たしかな教材研究で読み手を育てる「お手紙」の授業
文芸研の出す「やまなし」や「ごんぎつね」の作品への解釈は痺れる。一冊丸ごと使いながら、一つの作品についての教材解釈や授業実践について考えられることがありがたい。
こうした本を使わずに、自分自身の手で教材研究をするべきだという意見もあるのかもしれない。私はこういう本だって上手に使いながら、とにかく自分自身の手に入る情報をうまく編集すること、くわえて目の前の児童の実態をもとに自分自身で授業構成をしていくことが大事だと感じている。もっと突っ込んで言えば、その道のプロが研究しているものを利用しない手はないとさえ思う。
ということで、これから授業をする予定のある「お手紙」について、この本を読みながら考えていた。
「お手紙」の授業をするのは、自分自身2回目。
それも2年生を担任したのは10年以上前のことなので、作品自体もすごく新鮮な気持ちで読むことができた。本当の意味で初読ではないのだけれど、こうやって時間を置いたことで、「お手紙」の温かさを感じたり考えたりすることができたと思う。
この本の冒頭に書かれている言葉が、概ねその通りだなと思ったので、少し長くなるが引用する。
子どもたちに課題意識をどのように持ってもらうか、ここに教師の授業構成力が問われていると感じる。子どもの中に問いが生まれるようにする、読み深めたいと思えるようにするという部分をどのように教師が作り出していけるかが鍵になる。
第3章では 板書と思考の流れで展開がわかる 実践!「お手紙」の授業
と題して、板書計画、展開の流し方、T-Cの具体的なやりとりなども書かれている。こうした計画も一つ参考にしながら、さらに自由度の高い構成を目指していきたい。
くわえて今回の単元は、パフォーマンス課題の実践をしてみたいという個人的な想いもある。そうした課題を先出ししながら、ただ決してやらせるだけにはならず、子どもたちと一緒にどんなふうに授業を作っていくか、その授業を作っていくための土台をそもそもどのように練っていくか、これからもっと具体的に考える。