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江口司「稗をめぐる冒険」

江口司さんの訃報を知ったのは2008年4月であった。もう今年で15年経つことになる。東京から帰省するときには必ず連絡をとり、都合がつけばあちこち調査に連れて行ってもらったことを思い出す。楢木範行の絵はがきを撮影してもらったことなどを思い出すが、ご存命なら72歳を迎えることになる。
再び宮崎に戻り、20年前の宮崎の資料を整理する日々であるが、諸塚村の資料を探している際、江口さんから送っていただいた原稿のpdfデータを見つけた。それが「稗をめぐる冒険」である。そのタイトルから焼畑中心の論考であると記憶していたが、その内容の奥深さに今更ながら気付かされる。いろいろ調べてみるが、掲載誌である『暗河』は熊本県立図書館でも一部しか所蔵がなく、一般にこの玉稿を紹介したく、ここに公開する次第である。
「稗をめぐる冒険」の連載されたのは『暗河』(くらごう)という雑誌である。熊本市内のカリガリという喫茶店兼バーを拠点に集まった「暗河の会」が発行する雑誌である。江口さんに案内され、2度ほど伺ったことがある。様々な職業の方々が仕事帰りにこの店に集まり、様々な話題がのぼる自由な空間であった。

以下に各号の目次を紹介し、末尾にデータを添付した。

○江口司「稗をめぐる冒険(一)」「暗河」編集委員会編『暗河 第44号』暗河の会、昭和63年(1988)
【目次】
稗の起源説について
旅のはじまり
マジカル・ゾーンへのアプローチ
THE STRANGER 椎葉へ
嶽之枝尾神楽

○江口司「稗をめぐる冒険(二)」「暗河」編集委員会編『暗河 第42号』暗河の会、平成元年(1989)
【目次】
ヤマメとの出会い
ヤマメが語ること
九州のヤマメ
九州山地は照葉樹林か
焼畑のはなし
照葉樹林文化論への疑問

○江口司「稗をめぐる冒険(三)」「暗河」編集委員会編『暗河 第46号』暗河の会、平成2年(1990)
【目次】
飯干峠への道
柳田国男の椎葉
焼畑バッシング
焼畑は環境破壊かー犯人は別にいる
焼畑と林業の戦い

○江口司「稗をめぐる冒険(四)」「暗河」編集委員会編『暗河 第47号』暗河の会、平成3年(1991)
【キーワード】※小見出しはないため筆者がキーワードを列記
諸塚村七ツ山 藤本酒造 藤本太兵衛 石垣デマ講 トキ

○江口司「稗をめぐる冒険(五)」「暗河」編集委員会編『暗河 第48号』暗河の会、平成4年(1992)
【目次】
国東山人の祭り
九州の山人
もう一つの柴祭り
阿蘇の柴祭り

原稿の複写を下記に公開する。

江口司「稗をめぐる冒険(一)~(五)」

※江口司さんの著作については下記を参照下さい

https://auv.vss.miyazaki-u.ac.jp/researcher_archives/%e6%b1%9f%e5%8f%a3-%e5%8f%b8/


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