遠くても一緒に観た映画。
「映画」
それは僕にとって人生の教科書のようなもので、
希望をくれたり、夢を見せたりしてくれる。
時には現実を突きつけられるようなことも。
そんな「映画」に関する思い出ですが、
僕にとってはかけがえのないものがあります。
それは彼女との遠距離恋愛中に観た映画です。
僕には、お付き合いをしている彼女がいます。
その彼女とお付き合いを初めた最初の頃は、
東京と地方で遠距離の生活をしていました。
遠距離で過ごすということには、
一緒に楽しめることにも限りがあって、
当初は週末のビデオ通話が唯一の楽しみでした。
そんな中でも遠距離での生活が続いていくと、
自然と少しずつできることが増えていきました。
それは、「手紙」を送り合うことだったり、
音楽のプレイリストを共有することだったり、
一緒に映画を観ることだったり。
アナログな趣味も僕たちに合っていたのですが、
それでもこの時代には便利なものが多くて、
たとえ同じ場所で過ごすことができなくても、
すぐに楽しみを増やしていくことができました。
そして増えていった楽しみの中でも、
特に思い入れのあるものが、
彼女が提案してくれた「遠隔映画祭」です。
同じ時間に再生ボタンを押して映画を観る
「遠隔映画祭」は彼女が名付けた映画の日で、
遠距離恋愛をしていた僕らにとって、同じことを「一緒に」楽しめる大切な時間の1つでした。
お互いのことを想って手紙を送り合うことや、
それぞれのおすすめの音楽を聴き合うことは、
確かに僕たち2人の幸せな思い出ですが、
同じ時間を共有するものではありませんでした。
遠距離恋愛をしている僕たちにとって、
「一緒に同じものを楽しむ」ということが、
どれだけ大切なものだったのか、
同じ屋根の下で過ごす日が増えた今でも、
とても鮮明に覚えています。
そんな思い出深い遠隔映画祭ですが、
彼女が1番最初に僕に教えてくれた映画は、
「アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜」
という作品でした。
まだ遠隔映画祭が生まれるよりも前に、
彼女が1番好きだと教えてくれたこの映画は、
今では僕の中でも1番好きだと言える映画です。
毎日を生きていく中で、
どんなところに幸せを見つけることができるか、
小さな幸せに気づくことができるか、
そんな大切なことを教えてくれる映画です。
実は彼女に出会ったきっかけにも共通していて、
僕にとっては「人生のテーマ」と言えるほど、
自分の心に留めている部分でもあります。
彼女が教えてくれた1本の映画作品と、
彼女が提案してくれた遠隔映画祭。
この映画があって、僕はより幸せになったし、
遠隔映画祭があって今の僕たちがあると思う。
僕の人生に彩りを与えてくれる彼女は、
きっとこれからも僕の隣で、
より多くの幸せに気づかせてくれるのだろうと、
そう強く思わせてくれています。
そんな彼女と、
これからも映画をたくさん観て、
楽しい時間を一緒に過ごして、
いまある思い出を、時間をかけながら、
もっと大切にできたらいいなと思う日々です。
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