マガジンのカバー画像

u-note(宇野常寛の個人的なノートブック)

宇野常寛がこっそりはじめたひとりマガジン。社会時評と文化批評、あと個人的に日々のことを綴ったエッセイを書いていきます。いま書いている本の草稿や没原稿、なども載せていく予定。SNS…
僕はもはやFacebookやTwitterは意見を表明する場所としては相応しくないと考えています。…
¥980 / 月
運営しているクリエイター

#國分功一郎

「個人的なノートブック」を再開します。

突然ですが、個人のノートブック(定期購読マガジン)を再開します。3年ほど前に、実は少しだ…

宇野常寛
3年前
256

「手段」から解放されること、「制作」もハードルを下げること、「つくる」のではなく…

先日、久しぶりに箕輪厚介さんと話した。フジテレビの問題をはじめとして、いろいろなことを話…

宇野常寛
2週間前
63

〈マタギドライヴ〉は(すでに訪れている)中動態の世界に何をもたらすか

今朝は落合陽一『マタギドライヴ』出版に向けてのミーティングをしていたのだけど、そこで考え…

宇野常寛
1か月前
59

「労働の総合性」を回復する

ここ数日、更新が滞ってしまって申し訳ありません……(今日から盛り返しします)。と、謝った…

宇野常寛
3か月前
64

「オタク」が「ネトウヨ」や「冷笑」に流れないために必要なこと

僕は先週、一見無関係なふたつの文章を書いた。 片方は村上春樹についてのもので、その歴史へ…

宇野常寛
6か月前
57

これからの社会は「承認」のゆりかごを充実させるか、「評価」のハードルを下げるかの…

さて、今日はちょっと変わった話から始めたい。少し前に國分功一郎さんの『中動態の世界』につ…

宇野常寛
8か月前
34

「なぜタイムラインは誰かを常に糾弾し、連合赤軍は仲間をリンチし続けたのか」という話

 さて、ここ一週間は國分功一郎『暇と退屈の倫理学』を再読するシリーズ(その延長で『中動態の世界』『責任の生成』も取り扱った)を書いてきたのだけれど、なぜ突然そんなことをはじめたのかというと、月曜日に久しぶりに彼とゆっくり話す機会があったからだ。それはPLANETSCLUBで、國分さんが講師を引き受けてくれた柄谷行人についての入門的なオンライン講座で、質疑応答では率直に國分さんの柄谷解釈について質問することができた。 そこで、國分さんと僕との間で議論になったのは、「共同体」に

「既に回復された中動態の世界」の問題をいかに「ケア」するか――國分功一郎『中動態…

別にこのnoteは僕の「初期(?)國分功一郎」への愛を叫ぶための場所ではなく、他にも書きたい…

宇野常寛
10か月前
25

人間は事物によって不可逆に変化し、「回復」しないときに「制作」に動機づけられる(…

 今日も前回、前々回の國分功一郎『暇と退屈の倫理学』再読シリーズの続きだ。 僕はこの本が…

宇野常寛
10か月前
30

人間はどのような条件下で「制作」に動機づけられるのか、という問題を再考する(國分…

さて、前回に引き続き今日も國分功一郎『暇と退屈の倫理学』の消費社会批判を情報社会に延長し…

宇野常寛
10か月前
87

國分功一郎『暇と退屈の倫理学』の再読から考えた「退屈」が既に攻略された世界の問題

 さて、今日はこれからPLANETSCLUBで國分功一郎さんの講義があるのだけれど、僕は今日の講義…

宇野常寛
10か月前
53

落合陽一による「テクノ民藝」という概念についての思考メモと「環世界」の問題

 出版社としてのPLANETSの今年2024年の目玉企画はなんといっても、落合陽一の新著『マタギド…

宇野常寛
11か月前
93

『パッキパキ北京』と「消費」の問題

昨日、夜に時間が出来たので綿矢の新作『パッキパキ北京』を面白くて一気読みしてしまったのだ…

宇野常寛
1年前
35

『中動態の世界』は情報技術によってあまり良くないかたちで回復してしまっているのではないか(という問題を歴史認識とテラスハウスから考える)話

昨日は僕の私塾(PLANETSCLUB)で、國分功一郎さんと熊谷晋一郎さんの対談本『責任の生成』を取り上げた。本全体を僕なりの視点で解説する講義と、参加者同士のディスカッションを交えた形式なのだけれど、今回は題材が良かったのかかなり盛り上がった。 参加者の中には現役の医師や介護従事者がいて、それぞれの現場から持ち帰った知見から意見が交わされた。特に話が盛り上がったのが、本の中でも争点になっているパターナリズムと自己決定のジレンマをどう解消するかという問題と、情報技術と中動態