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【Part2】退社が止まらない。。。 働く環境やビジョンを提供できない理由

前回の【Part 1 】に続き、第二弾 退社が止まらない。。。働く環境やビジョンを提供できない理由と題して、正社員雇用のサロンが抱えている問題点をあげてみます。

前回の【Part 1 】はこちらから ↓↓

先にパート1を見ていただけると理解が深まると思います。


【結論から】

正社員雇用のサロンが働く環境やビジョンを十分に提供できない理由、
それは「本気」ではないから。。。と評価している。

理由としては
やれないよりも、やらないからだと感じる。
シェアサロンが美容師の全てを解決できるわけではない。

雇用関係や契約関係は、相関関係であり、
シェアサロンも正社員雇用のサロンだろうが、働き方のカテゴリーが理由ではない。

本質的には「本気で変える」行動力だけである。
運営するSolon がそれを証明している。


【働く環境やビジョンを十分に提供できない理由】

正社員雇用のサロンが働く環境やビジョンを十分に提供できない理由として、以下の点を考えています。

  1. 経営者の意識やリーダーシップの課題

  2. 資源の限界

  3. 管理能力の不足

  4. 競争環境の変化

  5. 短期的な視点

  6. 伝統的な業界文化

【1、経営者の意識やリーダーシップの課題】

サロンの経営者やマネージャーが、スタイリストの長期的なキャリアや働きやすい環境作りに十分な意識を持っていない場合があると感じています。
少しも思っていないことはないと思いますが、真剣にサロンの運営方針を変えるほど、、スピード感を持ってスタートするような意識持ちではない、、、
このように感じることが多々あります。

【2、資源の限界】

サロンは収益が限られた中で運営されています。
利益率で見ると平均5〜10%ほどと言われます。
他の業界の平均と比べると低いと方だと一般的に言われています。

他の業界の平均
・飲食業3〜8%(ファーストフードはもう少し高い)
・小売業2〜5%
・製造業5〜15%
・IT業界15〜25%(特にソフトウェアなどは高め)
・金融業20〜40%(保険や資産管理などは高い)

美容室の利益率が低めと言われる理由は「固定費」が高いことが言われます。人件費や家賃などが売り上げに対して固定が占める割合が大きいからです。
IT業界や金融業界は固定費が比較的安いことや、1つのシステムがスケールするので、高い利益を確保しやすいですね。

また、サービスの特性上、提供するサービスの価格に対して人手を要するため、利益率が圧迫されていることが言えます。
例:8,000円のカットカラーにアシスタントと二人で二時間で仕上げた場合、人事生産性は一人、2,000円、、、(稚拙な例えですが…)

こうなると、、
キャリアアッププログラムや教育制度、福利厚生の強化にリソース(資金)を割くことが難しいサロンも多いです。特に中小規模のサロンでは、コスト削減のために教育やマネジメントの強化が不十分になる傾向になると懸念しています。

【3、管理能力の不足】

スタイリストの成長をサポートするためには、サロン内でしっかりした管理体制(マネジメント)とリーダーシップが必要です。
*マネジメントとリーダーシップは別のもの、、、これは別のブログで確認してください。

しかし、サロン経営者や店長の中には、自分自身がプレイヤーの場合、施術で手一杯なことが多く、人材育成や働く環境の改善に時間をかけることができていません。特にスタイリストの中間層が増えると、個々のニーズに対応するためのマネジメントが複雑になり、対応が後手に回ることがあります。

中間層のスタイリストは、家庭を持ったり、習熟度と比例して経営やマネジメント業務に関心が出てきたりします。この時に、経営者や店長はマネジメントの仕事や創出が必要になりますが、施術で手一杯のため、後手に回ります。
新しい家庭から生まれてくる働く環境へのニーズや、さらに将来を見据えた教育などにリソースを集中投下することができない場合が多いです。

【4、競争環境の変化】

シェアサロンや業務委託サロンの台頭により、働き方の多様化が進んでいます。さらに、いまさらですが市場の競争も激化しています。
従来の正社員雇用サロンの競争力は低下しています。

また、フリーランス美容師から毎日、SNSで「自由な暮らし」「暮らしっぷりの良さ」が発信されるようになり、フリーランスに憧れる美容師も多くなっています。シェアサロンなどの条件の良さが起因していますね。

そうなると、優秀なスタイリストをサロンは引き留めることが難しくなっていきます。この環境の変化に適応するための改革が遅れているサロンでは、従来のビジネスモデルのまま運営を続け、スタイリストのニーズに応える打ち手が打てていない状況にあります。

また、スジの悪い打ち手として「条件:賃金や自由(ラク)」な方へ意思決定をしてしまい、本質的な「組織:まとまりのある集団」が瓦解しているようにも感じます。

何度も言いますが、シェアサロンなどに条件では勝てないわけです。
ビジネスモデルや費用の構造が違う。これはPart1 でも伝えた通りです。

【5、短期的な視点】

サロン経営者の中には、日々の売上や経費の管理に注力しすぎて、長期的なビジョンの構築に時間や労力を割けていない、、このようなことも問題です。短期的な利益を追求するあまり、スタイリストのキャリアパスや働く環境の改善といった長期的な投資を後回しにしているように感じています。

