第四話 「ざるそば」と「せいろそば」
蕎麦ブームが浸透して来た江戸中期。
いくつものお蕎麦屋さんが街道沿いに立ち並びます。
今も昔も、商売に必要なのは他店との差別化。
そこで「蕎麦を竹ざるに盛ったら、涼やかでうまいんでねえか?」
と伊勢屋は考えました。案の定、大ブレイク‼︎
みんなも真似し始めて竹ざるに盛ってある蕎麦「ざるそば」が広く浸透していきました。
やがて明治に入り食文化も変化して来て「ざるそば」にもみ海苔を加えて
提供するようになりました。
続いて「せいろそば」これは江戸時代の後期に誕生します。
「聖籠(せいろう)」が使われたことが始まりです。聖籠は蒸し料理に使われる調理器具で
実際、江戸時代初期には蕎麦を蒸す方法もあったようです。
しかし、蒸し蕎麦の調理方法自体は廃れていってしまいました。
聖籠に盛り付けてある蕎麦ということで最後の「う」が取れて今でもせいろそばの名称が残っているのです。
お店の好みや事情によって自由に呼ばれているのが現状です。