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病気を治療できるようになるというかつての希望

あなたが子ども向けの本を書くなら、脳と思い込みについて書くことを考えてほしい。あなたが教育者なら、どうすれば必修科目の一部に脳の理論を組み込めるか問いかけてほしい(中略)良い教育を受ける人は、教育をあまり、またはまったく受けていない人より、財源と医療を利用しやすく、ひいては自分の遺伝子を伝える可能性が高くなる(中略)私たちが知的なのは、ひとつのことを特別にうまくできるからではなく、ほぼどんなことでもやり方を学習できるからだ

プラトンは、何によらず根本を学ぶことが重要だと主張していた。どうすれば裁判官になれるのか、彫像を刻めるのか、都市を治められるのか、といったことを学ぶのではなく、正義とは何か、美とは何か、理想的な都市とは何かを問うべきなのだ。プラトンはこの手法に名前を付けた。その後、大いに広まることになる名前である。元来「哲学」とは、若者を教育してその知の展開を後押しする、この独特な教育方法を意味する言葉だった(中略)なぜ哲学が───物事の根本や抽象的な概念を学ぶことが───芸術や具体的な科学にとって有用なのか(中略)哲学が科学にとって有用であるというアリストテレスの主張は、そっくりそのまま今も通用する(中略)基本的な事柄を分析することで、実際に科学に影響が及ぶ(中略)哲学的な思考は、もっとも優れた西洋科学に絶えず深い影響を与えてきた。デカルトがいなければニュートンは存在せず、アインシュタインは直接ライプニッツやバークリーやマッハ、さらにはポワンカレの哲学的な文章から学んでいた(中略)哲学的な思考によって窓が開かれ、先入観から解き放たれ、論理の飛躍や矛盾が明らかになり、新たな方法論的アプローチが暗示され、一般に、科学者の精神が新たな可能性へと開かれる(中略)アリストテレスによると、「哲学は、研究をどのように行うべきか、その道しるべを提供する」(中略)科学は、「特に困難が最大となった時に」哲学を必要とする(中略)基礎が問われる状況───にあるとき、哲学の必要性は最大になる。

哲学の基本は、一見ばらばらな多数の要素を一つにまとめ上げることだ。一つにまとめた時にどのような全体像が見えてくるかが重要

情報分析官

プラトンは、ピタゴラス主義に含まれる神秘主義的な要素を余分かつ無用なものとして削ぎ落とし、そこから有用なメッセージだけを抽出(中略)(※プラトンの)アカデメイアの俊英アリストテレス(中略)アリストテレス曰く、「哲学は、いかにして探求を遂行するかについての指針を与えてくれる」。アリストテレスの主張、その三。とりわけ、戸惑いがもっとも大きくなる箇所において、科学は哲学を必要とする。基礎概念の見直しを迫られ、激しい変革期の渦中にあるとき、科学はいつにも増して哲学を必要とする(中略)若者を教育し、知を涵養していく作法を指して、プラトンは「哲学」と呼んだ ※引用者加筆.

たとえば、お金に余裕のある人や親から経済的援助を受けられる人は、生活のことを気にせずに納得のいくまでチャレンジを続けることができる。十分な教育を受けられる人、知り合いに有力者がいる人、力の入れどころを心得ている人は、同じだけの努力を投じても大きな成果が得られる。財力、教育、人脈が、努力の効果を倍増させるのである。境遇に恵まれていない人は、最善を尽くしているにもかかわらず、さんざんな目に遭うこともある(中略)そんなわけで、努力すれば何でもうまくゆくわけではないこと、努力しても同じように報われるわけではないことも心に留めておこう(中略)たとえば、ガンの治療法を求めて研究を重ね、結局は有効な治療法が見つからなかったとしても、研究してきたことそれ自体の価値が薄れることはない。

情報分析官

成長を止めるストレスホルモンは、自分に必要なエネルギーを蓄えるために免疫システムの働きを中断させてしまう。(※細胞生物学者ブルース・)リプトン博士はこれが病気の原因の90%以上を占めると信じている。博士が最終的に大学を離れたのは、自分が信じていないことを学生に教えることはできないと思ったからだ。※引用者加筆.

情報分析官

本当に必要なのは、私たちが子どもの頃から教えられてきた神話を見抜けるようになること。これに尽きる。その神話を吹き込んだのは医師・両親・教師

情報分析官

すべての偉大な真理は、最初は冒涜の言葉として始まる(中略)これまでの人生によって今の自分の人となりが決まるのだ(中略)(※アメリカ国立衛生研究所の医療倫理学部門の責任者でペンシルベニア大学医療倫理・保健政策学部兼副学長の)エマニュエルは、彼が〝外れ値〟と呼ぶ人と同じような増大した創造性を、医学の力によって多くの人に経験させることができないのはなぜかという質問に対して、自らのパラダイムのポイントのひとつである、認知症などの病気を治療できるようになるというかつての希望がなくなったからだと説明している。※引用者加筆.

