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#推薦図書
【読んでみましたアジア本】インドと中国、二大国の間に横たわる「アジア」事情を知る:タンミンウー『ビルマ・ハイウェイ』(白水社)
◎『ビルマ・ハイウェイ:中国とインドをつなぐ十字路』タンミンウー・著/秋元由紀・訳(白水社)
1年ほど前にジャーナリストの舛友雄大さんに紹介されて手にした本。いつも言葉の少ない舛友さんなので具体的に何が書かれているのかの説明は特になかったのだけれど、勉強家でとにかく目の付け所が現地に根ざしている彼ゆえに、尋ねるよりも「とにかく読んでみなければ始まらない」という気分になったのだった。
なぜにビル
【読んでみました中国本】今の日本を愛するなら忘れてはならない、日本の歴史の一部を担った人たちの足跡:野嶋剛『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』
◎『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』野嶋剛(小学館)
先日、以前の取材原稿を引っ張り出して調べ物をする必要があり、そのとき久しぶりにこの言葉を目にした。
「中国語がわたしのパスポートなんです」
拙著『中国新声代』に収録した台湾の作家、龍應台さんが、中国で行われた会合で「中国の作家」と紹介されたときの言葉だ。中国の政治制度に巻き込まれるのを拒絶し、紹介の言葉を「わたしは中国の作家ではなくて中国
【読んでみました中国本】遠ざかっていく香港の味わいを思い起こさせてくれる「香港うんちくグルメ」:蔡瀾『人生の味わい方、打ち明けよう』
◎蔡瀾・著/新井一二三・訳『人生の味わい方、打ち明けよう』(角川書店)
「また香港です。お目にかかるチャンスがあれば嬉しいです」
と書いて「送信」を押したら、すぐにスマホが震えた。
「メッセージは送信されましたが、相手が受け取りを拒絶しています」
あら。
手元に残っている最後のやりとりは昨年のもの。香港返還20周年取材の企画で、返還当年よりもずっとずっと昔の香港の話題から始めたいと思い、
【読んでみました中国本】中国の少数民族を訪ね歩く、醍醐味たっぷりのルポルタージュ:デイヴィッド・アイマー『辺境中国:新疆、チベット、雲南、東北部を行く』(白水社)
◎『辺境中国:新疆、チベット、雲南、東北部を行く』デイヴィッド・アイマー・著/近藤隆文・訳(白水社)
「本が売れない」「本が読まれない」…こういわれるようになって久しい。出版社の人たちと会って話すと必ず出て来る言葉だ。
だが、じゃあ、いまでも本を読んでいる人たちが何を求めて本を読んでいるか、について、出版する側は本気で考えているのかなぁ、と思うことがよくある。前述の不満ともとれる言葉を吐いても
【読んでみました中国本】 「政治的分析はお控えください」――でもやっぱり比較してしまう面白さ:ケン・リュウ(編)「折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー」(早川書房)
◎ケン・リュウ(編)「折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー」(早川書房)
正直な話、この本を読むまで中国作家のSF作品がこんなに面白いとはこれまでまったく知らなかった。
この「読んでみました中国本」で何度も書いてきたとおり、わたしは大人になってからほとんど小説を読まなくなった。なので大人になってから暮らすようになった香港や中国でも、あまり当地の小説には関心を払ってこなかった。
だいたい、