牛のマネをして、ここで私がすべきことはこれだったのかもしれないと思った晴れた日(家族移住体験#4:栃木県大田原市)
良かった…!ずっとぐずついていた天気も私の心も晴れた!
思い出の苺は酸っぱかったんだな、な朝
起きたら念願の苺ミルクづくりを。
小さい頃、休日の朝に苺を苺専用スプーンでつぶし、牛乳とお砂糖を入れてかき混ぜて飲むのが好きだった。
苺味のアイスや苺味のチョコレート、苺風味の飲み物は苦手なのだが、このお砂糖の入った苺ミルクだけは大好きだったのだ。
きっと、娘も息子も喜ぶだろう。そんな気持ちでせっせと苺をつぶし始める。普通のスプーンで小さ目の苺をつぶすのはとても難しく、想像していた以上に時間がかかった。
つくっている時は凄く楽しそうでワクワクした表情をしていた娘なのだが、いざ完成して口に含んだ瞬間「苺は苺のまま。牛乳は牛乳のままが美味しいかも」とのこと。
あの幼い頃の「すっごく美味しい!」と感じた思い出を娘と共有したかったなぁ、と思ったが、確かに娘の言うことも一理あるのだ。
大量の苺をお買い得に買えた栃木だから苺ミルクを楽しんでいるけれど、
昔はあんなに贅沢に苺ミルクなんてつくっていたのに、なぜ今は苺をそのまま食べないことをもったいなく思ってしまうんだろう。
そう考えてみると、昔の苺は酸っぱかったような気がする。
私が練乳が苦手だったから、ばあちゃんが苺ミルクにしてくれたんじゃなかったっけか…。そんな記憶が戻ってきた。
そうか、今の苺は甘くって、別に何かと混ぜたり何か人工的な甘みを加えたりする必要もなく、一粒一粒がとても大きいのか。
どうりで(かどうかは分からないけれど)今は苺をつぶすスプーンも売られているのをあまり見かけない。
娘が残した苺ミルクを飲み干しておなかがチャポンチャポンになりながら「やっぱり思い出の苺ミルクより少しだけ甘いかもな」と思いつつ、これからもたまにつくって祖母を思い出したいなと思った、私にとってはとても贅沢な朝。
(ちなみに息子はこのキノコ酸っぱいね、などとちょっとお門違いなことを言っていたけどちゃんと飲み干していたし、夫にいたってはこれでもかってほど砂糖を入れてなのに栃木の苺はやっぱり甘い!などと絶賛していたし、人のことは全く言えないけれど、それはそれで素材を大事にしろと怒りたくなったりした朝でもある)
くだらないけど、やるべきことはコレだったんだと思った牛のマネとか
そのあと少しだけ仕事をしたら、牛の放牧場を横目に散歩。
牛は実は「モー」って鳴かないことを知ったりとか、娘が牛に悪そうにちょっと(いやけっこうしっかり)鼻をつまんだりとか、私が牛の鳴き声をまねしたら牛が寄ってきたりして、息子がせき込むほど笑ったりとか。
すごいくだらないんだけど、大田原市にきてやるべきことはコレだったように思う。
雑談が全てなのでは…と確信し始めている
散歩の後は、牛に触発されて那須千本松牧場へ。
ここは大田原市ではないのだけど、大田原市の市街地から車で20分程。
おにぎり用にご飯を炊いたのにラップを買い忘れたので、潔く諦めてコンビニ経由で牧場に向かう。
先日「アブラヤ」さんというパン屋さんに「ファミリーにおすすめだよ」とおすすめされた場所の一つが那須千本松牧場。
大田原市の人がおススメしてくれる場所は、必ずしも自分のまちだけじゃない。
みんな自分が住んでいる栃木県自体が好きなことはもちろんなんだけど、来た人がどんなところに行ったら喜ぶだろうと考えて紹介してくれている気がする。
千本松牧場はリーズナブルに遊べてとても気持ちのいい場所だった。
娘も、あのおばちゃんにおすすめしてもらった場所だよね、と言う。
そうだよね、誰におすすめされたかが大事だったりするんだよね、と思ったり。
他の地域でも思うのだけど、雑談が全てなんじゃないかと思ってきている。
このまちのいいところは何ですか?と急に聞かれても分からなくて、それはまちのことが分からないというよりも、
「この人たちにならこの情報を伝えたい」もあるだろうし「この人からこの人独自のおすすめを聞きたい」もある。
雑談ありで行った場所と雑談なしで行った場所では、その場所を思い出すときの感情がまた違うように思う。
なので、いきなり「いいところ教えて!」じゃなくて、ゆっくり仲良くなるところからだなぁとしみじみ思った千本松牧場。(といいつつ私はパン屋の方とお話ししていない)
清々しい思いで仕事ができている理由はよく分からないけれど
牧場から帰った後は、娘たちと一緒に昼寝をし、早く目が覚めたから少し仕事を進める。
前日とは打って変わって清々しい思いで仕事ができている。
私は何のためにここにいて、何をして過ごすことが私の心地よさに繋がるか、を確認することは大事な気がする。
いや、やっぱり大事じゃないか。そんなこといちいち確認してられないな(何なんだ一体)。
とにかく、先日「私はどこにいたって滞りなく仕事ができるってことを体現したいわけじゃない」と確認してから、心なしか仕事がはかどっているのだ。
公園行ったあとは、いつものおばあちゃんと「あたたかくしておやすみね」を
子どもたちが起きたら、先日益子さんに「お好きな場所でどうぞ!!」と明るく言われたことを思い出し、どこだか分からない森林で勝手に森林浴をし、
森林浴をしたあとは子どもたちの希望で中央多目的公園へ向かう。
行ってみて初めて、子どもたちが「またあそこで遊びたい」と言う気持ちが分かった。
広いし遊具も充実しているし、水遊びできるような噴水もある。
想像していたよりも楽しそうな場所だった。
フリスビーをへなへなと投げたりし合ったあとは、温泉に。
今日もいつものあのおばあちゃんがいた。
そろそろ大田原を出るんです、なんてことは、なんとなく言わないで、「あたたかくしておやすみね」といつもの挨拶を交わして帰る。
鮎を食べて、それはそれ。昨日までは昨日。今日は今日。これからはこれから。と思った夜
温泉に入ったあとの夜ごはんは、ずっと食べたかった鮎の塩焼きを。
次大田原でしたいのは鮎釣りだなぁ。
ちゃんと外に出ると、次にやりたいこととか、もっとやりたいことが見つかるのかもしれない。
毎回そんなことを言っては実際やるかは別問題なんだけど、何かやりたいなぁと思ってる時は大抵楽しい。
家の中で仕事し過ぎたことを反省しつつ、それはそれ。昨日までは昨日。今日は今日、これからはこれから。などと調子のいいまとめをして寝た気持ちいい大田原市の夜。
つづく
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