ニューロン)が1400億個あると言われています。 そのニューロンの一つ一つに一万個のシナプスが存在し、神経伝達物質がシナプス間を移動する時に電子信号が発せられ、感情や行動をコントロールしています。 肉類や魚介類、チーズなどに多く含まれるグルタミン酸は、脳における情報伝達を手助けし、集中力アップに作用するといわれています。 また、神経伝達物質のドーパミンは運動機能に作用し、やる気を高めます

#03 自分の特性を知ること、行動のルーティン化そしてビジョンの構築

~過去投稿はマガジンから~ メンタルの処方箋は個人差があり、それぞれ違いますが、ミスを回避するには「自分の特性を知ること」「行動をルーティン化すること」「目指すビジョンを構築すること」、この三つが必要です。 自分の特性を知るとは、ゴルフに限って言えば、スイングやショットの個性、スコア上の実力、自分の感情や感性を認知することです。 自分の特性を素直に受け入れることができて、楽しくラウンドすれば、ミスの確率は低くなります。 ボールを打つ時に緊張しすぎてしまう人には、行動のル

#02 無意識をいかに活性化するかがスコアアップのカギ

~過去投稿はマガジンから~ アマチュアだからこそメンタル面のトレーニングが必要と指摘しましたが、ではゴルフでのメンタルとはどういうものなのか。この点を説明しておきましょう。 一言で「メンタル」といっても、精神面、あるいは心の持ちようなど、その定義はいろいろあると思います。ここではメンタルを「意識」という言葉に置き換えてわかりやすく説明していきます。 意識には「顕在意識」と「潜在意識(無意識)」があります。これは心理学者のフロイトもユングも唱えています。 ゴルフ場には数

#05 これからのメンタルヘルス

~過去投稿はマガジンから~ 日本では1998年以降、14年連続して自殺者数が3万人を上回っていましたが、今では2万人を少し上回るくらいまでに減少してきています。 その傾向を見ると、社会全体としては、薄明りが見えてきている状況ではないでしょうか。リーマンショック後の厳しい経済状況を経て、今では全体的には少し余裕が出てきたと感じています。もう少し経済的な安定が図られれば、自殺者数はもっと減っていく可能性があります。 そして、企業のほうでもストレスチェック制度が導入されるなど

#04 患者さんとの密なコミュニケーション

~過去投稿はマガジンから~ 医師を長く続けていると、臨床経験が積み重なります。 かつては私自身、薬を飲んだ方が早く良くなるのではないかという考えのもと、比較的軽い症状でも薬を処方していた時期がありました。 実際に、副作用が目立ってあまり治療効果があがらなかったという経験もしています。 「じゃ、お薬止めてみましょう」と提案してからの方が、調子がいい、体もだるくない、吐き気も少なくなった――といったように、「押しの一手」ではダメで「引いたら」良くなったという症例は数多くあり

#03 精神科医療の「均てん化」とは

~過去投稿はマガジンから~ 今、精神医療での課題は、「均てん化」でしょう。 聞き慣れない言葉かもしれませんが、「どの先生に相談しても、同じ治療が受けられるようにする」ということです。 たとえば内科の場合は、どこで診てもらっても抗生物質や痛み止めが出されるなど、ガイドラインがしっかり定まっています。 診察してもらうと、同じような治療法が提案され、提供されます。   しかし、精神科はどうでしょうか。精神科は、診断基準を厳密に均一化することが難しく、診断基準が仔細に書かれてい

#02 薬は「悪」ではなく、使いよう

~過去投稿はマガジンから~ 昨今は「薬を使わないで病気を治す」というテーマの本が、たくさん書店に並んでいます。 ベストセラーの本もあったりと、薬の功罪は関心を集めやすいテーマなのでしょう。私自身も「むやみに薬は使わない」というスタンスではありますが、「薬を一切使わない」という考えに対しては警鐘を鳴らしたいと思います。  薬は使うべき場合には使わなければいけません。 患者さんの症状を正しく診断して、正しく薬を使えば、適正に処置できるのですから。 私は入院施設を伴った大学病