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【労働環境】現代のシェアサロンは必然として生まれた

美容業界の「労働環境の改善」と「低賃金の改善」について考えを巡らせています。
「労働環境の改善」と「低賃金の改善」について考えていると現代のシェアサロンは「必然」として生まれたと結論に至りました。

今回は、美容師の働く環境について考えたら、シェアサロンは必然として生まれた、、、このような内容になります。


【結論から】

「現代のシェアサロンは必然として生まれた」
それはシェアサロンを運営しているからではなく、いち美容師として労働環境を俯瞰してみると「不安、不満、未来への心配」などが見えてくるから。

長時間労働、低賃金
それらは労働のルールを守らないオーナーや、競争過剰な美容室の市場では「低価格」戦略をとるサロンが多く、働けど賃金がアップしない
このような理由が主だってあげられる。

ビジネスモデルの転換、法令などの理解
このようなことが今後さらに求められる。

【何も変わらない環境】

美容師の労働環境、低賃金の問題は、筆者が美容業界に入った25年以上も「変わらない」問題である。
「問題になっている内容」そのものが変わっていない現実です。
長時間労働、低賃金、、、これが美容師に長らく続く問題です。

長時間労働と低賃金を一般的な会社員と比較してます。
①労働時間
美容師・・・1日の営業時間11時間
*一般的なサロン: 9:00 ~ 20:00(19:00 最終受付、昼休み・休憩なし)
(週5日営業だと55時間、さらに営業後のミーティング、営業前後の技術練習)
休日年間平均100日未満(87日なんてデータも見たことあります)
一般的な会社員・・・週40時間、休日年間平均110.7日

②賃金
美容師・・・平均300万円
一般的な会社員・・・平均457万円

これらの数値は平均値です。個人の経験、能力、勤務先の規模や地域によって変動します。美容師の平均年収は約300万円とされています。これは他の業種と比較すると低い水準ですが、経験や技術、アシスタントも含まれ、勤務先によっては収入が増加する可能性があることも触れておきます。
比較すること自体は無意味ですが、今回は「労働時間、賃金」という事実を表すのに比較しています。

【労働環境の問題を抽出】

美容業界がなぜこのような労働環境かを考える前に、現状の問題を整理してみます。
1、労働時間について
①法定労働時間を超える労働時間
(36協定を結んでいるが、時間外労働月45時間・年360時間を超えている)…*企業側は刑事罰ですよ
 *36協定を結んだサロンの働く時間の一例
通常45時間が1ヶ月の上限なので、数字上ではおよそ10時間 / 1週です。前述の一般的なサロン9:00 〜 20:00 の営業時間だと11時間拘束。つまり法定労働時間8時間+36協定2時間+1時間の休憩=11時間。しかし休憩を取れているサロンの実態は少ないのが現状であると感じています。

そこに営業時間前後のミーティングや技術練習…
お客様のためと言い、仕事の時間に扱われてなく残業代もでません。

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そのため 
・週休2日になっていない(週休1日、月末だけ週休2日などまだある)
・有給休暇も法律通りに付与されていない
(20年働いたけど3日という友人がいる。また土日は有休2日分や、12月は取れないなどの法令違反はかなり多い)
・営業時間前後の打ち合わせ&技術練習
・「席の回転数」「客数×単価」が売り上げになるために多くの予約枠を持つため
・休日に勉強会、会社のイベント

2、低賃金について
・売上を立てられないアシスタントの給与水準がかなり低い
・ボーナスが出るサロン(会社)が少ない
・技術売上の歩合が低い

指名料がボーナスに「返還」されるケースなども往々にしてある。
それはボーナスなのかは議論が必要です。
毎月の歩合は指名料を引かれた額から算出することも往々にしてあります。このような給与体制は労働者側の納得感はかなり低いのが現実です。

そしてさらに拍車をかけるのが「人手不足」です。労働環境(賃金も含め)が改善されないため、退職や業界を離れる人も多く、継続的な人手不足に陥っているサロンが多いです。

【3つの視点で考える】

労働環境が改善されない、低賃金が続く、、
これらの要因を紐解くために3つの視点(仮説)で考えてみます。

1、ビジネスモデルに問題がある
2、収益構造のエラー
3、法規則に何か問題があるか?(残業・社会保険など)

[1、ビジネスモデルに問題がある場合]

 集客・提供価値モデルの問題
多くのサロンは低価格競争に陥りやすく、顧客満足度や継続来店率向上よりも、単価を抑えて数で勝負する戦略を採用していると感じています。このようなモデルでは、集客力を維持するために値下げ合戦が起こり、結果的に従業員への報酬が削られていきます。加えて、顧客単価が低くなることで収益を人件費に十分回せないため、賃金を上げられない「構造的なデフレ化」が起きています。
つまり「低価格=低収益」の状態が続くため、その分スタッフに還元するお金が増えず、給料を上げる余裕がないまま固定される悪循環が生じている、、、ということです。

サービス時間・回転率依存
ビジネスモデルとして、長時間労働に頼り、施術時間を詰め込み、回転率で収益を増やす戦略も問題ではないか、、このように受け止めています。限られた人材に長時間労働を強いてしまい、それが結果的に「低賃金+長時間労働」で従業員のモチベーション低下を招きます。労働環境も改善されないまま、人材定着率が下がり、教育コストが増す( = さらに先輩はスタッフ教育の時間がかかる)悪循環を生み出すことが多いと感じます。

