今週のなるほど:「短い手紙を書く時間がなかったので、長い手紙になりました。」

人が冗長なのは昔からだ。17世紀、数学者・哲学者のブレーズ・パスカルは手紙のなかでこう言い訳している。
「短い手紙を書く時間がなかったので、長い手紙になりました。」

ダイアモンド社 simple 簡潔さは最強の戦略である より

深い。
私は学生時代、「質の良い小説を書く」学問を専攻していた時期があった。
その時学んだ「質の良い小説を書く」基本がまさに「いったん全部書いてから、いらないところを削る」だ。

良い短文って、一度長文を書いてから削っていかないと書けないから「時間がかかる」んだ。
短文は文字数が少ないからすぐ書けるだろう、は
素人の考えなのだ。

思えば、イラストのコツも同じだ。
プロはラフ1.ラフ2.下書き、線画…と、同じ一枚の絵を何度も描いてだんだん洗練させていく。

ビジネス文書も、良い短文にしないといけない。

気を遣って丁寧に装飾するほどまだるっこしくなる。
面倒くさがって雑な口語体で書くと伝わらない。
また面と向かって話したときより、書面のほうが情報量が落ちると聞いたことがある。

どうせ書面に時間をかけるなら、読んでもらう相手に優しい良い短文に仕上げてから読ませたい。

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