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他者との出会いとロールモデル

皆さん、こんにちは
わたころ運営の吉田です。

何かしらの障害を抱えている当事者の皆さんは
どのようにして、その生きづらさと向き合い、過ごしてきていますか?
私は、幼少期から深く考えず、その場その場で何となく対処しながら過ごしてきていました。

それで、何とかなることもありますが、上手くいかないことも多々あり正直辛い経験をしたことを覚えています。

今回は、視覚障害当事者である私が、どのようにこの障害特性と付き合いながら過ごせるようになったかのターニングポイントについて個人的な思いをまとめていきたいと思います。


大人になっても苦悩する日々

視覚障害当事者の私は、作業療法士として地域の一般病院に就職し、作業療法士として駆け出しの日々を送っていました。
初めての社会人としての生活に四苦八苦しながら、先輩たちの指導ももらいながら勤務にあたっていたのを覚えています。

当たり前ですが、知識も技術もまだまだ未熟でミスをすることも多く、自信を無くすこともありました。

そんな中で、
・カルテ記録の際に画面の文字が小さく良く見えない
・賀状所見が良く見えない
・バルーンや点滴などのルートが見えにくい
などなど
業務にあたり、困る場面に直面するようになりました。

これは、作業療法士として勤務する上では、とてもストレスであり上手く出来ず、先輩や管理職から指導を受ける度に、自身の自己肯定感も下がる一方でした。
この頃は、自分の視覚障害を特に肯定できなかった時期だと思います。


自分と同じような障害当事者との出会い

そんな、ストレスフルな時期が3年ほど続き、指導や援助も受けながら、何とか作業療法士として一応、一人でも働けるようになってきた、一方で、自身の視覚障害を持つ当事者としてのコンプレックスは付きまとっていました。

作業療法士として働きはじめ、たぶん7年目ぐらいのころに、お世話になっていた職場の先輩から、私と同じように視覚障害を持って作業療法士として活躍されている方々と会うから一緒に来ない?と誘いがあり、なんとなくいく事にしました。

そこで、お会いした視覚障害者の当事者であるお2人の作業療法士との出会いは確実に私の人生のターニングポイントになりました。

今まで、同じような境遇の方に出会ったことがなかった私にとってはお2人から聞く、視覚障害による日々の困り感や苦労、工夫など共感できることと自分では気づくことが出来なかった工夫の発見はとでも参考になりました。
何よりも、お2人とも視覚障害当事者でありながらも、その特性も活かしつつ、あらゆる方面でのご活躍されていたのです。
恐らく、お2人ともその特性を活かそうとして活躍されているわけではないと思いますが、私にとっては視覚障害をうまく活かしながら生きていくことの意味を気付くことができた瞬間でした。

それぐらい、活かしていかないと、両親から貰ったこの先天性白内障という特性が勿体ない、と思ったからです。

この気付きとロールモデルに触れられたことが、当事者支援者としてのターニングポイントとなりました。
それを機に、以前よりも先天性白内障という視覚障害をオープンにするようになり、自身の成長と社会貢献への意識、そして、このわたころもはじめ、いろいろな御縁に繋がっていると振り返っています。


最後に

現在は、インターネットやSNSの普及によりあらゆる情報が私の幼少時代よりも多く入手し、同じような当事者の方と繋がれるようになってきました。

自分ひとりでは、解決できない、折り合いがつけられないことも他者との交流を通じてその対応方法を共有でき、少しでも自身の障害特性と付き合って暮らしていくことがでる一助になるかもしれませんね。

今回のお話の一部は、田島先生が編集されました、こちらの雑誌でも少し書かせて頂いていますのでご興味あればご一読ください。


それでは、また


<吉田尚樹>
わたころ運営スタッフ|作業療法士
リハビリテーションの医療機関にて子どもたちの作業療法に従事。
先天性白内障当事者として当事者支援者の活動や情報を発信中。


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