ブランド価値構築の欠如
価格競争とは逆に、付加価値を高めるブランド戦略が不足しているケースも感じます。高い専門性、顧客体験を強化しブランド価値を高められれば、顧客単価を上げる選択肢が持てます。従業員に還元できる余地が生まれます。しかし、多くの店舗がこれを行わず、平均的なサービスレベルで戦うため、持続的な賃金改善につながりません。

2.収益構造のエラー(コスト・プライシング・生産性の問題)

原価計算と価格設定が適正でない
施術に必要な薬剤、設備投資、テナント料、広告費などのコストが十分に試算されないため、価格設定が適正に行われていません。
利益率が不健全になります。その結果、従業員の給与に回せる利益が確保できません。
簡単にいうと、8時間の営業、超えたら残業代支払い、法規則通りの有休などを与え、薬剤、設備投資、テナント料、広告費などのコストを支払っても利益が出る「ビジネスの設計」を開業前にするべきだと思います。

 収益管理やKPI設定の不明確さ
収益性向上のためのKPI(顧客単価、来店回数、リピート率など)が明確でない。またはそれに応じたインセンティブ制度が不十分な場合が多く、経営層はどこで収益改善を図ればよいか曖昧になります。いちばんわかりやすい行動として「コストカット」が行われ、人件費を削減(上げない、低水準のまま)が考えられます。

KGI からのKPIの設定など、定量的なゴールの設定、それに向かうまでの中間目標を明確(定量的=数値)な設定をすることで、何がサロンに足りないか、、、どの期間までに何をするのか、、、が明確になり経営改善に繋げることができます。

業務フローの非効率化
サロンワークや予約管理、在庫管理などのオペレーションが非効率な場合が多いと感じます。生産性が低下し、限られたリソースを効果的に活用できません。結果として、生み出せる付加価値が限られるため、給与改善が困難になります。生産性向上のためのITシステム導入や業務プロセス改革が行われなければ、低賃金の構造は維持されたままになります。
スタッフが営業終了後に目視で在庫を数える、、
予約表がいまだに紙、、さらにネット予約の二元管理、、
どんどんやることが増えていきます。
一つひとつの仕事が積み重なることで、施術以外のやることが増え、非効率な仕事環境を生み出し、結果的にはスタッフが長時間働くことになっている、、これが現状のサロンです。

3.法規則に関する問題(残業規制や社会保険関連)

労働法規の理解不足・順守不足
美容業界では、スタッフが固定残業代制やみなし労働(みなし残業制度)の名目はあるのにも関わらず、サービス残業で適法な範囲を超える労働を行いがちです。経営者側が労働基準法を十分理解せず、残業手当や休日労働の割増賃金が適正に支払われないことで、「実質的な低賃金労働」が常態化していると受け止めています。

働く人は「雇用契約書に明記されているか」などの細かい知識がないことが多いです。特に美容師は知らない人が多いです。そこは使用者側がルールを適切に守り、労働者を大切にしなければ改善できません。知らない美容師が悪いわけではなく「ルールを守らない使用者が悪い」のは明確な事実です。

社会保険の不整備
正社員として社会保険に加入させないケースがまだあるようです。従業員は将来不安が増し、実質的な可処分所得が減少します。これにより、賃金水準そのものが法律上は守られているように見えても、実質的な生活水準は低くなります。
美容室は法人格ではない美容室(オーナーが個人事業主)も多く、従業員に社会保険加入の義務がないサロンもあります。
しかし加入義務があるのに未加入を続けていたサロンもおおくあります。

社会保険が経営上の大きな負担になり、加入しないサロンもあります。(数年前よりは改善されました)

 規制の運用・執行の甘さ
法制度は存在していても、行政のチェックや指導が十分でないと、業界に根付いた慣習を改善するインセンティブが弱まります。規制を適切に執行するための監査や罰則が厳格でなければ、不適切な労働条件が継続されてしまいます。

規則の運用や執行は、どこまでされているのかはわかりません。
実態を把握できておりませんが、労働環境が改善されないところを見ると、あまり厳格な運用ではにように感じます。

【より付加価値提供が鍵になる。。。】

美容業界の労働環境や低賃金問題は、単一の要因で説明できるものではなく「ビジネスモデル」そのものが低価格・長時間労働に頼っている、、
業務が非効率的で適切な価格戦略が立てられていない、そして法規則の認識や遵守姿勢が不足している、、
このような複数要因が複合的に絡み合っているように感じます。
改善には、より付加価値を追求するビジネスモデルへの転換、収益構造の透明化・効率化、法令遵守といった総合的な取り組みが必要ですね。

改善に取り組んでいるオーナーさんは非常に多く、できる限り従業員を豊かにしようと日夜努力されていることも知っています。

しかし、
・労働のルールを守らないオーナー
・競争過剰な美容室の市場では「低価格」戦略をとるサロンが多く、働けど賃金がアップしない

このような状況が長く続いています。
そのような状況から「現代のシェアサロンは必然として生まれた」ように感じています。
それはシェアサロンを運営しているからではなく、いち美容師として労働環境を俯瞰してみると「不安、不満、未来への心配」などが見えてくるからです。
「現代のシェアサロンは必然として生まれた」ということが言えるのではないでしょうか。

【まとめると】

「現代のシェアサロンは必然として生まれた」
それはシェアサロンを運営しているからではなく、いち美容師として労働環境を俯瞰してみると「不安、不満、未来への心配」などが見えてくるから。

長時間労働、低賃金
それらは労働のルールを守らないオーナーや、競争過剰な美容室の市場では「低価格」戦略をとるサロンが多く、働けど賃金がアップしない
このような理由が主だってあげられる。

ビジネスモデルの転換、法令などの理解
このようなことが求められる。


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