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大人のための極上の寝かしつけ

実は私はここ数年来、読書という読書はしていません。

海外にいるため日本の本が身近にない、アマゾン取り寄せてまで買う気にならない、キンドルもなんとなく読みにくい、そしてゆっくり本を読む気分にならないからです。

コロナの自宅待機期間は多少キンドルで読んでいましたが、その時期を過ぎ、日常に戻ると、また読まなくなりました。

また私が読む本と言えば実用書がほとんどで、小説類はほとんど読んでませんでした。ところが最近になって、小説をよく読む、ではなくて聴くようになりました。

Youtubeで。

うちはテレビがないので、観ると言えばYouTube 。
YouTube番組の旅系、社会系、歴史系、動物系などを好んで観てますが、2024年は小説の朗読がマイブーム。

もともとは寝つきが悪いので、その対策として聞き始めたYoutubeの朗読ですが、今では家事をしながらよく聴いています。

大人の寝かせつけのYoutubeの朗読

私は静かだと小さな雑音のようなものが気になり、寝れないのです。
ところがあら不思議?!
朗読を聴いていると、お子様のように寝落ちできます。

私の場合、寝るときにiPadで30~40分後にYoutubeを自動再生停止をするようにセットし、Youtubeの朗読を聞きます。
ですから、大概30分程度の短いものを選びます。
30分以内に寝てしまうことが多いので、結局同じものを何度かに分けて聴いたり、何度も同じものを聴くこともあります。

週末などは話に夢中になって逆に目が冴えて、2本以上聴いたり、1時間以上も起きていたりすることもありますが、その時はその時。
少なくとも目をつぶっているので聴いているのでリラックスできます。
どうしても目が冴えて眠れず、寝ないと翌日が困りそうなときは市販の睡眠導入剤を飲むことも稀にあります。

寝るときは日中観ている、聴いているものとは違うYouTubeを選びます。
聴きながら、画像を観ながら考える系、アップテンポで喋る耳うるさい系、非人間的なトーンのゆっくり動画系、目をつぶっては楽しめないショート動画系は眠りに適さないので観たり、聴いたりしません。

以前は寝る際に音楽系を聴いていましたが、音源によってはその電子系の音が気になったり、返って曲を聴いてしまうので、私には朗読が合っているようです。

プロのナレーターのソフトな口調の朗読は、私をも安心して夢の世界へと誘ってくれます。

なんなんでしょうね。
この大人も子どもも不思議と眠りに誘う読み聞かせとは。

ラジオのようにながらで聴く朗読

寝るときに聴くと短い話が中心になりますが、家事をしながらだと1時間以上の話も聞くことができます。
片づけをしながら、料理、掃除、洗濯をしながら、ついでなので時間も気になりませんし、途中で寝落ちすることもないので作業が変わっても続けて聴くことも可能です。

家事といっしょにやるときは、換気扇や炒め物の音、洗い物、掃除機や洗濯機の音が煩かったり、家の中を移動することも多いで、どこでも聴けるワイヤレスのイヤホンをよく使います。

こんな風にして家事の時間を利用したおかげで聴ける小説も広がりました。

要約サイトであらすじを知るより朗読が楽しい

こうして朗読を聴くようになって、短い小説が結構あることに驚きました。
30分や1時間で完結する話も結構あります。

たとえ短編でも作者の書いた作品に実際に気楽に触れることのできる朗読はおススメです。

いろんな有名な本をサクッと知りたいから、本を的確に要約してくれるYoutubeチャンネルもあるので、それを観て15分程度で話の概要を知るのでもいいんじゃない?と思う人もいるでしょう。
確かに知識として知りたいだけならそれでもいいと思います。
でも話のあらすじを知るのと本を味わうのはやっぱり違います。

美味しいお料理だってそのレシピや食レポをいくら聞いたところで、実際に食べてみないことにはその美味しさを実感できないといっしょですよね。

私は「人間失格」を朗読で聴いた後に、あらすじを確認する意味で要約サイトのYouTubeを観たら、情緒が何も伝わってこないことに驚きました。

本を読んだり、朗読を聴いても内容はうろ覚えで忘れてしまうのですが、読んだ時、聴いたときに感じた何か、ショックだったことは覚えているのです。心がざわついたことは確かなのです。それが私にとっての小説のオモシロさかもしれません。

もし、要約サイトや書評で興味を持った本や作家がいたら、読んでみるのはもちろん、読むのが面倒だったら朗読を活用してみるのはおススメです。

YouTube朗読リスト

最近はYouTube上にいろいろな小説を朗読してくれるYoutuberさん達がいます。参考までに私が朗読で聴いた一部をご紹介したいと思います。

私が聴くのは短いものばかりですが、YouTube上には長編もあります。
太字で書かれているものは印象深かったものです。

私は小説には詳しくありません。そんな私でも知っている有名作家の太宰治と芥川龍之介が小品をたくさん書いていることに驚きました。

私が聴いた作品だけでも芥川龍之介の関心の広さには驚きました。
太宰治は面白くて辛辣ですが、弱さというかだらしなさというか、やりきれなさを感じます。
二人とも素晴らしい才能を持ちながら自ら命を絶ってしまうのですから、生きた時代のためなのか、才能と生きる幸せとは素直に一致しないのですね。

蛇足ですが、こうした有名作家の作風をAIに「〇〇風に〇〇の設定で小説を書いて」なんて言ったらどんなお話を書いてくるんでしょうね。

大型のバードフィーダーにされたクリスマスデコレーション

さて、私の個人的な感想はともかくYouTubeでは
個性豊かな作家の方々が、水先案内人の語り手と共にあなたを夢の入り口でお待ちしていますよ。

下記のリンクやリストがどなたかの参考になれば幸いです。

私が聴いた朗読

【公式】窪田等の世界

一人ぼっちのプレゼント 山川方夫
非常な男        山川方夫
十三年         山川方夫
二廃人         江戸川乱歩
一人二役        江戸川乱歩
モノグラム       江戸川乱歩
ろくろ首        小泉八雲
嘘           太宰治
酒嫌い         太宰治
家庭の幸福       太宰治
貨幣          太宰治
じゅるあの・吉助    芥川龍之介
桃太郎・猿蟹合戦    芥川龍之介
黒衣聖母        芥川龍之介
たね子の憂鬱      芥川龍之介
おぎん         芥川龍之介
神々の微笑み      芥川龍之介
仙人          芥川龍之介
じいさんばあさん    森鴎外
衝突心理        夢野久作

藪落し         山本周五郎
柘榴          山本周五郎
石ころ         山本周五郎
刺青          谷崎純一郎

西村俊彦の朗読ノオト

風の便り       太宰治

海渡みなみの朗読アラモード

特別代理人       大阪圭吉
妻の秘密筥       佐々木邦
四十不惑        佐々木邦
智恵子の半生      高村光太郎
オパール色の手紙    平林初之輔
白木蓮         豊島与志雄

シャーロック・ホームズ プロジェクト

青いガーネット
プライオリスクール・プライオリ学校
第二のしみ
白面の兵士
三人のガリデブ


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