【ぶんぶくちゃいな】「不明白播客」2024年、衰退に向かっていく中国社会(後編)
今回も前回に続けて、「ニューヨーク・タイムズ」記者の袁莉さんがホストを務める「不明白播客」から呉国光・米スタンフォード大学教授による2024年の振り返り後編をお送りする。
呉教授は前編で、昨年顕著に激増した無差別襲撃事件は「社会の衰退」を表す傾向だと指摘した。路行く見知らぬ人が突然自分を襲う恐怖は社会に広がり、外出を控えたり、人混みに出かけたり、あるいはグループになって歩くのを避けるようになった人が増えたことを袁莉さんは指摘した。
呉教授は、こうした無差別な襲撃事件の裏には、個人の手が届かない政府への不満が渦巻いていることと語り、ネット用語「恨みには始まりがあり、借金には主がいる。前方を左折すれば政府だ」を引用し、それこそが人々が抱えている問題だと述べた。
後編となる今回は、習近平自らが命じた無差別襲撃事件防止策がいったい何を意味するのか。そこに顕になった、中国共産党の施政の矛盾点を同教授が指摘する。
なお、文中[]で示したのは筆者による注釈及び補足である。
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