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おがたのよはく
2021年5月3日 15:38
「...も、しもし?」「おお、やっと出た。電話は3コール以内に出る、研修でそう教わったよね?」「はぁ...。って、誰なんですかあなた?」「てか、一体何時に電話かけてきてると思ってるんですか。非常識にも程があるでしょ...」時刻は深夜2:00を回っていた。「まぁまぁ、細かいことは置いといてさ。なかなかないと思うよ?こういう機会」「はぁ...。だから誰なんですか」「俺は、君だ
すだあゆみ
2021年2月18日 16:50
色のない世界は、どんなふうに見えるんだろう。そう思いながら、路肩にジッと息をひそめるクリーム色の軽自動車の運転席で、ゆっくり藍色がかっていく空を見ていた。昼に食べたはずの「かき揚げ蕎麦」が、まだ胃に残っているのを感じる。左手にはめた腕時計が「17:00」を示したのを確認して、車にエンジンをかけた。ゆっくりと加速する車のアクセルは、朝より踏みやすい。「今日もおつかれさま」とつぶやいてみた