「お母さん、神さまのお腹の中にいるみたいだね」と娘が言う。(家族移住体験:鹿嶋市#4)
やはり障子から射し込む朝陽で目を覚ます。これは滞在中ずっと続くんだろう。
千葉の我が家の寝室は強力な遮光カーテンだ。
どれだけ遮光してくれるかにこだわったのは私だが、この生活をしてみて、あんなにこだわらなくてもよかったのかも、と思う。
今日の朝食
エプロンを身につけ、一から餃子でも作っちゃうんじゃないか、みたいな十分に気合いの入った表情の夫がつくる今日の朝ごはんは、卵かけご飯とお味噌汁と梅干とキムチと柿。
「私も手伝うよ!」と張り切ってエプロンを持ち出してきた娘。
しっかりしたなぁ。
午前中は家でリモートワーク
今日は昨日の朝散歩ではいけなかった鹿島神宮本殿へ行きたいと思っていたため、
午前中にやらねばならないことを終わらすことにする。
夫も今日は仕事があるので、午前中は家のリビングに二人でPCを広げる。
ふと子どもたちを見ると、二人でわちゃわちゃしながら布団をたたんでくれていた。
その後は、塗り絵をしたり車のおもちゃで遊んだり。
お昼は鹿島神宮本殿へ
仕事がひと段落したら、念のためおにぎりを準備して鹿島神宮本殿へ向かう。
鹿嶋市はコンパクトなまちだから、本殿へも公園へも海へも車でちょちょいのちょいだ。(運転しない私が言うべきことではないが)
どこにでかけるのも大きな気合いがいらず、「ちょっとそこまで」みたいな気分なのだ。
そしてビューンと数分で鹿島神宮に到着。
ボサボサ髪を隠すためにいつもかぶっているキャップを、思わずとる。
生い茂るいくつもの大木からこぼれる木漏れ日を浴びながら、娘と息子の手をひく。
私が鹿嶋市に移住したならば、きっと毎日ここに子どもを連れてくるだろう。
夫とゆっくり歩きながら、気をつけて、と子どもを追いかける。
境内の中に、小道を見つける。
ジブリの世界のようだ。
眩しいほどの木漏れ日と、ひんやりした空気と、大木の根でごつごつしている足元と、視界の先はどこまでも木々で、この小道がどこに続くか分からない冒険感と。
「お母さん、私たち今、神さまのお腹の中にいるみたいだね」
と娘が言う。
本当に、神さまのお腹の中にいるみたいだ。
お母さんもそう思う。
なんて神秘的なんだろう。
境内を少し進むとカラフルなお団子やソフトクリームが売られているお茶屋さんがあり、子どもたちがキャッキャと近づいていく。
お茶屋さんの店員さんたちは、私たち家族に微笑んでくれるが一切グイグイ来ない。
「ソフトクリームどうぞ」や「お団子いかが?」が一切ないのだ。
ただ静かに微笑んでお団子を焼き、甘酒をあたためている。
これはほぼ核心に迫ってきたぞ。
グイグイ来ないのは、やはり市民性か…!
授与所で、今の私たち家族にしっくりくるお守りに出会う。
「新たな旅立ちの成功をお祈りいたします」と書かれた、開運・出世・旅行安全のお守りだ。
楽しめなかったらやめるだけだよね、くらいの気持ちで始めた暮らす旅は、ここ鹿嶋から始まった。
特に入念な下調べもせずになんとなく鹿嶋を選んだつもりだっただけれど、「何となく」じゃなかったのかもしれない。
すべての始まりの地とか、新たな旅立ちとか、嬉しいじゃないか。
本物のお金でお買い物をしてみたい!と普段からよくねだる娘に、「はじめてのお買い物してみる?」と夫が声をかける。
娘のはじめてのお買い物は、鹿島神宮のお守りだ。
よし、それではお腹がすいたからもう行こう!
鹿島神宮の滞在時間はゆっくり過ごして一時間くらい。
滞在中初めてとなる外食!
お昼におにぎりも持ってきたけれど、すーちゃんオススメの「とんかつきたき」に行ってみることにした。鹿嶋市に滞在して初めての外食だ!
鹿島アントラーズの選手のサインがズラリと並んでいる!
そして何より美味しい・・・!
脂身まで美味しくサクッといただいたのは初めてかもしれない。
お腹がいっぱいになり、午後はまちのコワーキングスペースへ向かう。
しかし、残念ながら今日はお休みのようだ。
子どもはお昼寝、親は仕事の続き
気を取り直して家に戻る。
鹿島神宮で走り回った子どもたちはお昼寝タイム。
私はリビングで仕事。亮ちゃんは郵便局へ書類を出しに。
夜は白菜と豚肉のミルフィーユ鍋と、サーモンのお刺身や昨日の残りなど。
その後夫婦でオンラインミーティングに参加し、子どもたちは布団でゴロゴロキャッキャしていた。
完全親戚の集まりと化すStayRokko
オンラインミーティング中にすーちゃんが帰宅。
ミーティング後は、すーちゃんのお仕事のことや、私たち家族が今日どんな風に過ごしたか、鹿嶋市ってこうだよね、とか、鹿嶋神宮の歴史の話などを、買ってきたアイスをみんなで食べながら話した。
夜。
布団の中で、結構肩の力を抜いて楽しめているな、何がこんなに気楽にさせるんだろう、などと考えていたらいつの間にか眠っていた。
コロッケパンの間に挟まれる夢を見た。
つづく