"【リレー】インタビュー”では、様々な先生方の産学連携への想いや期待を伺います。第1回目は京都大学高等研究院 物質―細胞統合システム拠点(iCeMS)教授である鈴木淳先生にお話を伺いました。 1.ご研究テーマについて教えてください体の中の不要な細胞や細胞の不要な領域が除去されるメカニズムについて研究しています。細胞膜を構成するリン脂質は非対称性を有しており、細胞膜の内側に存在するホスファチジルセリン(PS)は、例えば細胞が死んだときに細胞表面に露出し”Eat-me” sig
「研究」という言葉には、無限の可能性が秘められています。世界中の研究者たちが、さまざまな不思議を解き明かすために日々努力しています。私たち製薬企業も、人体や病気、そして寿命の謎を解き明かし、新たな治療法を提供するために、大学との産学連携を強く推進しています。 大学は新しい発見や技術の宝庫です。例えば、京都大学の本庶佑先生が発見したPD-1阻害薬は、がん治療に革命をもたらしました。この薬は免疫細胞の力を引き出し、多くの患者に新たな希望を提供しています。また、山中伸弥先生が発見
未知の領域を解明し、革新的な知見を創出する基礎研究は、イノベーションの起点です。しかし、不確実性が高く、短期的な収益が見込めないことから、基礎研究への投資は近頃は敬遠されがちです。そのために、研究者にとっては資金や人材の長期的な確保が難しく、新たな知見の創出が困難となっています。すると資金繰りはますます難しくなり、ラボ運営が自転車操業となってしまいます。この様子に、若手研究者には安定したキャリアパスが築きにくいためにに基礎研究への関心が薄れてしまい、人材の確保もますます困難に
「研究」という言葉に、心が躍りませんか? 空はなぜ青いのか、風はなぜ吹くのか。なぜ人は人気店にわざわざ並ぶのだろう。うちの子供たちはなぜあんなにも勉強しないのかしら。なぜ人は鳥のようには飛べないのだろう。自然科学や社会科学、人文科学において、無限にある「なぜ」を解明するために多くの研究者が場所を問わず様々な研究に励んでいます。そして大学を含む学術界(アカデミア)はこの「なぜ」から導かれた発見や発明の宝庫です。 イノベーションとは、こうしたキラキラとした新しい発見や技術、す