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子育て世代は夜に開催される会議や交流会に参加できない。だからといって、主催者側は子育て世代のために配慮すべきか?

はじめに

はじめまして。わたる@男性育休の会計士です。
システムエンジニアからキャリアをスタートし、米国公認会計士(ワシントン州)を取得。Big4監査法人で外資系金融機関向けの会計監査や財務報告アドバイザリーを経験した後、DX戦略室で財務データ分析の高度化と監査業務のDXに取り組みました。
2019年に息子が生まれたタイミングで長期育休(2+4か月の計6か月)を取得。それをきっかけに、Big4の戦略人事部を兼任し、男性育休推進などI&D戦略立案やエクゼクティブ(パートナー)向けI&Dコーチング、インクルーシブリーダー育成にも携わりました。
人生の新たなチャレンジとして、2024年10月からは会計士・人事コンサルとして独立予定です。趣味はトライアスロンです。どうぞよろしくお願いします。

※なお、本記事の内容は、私の個人的な見解に基づいており、所属団体や企業の見解を代表するものではありません。
※この記事はXのポストに追記したものです。

このテーマを考えたきっかけ

僕自身、4歳の息子を妻と共に育てているワーキングファザーですが、子育てのために夜の会議やセミナー、交流会に参加できないことが「まあまあ」あります。 「まあまあ」と言っているのは、我が家は妻と日替わりワンオペ制なので、もちろん参加できる日もあります。参加できる日はラッキーです。

つい最近自分の興味のあるセミナーに参加したいなーと思ったものの、ワンオペデー確定のため不参加になりました。
こちらや↓

こちら↓
会計士界隈のイベントですね。

参加できなくて残念だし、夜の交流会などに参加できないのは慣れっこなのですが、もしかしたら発想を広げるきっかけになるかも、と思い、考えてみることにしました。

子育て世代への配慮とは

最近は子育て世代への配慮ということで、夜の会議を減らしたり、ランチタイムでの開催がされるようになってきました。ただし、これまでの男性中心のビジネス環境では子育て世代には夜に開催される重要会議には呼ばれず、飲み会にも呼ばれてきませんでした。 そもそも夜に会議に呼ばないことが、子育て世代への「子育て頑張ってね」という配慮だったのかもしれません。

ビジネスから「排除される」子育て世代

それはそれで非常に有難いです。感謝です。ですが、その配慮は視点を変えると、子育て世代をビジネスから「排除し」「お呼びでない」存在と感じさせてきました。 今でも、まだまだ子育ての中心を担う女性がビジネスの機会を失う現状は深刻ですよね。自分が20代独身の頃、先輩ママに気遣いだと思って、あえて定時外の会議招集を送らないことがあったのですが、あの時本人に事前に参加意思を聞けばよかったと反省です。子どもを育て自分が会議に呼ばれなくなってようやく気付きました。

子育て世代との共生・インクルージョンの方針を考える。


では、企業や主催者は夜の開催を止めるべきでしょうか? (少し乱暴な問いかもしれません。)結論としては、企業の子育て世代との「共生の方針」による、と考えています。

業界特性などプロジェクトによって短納期でハードワーク前提のものもあれば、どうしても夜の時間しか空いていない、海外とのミーティングで時差があるなど、夜の開催が避けられないケースは存在します。
私自身も、22時からのグローバルミーティングに「ひぇぇ」となった経験が何度もありますし、監査繁忙期の1,2月、4,5月は妻にかなり調整してもらいました。(その分他の月でワンオペデーを補填しました)

企業や主催者が考えるべきは、子育て世代の「配慮」の前に、自社のビジョンに即した子育て世代との「共生の方針」です。 ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の「インクルージョン」の方です。

なぜ子育て世代と共に働くのかを丁寧に説明する

24時間365日働ける男性が中心となってきたビジネス・企業が、子育てや介護で時間制約のある人たちとどう共生し、会社を成長させていくのか。 ずっと働ける前提で雇った従業員が働けないとなると困っている経営者が大半だと思います。今、旧来の雇用の前提がガラガラと崩れています。まずはそれを認識すること。

そして、子育て世代との共生の方針を明確にし、その結果として夜の会議がどうしても必要であれば、その理由を丁寧に説明することが重要です。「子育て世代への配慮」といった曖昧な言葉ではなく、自社が目指す姿の中に子育て世代が不可欠であることを明確に伝えましょう。

子育て世代が生み出すパフォーマンスに触れず、「子育て環境を整え従業員が働きやすい会社です」とうたっている企業の多いですが、「私たちは○○を目指しているから、子育て世代のあなたたちが必要なのです」と伝えましょう。

自社のことなので「社会風潮として」といった言葉も避けるべきです。 また極論ですが、自社の共生の方針を考えた結果、子育て世代をインクルードしない、という選択もあってよいものです。

まとめ

多様な意見が称賛される時代です。当然、全員が納得する解決策はありません。それでも、企業の成長のために経営者が共生の方針を示すことが大切です。そしてその経営者を支援するのが会計士としての僕の役割だと考えています。

声を上げることは素晴らしいのですが、「多様性」が乱用されればみんな辟易するものです。だからこそ企業には拠り所が必要です。

D&Iの方針の策定にお困りの経営者や人事担当の方、D&Iの意見交換をしてみたい、という方はぜひお声がけください。お互いに何か気づきがあるかもしれません。
感想やコメントもXでいただけると嬉しいです。


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