寝文学で2日で14本楽しんでみた
三日前から徐々に体調が悪くなり、
一昨日と昨日はひたすらベットで休んでいました。
Covidのような症状だったのでもしかして？
と思いましたが2週間前にワクチン接種したばかり。
陰性でした。
本来なら今日はインフルエンザの予防接種だったのに
そのまえに掛かってしまうとは。
多分、先日アルバイトでクリスマスパーティーを
手伝ったときにもらってきたんだと思います。
食欲ないのでひたすら寝ています。
こんなときはせっかくなので、
日頃全く縁のない文学に触れてみることにしました。
といっても目を開けていることや本を読む姿勢にすることも
つらいですし、海外在住でまず本がありません。
海外在住だと本を購入するのが億劫になります。
なのでユーチューブの朗読サイトをひたすら聴きました。
以前、キンドルで購入した本を音声モードで聞き流したりも
しましたが、文字を追って発音しているだけなので、
発音もときどき変だったり、プロの朗読レベルとはまるで違います。
ビジネス書なら、音声モードでもいんですが、文学作品であれば
やはり朗読で聴くと自分で文字で読む以上に楽で
しかも想像もしやすくなります。
長編は疲れるのですべて短編です。
この2日間で聞いたのは以下の通りです。
徒然草 𠮷田兼好
舞姫 森鴎外
舞踏会 芥川龍之介
袈裟と森遠 芥川龍之介
牛 高村光太郎
畜犬談 太宰治
疑惑 芥川龍之介
二百十日 夏目漱石
檸檬 梶井基次郎
人間椅子 江戸川乱歩
一月一日 永井荷風
夜光虫 小泉八雲
逆行 太宰治
倫敦島 夏目漱石
を聴きました。
この中で断トツお気に入りは。徒然草。
現代語訳にしてあり、まさかこんな古典が実は
現代と同じような感性で楽しめることは驚きでした。
リズムよくいろいろなエピソードを出し、
それに対する吉田兼好の語り口が面白いです。
第116段 名付けは簡単に
昔の人は名を付けるときにありのままに簡単に
わかりやすくつけたものだった。
この頃では凝って学識を現わそうと見慣れない文字を使ったりするのは
すごぶるキザなものだ。
兼好が言っていることが正しいと言うことではなく、
いつの時代もそんなもんなんだなぁ、と驚くのです。
なんだかこんな話を聞くと鎌倉・南北朝時代もグッと身近に感じませんか？
納得したくない部分もありますが、兼好の身の回りで起きたこと、
聞いたこと、感じたことから、当時の人々を様子が生き生きと
伝わってきます。
舞姫は古い文章のまま、だったのでわかりにくかったです。
高村幸太郎の牛と小泉八雲の夜光虫は詩的感性が
私は乏しいのと体調が悪いので味わってられません。
芥川龍之介は舞踏会はまだしも袈裟と森遠、疑惑は病気のときに
読むべきではないと思いました。
心理描写が繊細過ぎてでこっちまで神経症になりそうです。
太宰治の畜犬談や永井荷風の1月1日は現代も読みやすいです。
特に畜犬談の太宰治には好感が持てました。
太宰治の逆行は太宰の妄想と弱さ、いやらしさ、
いい加減さ、愚かさが素直に書かれていています。
自分の中にあるだらしなさに共鳴するのかもしれません。
太宰治と折がよくなかった作家に中原中也や三島由紀夫が
上げられるようです。彼らも個性的ですね。
今回、太宰治の短編を読んでみて（聴いてみて）是非、
人間失格も読んでみたいと思いました。
人間椅子の江戸川乱歩はやはり発想が不気味で面白い。
最後の結末もハッとさせられます。
上手い！と思わず唸ってしまいます。
夏目漱石の二百十日は当時の風潮を現わしているんでしょうか？
華族と金持ちを非難しています。
二人の会話のやり取りが面白いです。
でも何を楽しめばいいのかよくわからない作品でした。
倫敦塔は二百十日とは全く違います。
シャープな文体で情景描写がクリアに書かれています。
同じ作家でありながらこうも違った文章を書くのかと
驚きました。
梶井基次郎の檸檬。この雰囲気、心情はなんとくわかります。
貧乏な中のささやかな贅沢を見つける、楽しむ感覚が、
共感できた作品でした。
京都が舞台なので通りの様子などもイメージが湧きます。
こうして以前から気になっていた作家の短編作品を
一気に聴くことができました。
作家を比較するとまではいきませんが、
こんな感じだったのかとわかっただけでも
楽しかったです。
舛太の朗読チャンネル、いいですよ。
サッと文学作品に触れてみたいとき、
特に海外で日本の書籍が手に入りにくい環境の方、
体調不良時に限らず、家事をしながら聞き流したり、
お休み前に聴いてみるのも
おススメです。
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