損して得とる考え方ですね。リターン(利益)を享受するためには、先行投資が不可欠ですよね。

逆に言えば、スタイリストの長期的な投資、、ここは経営に携わる人たちの「成長」と言えます。経営に携わる人たちが成長しなければ、中間層への明確なキャリアパスを創出できないと感じています。

【6、伝統的な業界文化】

美容業界は長年にわたって「職人」(徒弟制度)のような働き方が根付いていました。ボクからすると、いい部分も共感できない部分も含んでいます。

「職人」のような働き方というと、若手が技術を身につけるために長時間働き、多くの苦労を経て一人前になるという考え方です。
しかし、現代のスタイリストはより自由な働き方やライフバランスを求めるようになっています。このような価値観が伝統的な業界文化とミスマッチを起こしています。

ボク自身のポシジョンを説明すると、、、
「職人」の共感できる部分は「正統的周辺参加」
優れた美容師の仕事を手伝うことで、言語化できない学びを得て、その人も優れた美容師と成長することを「正統的周辺参加」と言います。職人の世界の中で素晴らしいことだと感じています。

共感できない部分は、合理性に欠ける部分が多いこと。
「技術力」や「熱意」のような抽象的な部分に逃げられるところです。
確かに「技術力」や「熱意」は非常に重要なところですが、多くの先輩職人は、この部分に逃げて成長を複雑・難解にしているように感じます。
「伸び悩みスタイリスト」は、具体的解決を欠いたアドバイスによる部分は1つの事実だと考えています。
美容室の運営が合理性を伴わないのは「職人の師弟関係」と「会社の雇用関係」が混ざることなく相違共存しています。
このような、従来の美容業界の文化に従うサロンがその変化に追いついていないことも一因となっているように感じています。

変化に追いつけないものが絶えていく。ダーウィンの進化論ですね。
経営者が圧倒的カリスマ(職人)の強者でも、周りから一目置かれる優秀なキレ者でも、柔軟に変化できないものは淘汰されていく。
美容業界にもまさに起きている状況下と思います。

【改善のためにできること】

これらの問題を解決するためには、

  1. サロン経営者や経営陣の感情的ではなく論理的な判断

  2. 会社が描く「圧倒的な To Be 」(集団幻想)

  3. 「明確」なキャリアパスや役割

このように提案します。

[1、サロン経営者や経営陣の感情的ではなく論理的な判断]

美容室の経営者や経営陣の「感情的な意思決定」を頻繁に聞きます。
全く客観性を伴わない意思決定や「好き嫌い」の判断軸でスタッフの進退を決めているような状況を聞きます。

論理的な意思決定が、美容業界には求められていると思います。

なぜならば、、、

1、客観性
感情を排除し、データや「事実」に基づく意思決定を行うことで、偏りや個人的な意見の影響を最小限に抑えられます。
全体最適な意思決定は、組織全体の利益を最大化すると考えています。

2、一貫性
論理的に意思決定することで、同じような状況がきても一貫した対応が取れます。他のスタッフたちにも「透明性」が担保されると考えています。

3、リスク管理
論理的な判断は、リスクと利益を冷静に評価することができます。
感情的な意思決定や計画よりも、より明確なリスク管理が実現できると考えます。

4、チームの信頼
従業員は上司や経営陣が論理的な意思決定をしていることに、信頼を寄せやすく、組織全体の信頼感・安心感を与え、モチベーション向上に寄与すると考えます。

感情的な意思決定を全て排除するとは考えていません。
チームの雰囲気作り、チームワークの強化などの場面では、感情に寄り添う「共感」を生み出す意思決定も必要だと考えています。

[2、会社が描く「圧倒的な To Be 」(集団幻想)]
*2、3、はPart1 に欠いてある内容なので簡単に説明

条件で勝てないことが明らかな正社員雇用のサロンには、
集団として「まとまる」ことが非常に重要で、ここをどのようにデザインするかが求められています。シェアサロンが盛況となる一方で、正社員雇用サロンは、経済合理性で戦うのではなく「同じ想い」のようなもので、経済合理性の戦いから遠ざかるべきかと思います。

同じ想いを「集団幻想」と呼んでいます。

[3、明確」なキャリアパスや役割]

キャリアの成長機会を明確にすることで、長期的なビジョンを持たせることが可能と考えます。ふわっとした役職の職務ではなく、KGI を策定、KPI を定量的に持たせた職務が求められます。

ビジョンを提供できない理由はつらつらと書き続けることはできます。
しかし、根本的なのは「本気」かどうかです。ここに尽きると思います。

【まとめると】

正社員雇用のサロンが働く環境やビジョンを十分に提供できない理由、
それは「本気」ではないから。。。と評価している。

理由としては
やれないよりも、やらないからだと感じる。
シェアサロンが美容師の全てを解決できるわけではない。

雇用関係や契約関係は、相関関係であり、
シェアサロンも正社員雇用のサロンだろうが、働き方のカテゴリーが理由ではない。

本質的には「本気で変える」行動力だけである。
運営するSolon がそれを証明している。



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