【自然科学】農薬とバッタ 取って食べようは机上の空論 殺虫剤を撒こうは重大な失敗

反原発を唱える人は未だに多い

その中には化学や電気系統を一切勉強しなかった人もいる

私の経験だが、反原発をツイートする人はむしろエネルギーの現状に関する知識不足な人が多い気がするのだが気のせいだろうか


原発を廃止して太陽光エネルギーで代替え出来るならそれでいい

しかし現実では、河川に置いたソーラーパネルにより用地が脆くなる、天候により安定したエネルギーにならないなど多くの問題がある。

理想と現実 これが現在北部アフリカで大問題になっているサバクトビバッタ問題のジレンマに類似する。


科学殺虫剤か生物殺虫剤か

 欧州連合(EU)は2020年の初めにクロルピリホスの使用を禁止した。米国ではニューヨーク州、カリフォルニア州、ハワイ州ですでに禁止されている。フェニトロチオンもヨーロッパでは禁止されているが、米国とオーストラリアでは許可されており、オーストラリア政府はバッタ防除対策の主力に用いている。

アメリカで起きたクロルピリホス使用が原因と思われるミツバチの大量死

クロルピリホスは哺乳類への影響が少ないため、2010年代はむしろ安全な農薬として全世界で使用が増えていた

しかし2010年代中盤になるとミツバチの大量行方不明という人類には理解出来ない、そして重大な問題が起きた

やがてその原因が農薬にある事が判明する


使われない生物農薬

これまでに230万リットルの化学殺虫剤が190万ヘクタールに散布され、FAOによれば費用は1億9500万ドル(約213億円)にのぼる。散布は2021年も継続される予定だ。

 環境にもたらす被害についてはまだ評価が不十分だが、殺虫剤の影響については数十年にわたるデータが積み重なっている。効果を発揮する害虫の種類が幅広い殺虫剤は、バッタだけでなくハナバチやその他の昆虫まで殺してしまう。また、水系にも浸出し、人体にも悪影響を及ぼす恐れがある。

 サバクトビバッタの大群は、見る者をおびえさせる。地平線に黒い煙のようなものが現れ、やがて空は暗くなる。カサカサという音が次第に大きくなって喧噪となり、数千万匹もの貪欲な、指ほどの大きさの明るい黄色のバッタが大地に舞い降りる。

 ケニアは70年間、バッタの大量発生による被害「蝗害(こうがい)」を受けてこなかった。2019年に最初の大群が襲来したときにはまったく備えができておらず、不意を突かれた形となったのも当然だった。

 大量発生のきっかけは2018年。アラビア半島の砂漠にサイクロンが大量の雨を降らせ、湿った砂地でサバクトビバッタが人知れず繁殖した。2019年には、人が近づきがたいイエメンの紛争地帯に強風で運ばれ、やがて紅海を渡ってソマリア、エチオピア、そしてケニアにまでやって来た。

 ケニアでは当初、バッタを防除するためにあらゆる手が尽くされた。

 殺虫剤の散布は、新型コロナウイルスの感染が拡大し世界各地で都市封鎖が行われている間も続けられた。数百人の地元のボランティアやケニアの国家青年奉仕隊の隊員たちが、最小限の訓練を受け、新型コロナ対策のマスクを着用して噴霧器を背負い、在庫があった殺虫剤なら何でもバッタの大群に噴射した。デルタメトリンが数万リットル、フィプロニル、クロルピリホスやその他の殺虫剤も数百リットル散布された。その多くは、ヨーロッパや米国の一部では使用が禁止されている。

 北部のサンブル地区では、ある地上散布チームが推奨量の34倍の殺虫剤を散布し、ハナバチや甲虫が死んだだけでなく、散布した本人や農作物にも殺虫剤がかかったことが報告されている。


 バッタだけを駆除し、環境への負荷が低い生物農薬が、数十年前から使えるようになっている。だが、依然として化学殺虫剤が選択されることが多く、現在の東アフリカでのバッタ防除活動では散布薬剤の9割を占めている。

 生物農薬の開発が始まったのは、北アフリカからインドまでの広い地域で何年も続いた蝗害が終息した1980年代後半のことだった。

バッタ駆除に効果がある糸状菌メタリジウム・アクリダムを用いた微生物農薬が開発された

 メタリジウムは1998年から市場に流通しており、FAOからバッタに対する「最適な防除オプション」として推奨されているが、ほとんど使用されていない。というのもメタリジウムは遅効性で、バッタが死ぬまでに数日を要するからだ。高価で散布方法も難しい。さらに、最も効果を発揮するのはまだ飛べない幼虫に対してであり、最大の脅威である成虫の大群ではない。

 バッタだけを駆除するというメタリジウムの最大の特長が商品としての収益性を下げているせいで、メーカーはあまり作りたがらず、コストのかかる登録手続きなどもその国が必要に迫られるまでやりたがらない。結果、必要な時に手遅れになってしまう。

こうした理由から各国政府は、大手農薬メーカーが大量生産する、効果の対象が幅広い有毒な化学殺虫剤に頼っているのが現状だ。



まとめ

という事で今回は明快な正解のない問題をピックアップしてみました

200億円以上かけて農薬をまいて、サバクトビバッタ問題を完全に解決できるわけでもなく副作用として生態系に重大な問題が残る。

彼らはそれでもやっている

飢えて死ぬか、ミツバチを犠牲にしても生きるかの選択

簡単に理想論を彼らに説教するだけではなく、そういう当事者の心理までも考えないといけないのです









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小豆畑まお
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