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記事一覧
【ぶんぶくちゃいな】若き夫婦を不安に陥れる「原家族」
年明け早々、中国メディアに「2024年の映画興行総額は前年比23%減」とする話題が駆け巡った。それらの報道によると、2024年の観客総数はのべ3億人減少したという。
中国政府系メディアは、この統計データを、その減少幅の大きさを強調しないよう事務的な箇条書きで報じたが、庶民派メディアの報道ではその「凋落ぶりへの驚き」が全面に押し出されていた。
映画不振の理由はさまざまあり、特に影響が大きいのはネ
新マガジン「思考することば」試運転開始
ずっと前にマガジンとして設定はしてあったのですが、ずっと空白のままほったらかしにしていた「思考することば」の試運転を開始しました。「思考することば」はもともと、2010年前後にあるウェブサイトで連載していた同名コラムのnote延長となります。
ことばは生き物です。毎日のように中華圏のニュースを眺めていると、次々に新しい言葉が生まれ、生き生きと社会のムードを代弁していることに気づかされます。辞典や
241229 【ダイヤモンド・オンライン寄稿】1億ドル超え大ヒットが続々!「アツい香港映画」が戻ってきた
昨年、今年と、香港は興行成績1億ドル超えの史上最高ヒット塗り替え映画作品が次々出現しています。そのうち、『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』(原題:九龍城寨之圍戰)は今年前半まで、昨年歴代トップに立った『毒舌弁護人〜正義への戦い〜』(原題:毒舌大狀)に逼迫し、接戦を演じてました。
この作品を大ヒット中の6月の香港で観てきたんですが、とにかく「香港映画」に一度でも熱くなった人には最高のエ
【ぶんぶくちゃいな】「不明白播客」2024年、衰退に向かっていく中国社会(前編)
2024年ももう最後の1週間を切った。今年の日本と中国の関係を振り返ってみると、決して良かったとはいえない状況である。
一つはやはり、6月の蘇州日本人学校のスクールバス襲撃事件、そして9月の深セン日本人学校の学童襲撃事件が大きく影響している。そして、どちらでも死者がでており、両事件の犯人は逮捕はされたものの、いったいどんな理由で被害者たちを襲ったのかはまったく明らかにされていない。
さらに靖国
241220 【ダイヤモンド・オンライン寄稿】内モンゴルの大自然の中でバトル!?有名女優も出演、中国の人気「離婚リアリティ番組」が想像の斜め上をいっていた!
中国は時として、我われが見知っているあるものを、思わぬものに変えてしまうという「能力」を発揮することがある。今回のこの「リアリティ番組」もそのたぐいだ。
エンターテイメント番組作りで人気がある湖南省の「芒果TV」(「マンゴーテレビ」。香港紙「アップルデイリー」の名前をもじってつけたような名前である)が11月から放送し、大反響を巻き起こしている「リアリティ番組」はなんと「離婚」がテーマである。
【ぶんぶくちゃいな】興行成績更新続くも…岐路に立つ香港映画界
香港映画業界がこの2、3年、すっかり忘れていたにぎわいを取り戻している。
まず、昨年公開された『毒舌大状』(邦題『毒舌弁護人〜正義への戦い〜』)の興行収入が公開からわずか32日で1億香港ドル(約20億円、レートは執筆時の12月14日現在で統一)を突破し、香港の映画興行史上初めての「1億ドル」作品に躍り出た。もちろん、欧米作品を含めた香港興行成績の塗り替える記録である。
続いて、今年5月に公開さ
【ぶんぶくちゃいな】目立ち始めた奇妙な社会対立:フェミニズムvsアンチ西洋主義
毎日、ネットで繰り返しニュースチェックをしていると、数々のニュースや話題から時折「ある傾向」に気づくことがある。先日、今回、そうして気づいたのは、中国の女性たちが自分らしい「生き方」や「主張」の手段を手に入れつつあるようだ、ということだ。だが、そんな彼女たちが直面するのは意外な「抵抗」勢力である。
その傾向を紹介する意味で、一部の例を取り上げた記事が「ダイヤモンド・オンライン」で公開されている。
241130 【ダイヤモンド・オンライン寄稿】難病発症で“安楽死”を選んだ40代女性の「カウントダウン動画」に批判殺到 中国
この秋、中国ではさまざまな女性の話題が続きました。それぞれ別のテーマ、案件で、批判/賛成を集めていたのですが、それらを読みながら感じたのは、間違いなく中国の女性、特に30代から40代の女性たちは、経済的な独立性を手に入れて、ますます自分の「生き方」や「言葉」を手に入れているということでした。
今回の記事では二人を取り上げました。最初にご紹介したのはスタンダップコメディエンヌの楊笠さん。彼女を巡る
【ぶんぶくちゃいな】香港の秋:断罪された「民主」、そして「民意」
香港はこの秋、重苦しい時期を迎えた。
まず、2020年秋に行われる予定だった立法会議員選挙での勝利を目指して、民主派陣営が同年夏に行った民主派予備選挙への「審判」が行われた。被告の人数は47人。香港の裁判史上、最大の被告人数だといわれている。さらに続いて、人気大衆紙だった「アップルデイリー」(蘋果日報、りんご日報とも)創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏に対する裁判も本格化する。
前者は香港市民の
【ぶんぶくちゃいな】「トランプ時代再来」を見つめる中国人たち
11月最初の週、中国は不思議なくらい、良くも悪くも大きなニュースがなかった。政府の動きを含めて、なんとなく中国全体がなにかが始まるのを待っているような、妙な感触だ。そしてその理由は11月の初旬が終わろうとしている今になってもよくわからない。
もしかしたら、米国の大統領選がその理由の一つだったのかもしれない。だが、投票日が過ぎ、トランプ氏再選が決定してから週末を迎えた現在になっても、中国には大した
【ぶんぶくちゃいな】「不明白播客」仇日の時代、中国人の我われは今なにを考えるべきか?(後編)
前回に引き続き、「ニューヨーク・タイムズ」紙の中国人記者、袁莉さんが主宰するポッドキャスト「不明白播客」から、深センの日本人小学生刺殺事件を受けて急遽行われた識者の声をご紹介する。
事件から1カ月あまりがすぎ、すでにすっかり日本メディアでも事件のその後について触れられていない。現地に駐在員を置く、日本の主要メディアには大使館から「被害者周りの取材を控えるよう」よう申し出が行われていることも大きい
【ぶんぶくちゃいな】「不明白播客」仇日の時代、中国人の我われは今なにを考えるべきか?(前編)
10月も終わりに入った。
みなさんは気づいておられただろうか? あの中国・深セン市で起きた、衝撃的な日本人小学生殺人事件から1カ月が経ったことを。
この間、筆者は「中国・日本人男児刺殺事件、『本当に申し訳ない』 多くの中国人が涙した“父親の手紙”の中身とは」という記事を発表したがご覧いただけただろうか。
事件からわずか1カ月なのに、あの衝撃的な事件がメディアで語られることはほぼなくなった。政
241015 【artscape寄稿】香港映画界が紡ぐ「香港人らしさ」 ──新しい香港映画の波がやってくる
すみません。お知らせが遅くなりました。美術系情報雑誌「artscape」で、香港映画の話を書きました。ここ数年、香港映画が熱い!です。
昨年もそうでしたが、今年の6月の香港滞在でも、とにかく時間を惜しんで映画館に足を向けました。待っていれば、Netflixなどのオンデマンドで観れるようになる作品もあるのですが、やはり香港の映画館で周囲の観客のどよめきを聞きながら観るのとは、「臨場感」が違うからで