相手の本当の正体を知るためには、適切な文脈にもとづいて考えていかなければならない(中略)潜在的攻撃性パーソナリティーの持ち主たちが、そのひそかな攻撃が人目にふれるのを嫌悪するのは、そのほうが自分の面目を保てるのでつごうがいいから(中略)その手口は本当に巧妙をきわめている。

虚偽記憶はこっそりと「真実」の看板の方へと忍び寄る。スズメの巣に産み落とされたカッコウのひなが、巣からスズメのひなを押し出して、大きな太ったカッコウへと成長し始めるようなものだ(中略)ある母親が、子どもが二歳の時の旅行のエピソードをその子が五歳になった時に話したとしよう。するとその子は、その話を母親から聞いたことは覚えておらず、それが実際の体験だと信じ、その光景をずっと記憶に留めている可能性が高い。そして母親自身も、その話をしたことを忘れているかもしれない。このようにして、再構成された記憶は子ども時代の記憶全般に忍び込む。幼い頃の記憶が話題になると、「これは私自身の記憶ですよ。誰かの話を聞いたからでも、写真を見て影響されたからでもありません」と言い張る人が必ずいる(中略)誰かに虚偽記憶を植え付けることはできるのだろうか(中略)研究者たちは、ねずみの脳に虚偽記憶を植え付けることに成功している

書『フロイトが間違っている理由(中略)ハーマンの『父─娘 近親相姦』(中略)ジェフリー・マッソンの『真実に関する暴行─フロイトと児童虐待』(中略)世界的な父親告発ムーブメント(中略)記憶回復療法と総称される精神療法(中略)「病名がわかれば、プラスになる」というのは事実とは逆である。病名は、容易にレッテル貼りとなる。そして、クライアントはそのレッテルを通じて自分のことを説明するようになる(中略)いったんレッテルを貼り付けて、そのレッテルから自分を理解するようになると、そのレッテルではくくりきれない別の可能性は本人の目からすっかり隠されています。それは、症状を固定化させる役割を果たす。残念ながら、多くのクライアントは、診断名とその症状との関係を自然科学的な厳密性を持った必然的な因果関係であると誤解する(中略)思い込んでしまう。それはネガティブな自己暗示となってしまい、最終的には、その人は、自ら貼ったレッテルにふさわしいような病理的な行動を取るようになる(中略)精神医学的・心理学的なレッテルを用いて自分のことを説明する人は、そうでない人よりも確実に治療は困難になる(中略)精神分析的な命題というものが持っている力は、その断定ぶりが「もっともらしく聞こえる」ということにすぎない。だが、この「もっともらしさ」ということこそ、人々が求めているものなのである。情報の洪水のなかで、人々は「なんとなく分かったような気持ちにさせてほしい」と思っている(中略)フロイトはしぶしぶであるが、自分がクライアントに偽りの記憶を植え付けていたのだと認めている(中略)フロイト理論の崩壊は今後も進行するであろう(中略)DSMは「原因については言及しない」という」前提のはずが、PTSDにおいて「心因性」という古めかしいカテゴリーを復活させた(中略)欧米先進国の女性たちが、「あなたを不幸にした犯人は父親だ」というハーマンの宣言を受け入れた───だが、日本の場合は違う。日本社会は「母親が犯人だ」としたのである(中略)日本の心理臨床の正統的とされる流れの中には、幸い記憶回復療法が混入することはなかった(中略)告発騒動が起こった世帯の平均年収はアメリカ全体の平均収入よりも高い。また、告発者の8割近くは大学卒以上の学歴を持つ。この表面的な数字を見る限りは、決して告発者の中心になっているのは恵まれない階層ではなかった。にもかかわらず、彼らは自分の人生を何かがうまくいっていないと強く感じ、その解決を図るためにセラピーという手段をとった(中略)人々は社会や経済の問題に目を向けることよりも、夢日記をつけたり心理学書を読むことにエネルギーを投下するようになっている。

愛着理論はフロイトの精神分析の影響を強く受けており、あまりにも「母性愛」を過大評価している。その結果、「不幸になったのは子ども時代の母親の育て方が悪いからだ」との俗説をばらまき、多くの母親を苦しめている

この人には裏があるわと思って観察すればいい(中略)判断するうえで気をつけなければならないことがひとつある。反論を知るためには、当事者のものを避けるか、用心しながら読むことだ(中略)利害関係者だったら、その反論が嘘である可能性もある(中略)だから、利害関係者ではないところからの意見に耳を傾けるべき(中略)釈迦の偉大さは、当時の社会を支配していたバラモン教の巨大システムに対して、高い抽象度から俯瞰することで「あんたたちは間違っているよ」とシステムエラーを見つけ出した上で、仏教という新しいシステムを構築したことです。

顧客がしっかりと考えてしまうことは、マルチ商法の売り込みにとって大きな障害

上位5%と下位5%は現実を生きたと思うが、90%を占める中間層の人々は神話を信じて一生を終えるのかもしれません。映画『トータル・リコール』のリメイク版のように、過去の記憶を取り戻すことができればベストだが、90%を占める中間層の人々は別の世界を刷り込まれており、記憶を取り戻すことはできないのだと思う。この問題を解決する鍵は、本や情報を有毒なふぐと見なすことだ。次に、自分が一流の料理人になったつもりで、魚の栄養価の高い部分だけを切り取って栄養にする。ある程度の栄養が得られると、教師や医師、周囲の大人から苦渋の表情(苦虫を潰す表情)を引き出すことが可能になる。さまざまな種類の微表情を覚えておくことで、予備知識のない状況でも微表情やジェスチャーの特徴を捉えやすくなる。そうすれば、異変に気づく確率が高まる。心理療法の多くは、神話を吐く医師や教師を隠すために、ある問題を別の問題にすり替えることにある。例えば、上の話のように、「患者の母親のせいだ 」と。私自身、個別にお返事する時間がないのですが、「マインドウィスパリング スペース 調べたいワード」でnote内検索していただければ、詳しく検証した記事が見つかると思います。


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