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村田エフェンディ滞土録

 梨木香歩さんの「村田エフェンディ滞土録」が角川文庫から新潮文庫へお引っ越しをされたので早速お迎えしてきました。

 角川文庫版も、単行本版も、なんなら電子版も持っているのに、です。ちょうど30歳になった誕生日に読んだこともあって、折に触れて読み返す大切な一冊になっているのです。この機会に、読み返そうと思います。

19世紀末のトルコ、スタンブール。留学生の村田は、ドイツ人のオットー、ギリシア人のディミィトリスと共に英国婦人が営む下宿に住まう。朗誦の声が響き香辛料の薫る町で、人や人ならぬ者との豊かな出会いを重ねながら、異文化に触れ見聞を深める日々。しかし国同士の争いごとが、朋輩らを思いがけない運命に巻き込んでいく――。色褪せない友情と戻らない青春が刻まれた、愛おしく痛切なメモワール。

梨木香歩「村田エフェンディ滞土録」

 

 帯に「『家守綺譚』の姉妹編」とあります。世界観、登場人物が共通しているのですね。さらに著者のあとがき付きとあっては買わないわけには行きませんよね。解説がないのは、角川文庫版の茂木健一郎さんに遠慮してのことでしょうか。解説も楽しみにしていたので、少し残念。

 
 ちなみに、今日の一冊。骨太の、良いエッセイでした。


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