それってまっすぐ座っていますか?
こんにちは!理学療法士のわらしなです(*'▽')
座り方は、人によって癖はあり、前後左右、いろいろな方向へ傾いています。
癖を修正するのは大変ですが、、、
『気が付いたときに意識をする』ことは、非常に大事です。
この記事を読んだら、日々気を付けるポイントがわかり、「いい姿勢」を作ることができるようになると思います。
「いい姿勢」を作ることは、体幹の筋肉の活動が高まったり、次の動作に移りやすかったりなど、いいことが盛りだくさんなので、是非読んでみてください。
座っているとき、体重を支えている部分はどこでしょうか?
座っているときは、地面や座面に接している部分である、「足の裏」と「おしり」で支えていることになります。
今回は「おしり」の支えを中心に話していきましょう。
1.座るときは、◯◯で支える
まずはおしりの骨について話していきたいと思います。
おしりの骨は、みなさん知っての通り「骨盤」です。
骨盤は、「腸骨」「恥骨」「坐骨」の3つの骨から構成されています。
座っているときに、特に重要なのは「坐骨」です。
おしりは、筋肉や脂肪が多くありますが、支えている骨は「坐骨」のみです。
そのため、〈坐骨でまっすぐに支える〉という意識が非常に重要になります。
〈坐骨でまっすぐ支える〉といのは、横から見るとわかりやすいです。
左がまっすぐ支えているとき。
右が後ろに傾いたときです。
坐骨でまっすぐ支えることで、骨盤が起き、脊柱(背骨)がまっすぐになり、骨盤の上で胸郭や頭を支えることができます。
坐骨の後ろ部分で支えたときはどうでしょうか?
骨盤は後ろに傾き、脊柱の位置も後ろになってしまいます。
脊柱の位置が後ろになってしまうと、頭を骨盤の上にもってくるため、脊柱が曲がってしまいます。
これが、「猫背」です。
猫背を気にしている人は多いと思いますが、背中を伸ばすだけではなく、〈坐骨での支え〉を意識してみてください。
2.骨盤を起こすための筋肉は?
さて、坐骨で支えることの大事さはわかったと思います。
骨盤を起こす、いわゆる骨盤前傾といわれる運動は、どのようにして起こっているのでしょうか?
まずは、骨盤を起こす筋肉はを考えてみましょう?
骨盤を起こす筋肉で最も重要なのは、「腸腰筋」です。
腸腰筋は、腸骨筋と大腰筋の2つからなります。
主な作用として、股関節の屈曲(太ももをおなかに近づける)があります。
下の図は、骨盤を前から見たものです
右側が腸骨筋、左側が大腰筋です。(左右の両方に、腸骨筋と大腰筋の2つともあります)
座っている状態では、それぞれ下記のような作用があります。
腸骨筋:骨盤を前に引っ張る
大腰筋:腰椎(背骨の腰部分)を前に引っ張る
「腸骨筋だけでも良くない?」
と思っている方もおられるとは思います、、、
骨盤を起こすだけなら、腸骨筋だけでもいいですが、
腸骨筋と大腰筋の両方がしっかりと働くことで、左図のように骨盤を起こすことができ、骨盤を起こした後の座っているときの安定を高めることができます。
3.坐骨支持をうながすためには?
では、自分ではなく、ほかの人の座り方を変えるにはどうしたらいいでしょうか?
「しっかり坐骨を意識してみて」
「骨盤を起こしてみて」
このような口頭での誘導でできるのであれば、最初から困らないですよね、、、
手を使ったおすすめの誘導の方法は、3つあります。
1.骨盤からの誘導
2.大腿部(太もも)からの誘導
3.体幹からの誘導
そのまま座る練習に使えるので、ぜひ試してみてください。
〈骨盤からの誘導〉
骨盤からの誘導は、前から後ろからのどちらからでも構いません。
骨盤を左右から把持し、前に傾けるように動かします。
注意する点は、 運動の軸 と 力の向き の2つです。
・運動の軸
骨盤を前に傾ける時の運動の軸はどこになるでしょうか?
座っているとき、骨盤の運動の軸は、坐骨です。
黒い点(坐骨)が支点となり、回転運動が起こることで骨盤の傾きが起こります。
骨盤を把持して誘導をする際、回転運動を意識して誘導することが非常に大事です。
前から誘導したとき、骨盤をまっすぐ引いてしまうように誘導をしてしまうことは多くあります。
そのように誘導をしてしまうと、支点がずれてしまい、過剰なバランス反応を誘発してしまう恐れがあります。
〈大腿部(太もも)からの誘導〉
大腿部からの誘導は、前から行います。
誘導のイメージで大事な点は2つです。
・太ももに向けて骨盤を引っ張る
・誘導の向きは足底(足の裏)へ
では、ひとつずつ説明していきましょう。
・太ももに向けて骨盤を引っ張る
誘導する手の位置は、股関節の前面(大腿直筋の起始部)です。
大腿直筋の走行をイメージして、骨盤を誘導していきます。
・誘導の向きは足底(足の裏)へ
骨盤を起こす目的のひとつに、足に体重をかけることがあります。
そのため、誘導を行う力の向きは、足へ向かって行うことが重要です。
足へ向かって誘導をすることで、その後の立ち上がりや歩行へつながる座り姿勢を作ることができます。
〈体幹からの誘導〉
体幹からの誘導は、前・後ろのどちらからでも誘導可能です。
誘導する手の位置は、胸郭を把持します。
注意点は1つです。
・胸郭を骨盤の上に持っていく
胸郭を骨盤の上に誘導する際に、注意しなければいけないことは、脊柱(背骨)の動きです。
骨盤が後ろに傾いているときは、脊柱は後ろに弯曲(後弯)しています。
後弯したまま、胸郭を骨盤の上に誘導すると、脊柱の伸展(背骨の伸び)が出ず、骨盤が後ろに傾いたままになってしまいます。
骨盤を動きを誘導するために、脊柱の動き(伸展)を意識して胸郭を誘導する必要があります。
誘導する方法は、その人に合わせて行うのが一番です。
はじめは、ご自身でやりやすい誘導の仕方から、相手の体に合わせて誘導ができるように勧めていきましょう。
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