「万物はそれぞれに自分自身を描いた画なのだ」ー岩田慶治『アニミズム時代』を読む
岩田慶治氏の『アニミズム時代』を読んでいる。
岩田慶治氏は文化人類学者であり、この『アニミズム時代』も岩田氏ご自身が調査した東南アジアの稲作農耕民族のアニミズム的な信仰や儀式のお話である。
天と地を媒介する儀式『アニミズム時代』の最初の方に「魂のトポロジー」という節がある。
そこでは「凧揚げ」「竜船競漕」「産髪」を残すこと、根を切った竹や樹木などを空に向けて立てることなどなど、いずれも、天と地を上下に分離しつつ結びつけ、自分たちの文化の世界とそれとは異なる遠方の世界を分