冷たいあなた
皆さん、こんにちは。アーメン、イエメン、ブレーメン。秘境の探検家と言えばアラン・クォーターメン。冒険モノ大好き、木賃ふくよし(芸名)です。
はい。先日、ワタクシは、
マーガリンが嫌い
ってお話をお届けしました。
コレ。
ワタクシは、特に苦手な食べ物はないと言いながらも、素麺とマヨネーズが好きになれない。うむ。マーガリンにしろ素麺にしろマヨネーズにしろ、食べられないほど苦手な訳ではない。だが、可能な限り食べたくはないし、食指が動かないのである。
前回はマーガリンについて熱く語ったが、今回は残り2つがなぜ苦手か、という話をしていこうと思う。
素麺。日本の夏の風物詩。
クソ暑い夏を乗り越える素晴らしい料理だ。
だが、ワタクシはコレが苦手なのである。理由は簡単。
イヤになるほど食ってきたからだ。
ワタクシの育ちは播州。そう。素麺の聖地である。日本一のブランドであり、三輪素麺を凌ぐ、
その名は「揖保乃糸」
ワタクシはこの素麺が好きになれない。何故なら、普通の人間が一生のうちに食うであろう素麺の総量の5倍以上を、成人するまでに食ってきたからである。
言わば、精神的素麺アレルギーだ。色んな人に話を聞いても、苦手な食べ物が苦手になった理由は1に「とにかく駄目」、次に「食い続けてイヤになった」である。
アレルギーとかは意味が違うので理由に含めない。
味蕾の問題(瓜やパクチーなどは特定の人だけ反応する味が含まれる)であるとか、見た目がダメとか、歯触りや舌触り、食感がダメなんてのもあるし、何らかの事件でイヤな記憶が蘇るとか色々あるが、かなりの割合を占めるのが「食い過ぎた」なのである。
ここで、播州における素麺の恐怖をお教えしよう。
人間関係が希薄になった現在はともかく、かつてのワタクシのような昭和の人間には、形骸化して悪習となった、恐るべき文化がある。
お中元である。
お中元、お歳暮、暑中見舞い、年賀状etc…気持ちを込めて贈るには素晴らしい文化だが、贈る、贈られるのが社会的な礼儀と化している場合はただの悪習でしかない。
播州において、このお中元の「素麺比率」の高さたるや、それはもはや恐怖に値する。
ひと夏に、10~20箱とか届くんだぞ?
立派な桐箱に収められ、一箱に20~50束とか入ってるんだぞ?
コレを消費するために、毎日毎日素麺ばっかり食う羽目になるんだぞ?
夏休みは楽しいさ。楽しいとも。
だが昼ごはん。おめーはダメだ。
だって素麺しか出てこないんだもん。
食卓中央には、文字通り山盛りの素麺。
そりゃね? ワタクシは胡瓜もトマトも錦糸卵もハムも大好きだよ。
しかし、お子様だった当時、味気ない素麺を毎日毎日毎日毎日食わされたら、そりゃイヤにもなるって。
ハムとトマトと胡瓜とかの具ばっかり食べてたら「素麺を食べなさい!」って怒られるし。
マジで。
てかね、母親がブツブツ言う訳ですよ。
「夏のうちに素麺を消費しないと、、、」って。
子供としては母親に貢献の1つもしたいじゃないですか。そりゃ頑張って食べますよ。けどね、食べても食べてもなくならない。食べれば食べるほどイヤになる。
それが素麺。それが素麺の恐怖。
夏休み、留守番してるとお中元が届く。持った感触や重さ、音や箱の形状で大体中身がわかる。
(*゚∀゚*) ハムだ! ビールだ(withカルピス)! フルーツゼリーだ!
(´・Д・)」 軽いな。タオルか、、、。
(´・Д・)」 あ。石鹸か。
(´°Д°)」 この重さ、、、箱のサイズ、感触の硬さ、、、
また素麺が来やがった、、、!!
それはもはやゾンビ。倒しても倒してもキリがない。北海道の知り合いが、「シャケとかメロンで体験したわ、、、」と言っていたが、つまりそーゆー事だ。
終わらない恐怖。
それが素麺なのだ。
この恐怖を体験していない人達は「えー、素麺おいしいよ?」「贅沢な話だな」「寝かせて古素麺で食べたら?」「ソーミンチャンプルーとか作ったら?」ってな事を言う。
ハッキリ言っておく。
素麺は美味い。
よく冷やして、しっかり水切りして、ワサビとつゆでツルリと小鉢に一盛りなら、そりゃマジで美味い食い物だよ。
だが!
一食で4束も5束も食わされてみろよ!? 主食で食うモンじゃねえんだよ!!
A5級霜降りサーロインステーキを毎日5枚食わされてみろ!絶対にイヤになるわ!それは贅沢でも何でもねえ!当たり前の話なんだよ!!
寝かせて古素麺にして食う?
(´°Д°)」 アホか。古素麺だと油が抜けて美味いのは知ってるよ。だが、そんな事したら、毎年毎年素麺が何箱も届くんだぞ? 何処に仕舞うんだよ!? 先入先出とか一苦労だわ!
ソーミンチャンプルーだ? 水切りが大変だし、大量に油を使うし、そんなので食ったら素麺が減らないんだよ!!
だいたい、今みたいにクックパッドだ何だでレシピも豊富じゃなかったし、とにかく一番消費できるのが冷や素麺という現実。我々は素麺と戦い続けるしかないんだよ。
そんなある日、母親が婦人雑誌に載っていたレシピを発見した。
素麺サラダである。
要は細く刻んだ胡瓜などの夏野菜とともに、素麺をマヨネーズで和えた一品である。
そう。
コレを一口食べたワタクシは感動した。
あの味気ない素麺が、マヨネーズで味付けされるだけで、まるでサラスパ。まだサラスパさえメジャーではなかった時代に、このレシピは斬新だった。(※ 当時のワタクシはマヨネーズが平気)
(´°Д°)」 うまい、、、! 素麺が美味いよ、、、!
ワタクシは感動し、皿の素麺をたいらげ、おかわりを要求した。
そう。夏のうちに素麺を消費しきってしまいたい母親に貢献できる瞬間が来たのである。
うまい。美味い。美味しいよ! ワタクシはおかわりもペロリと食べ、再度、再々度とおかわりを要求した。(※ 母親はボウルに山盛りの素麺サラダを作っていた)
普段から食わされている素麺の量からすれば、この程度、、、
そして、その瞬間は訪れた。
単なる素麺なら食えた量である。
しかし、マヨネーズで和えられたその素麺サラダの破壊力は、素麺の何倍にも及んでいた。
突然、顔面から血の気が引き、
込み上げてくる吐気。
あ。コレ、 (;´°Д°)」 あかんヤツや。
※ 都合により、何があったかは割愛させていただきます。
(´・Д・)」 それ以来、素麺とマヨネーズが苦手になったのじゃ。なに、昔むか〜しの話じゃよ、、、。
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なお、この先には素麺が苦手なワタクシが開発した超簡単! 素麺消費レシピ!!が書かれています。
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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。