おばさん、イルカとパーティ―ボートに乗る🐬⑤キューバに行ってきました
今回のキューバ旅行で一番の想い出で嬉しかったのは、この島ツアーでした。そんな島ツアーの1日をご紹介したいと思います。
カナダの海も好きですが、カナダの海はちょっと寒そうな海。
白い砂浜、明るい日差しに透ける青空とは違います。
キューバのリゾートホテルのビーチも充分キレイで楽しめますが、南の島にも行ってみたいですよね。
と言うことで近くの島に行くボートツアーに参加してみました。
今回は私の旅のこだわりでもあるフォトジェニックな抹茶といっしょに旅の様子をお楽しみください。
パーティボート風
ボートはクルーが4人に乗客は30人くらい。
このタイプのボートに乗るのは初めてなのでテンションが上がります。
ボートの最後尾に船長さんの操縦席がオープンな状態であり、その前にバーカウンターがあって、ビールや簡単なカクテル、ジン、ジュースをオーダーするとクルーの一人がバーテンダーになって作ってくれます。
ボートでは食べ物は出ませんが、飲み放題!
クラブ系の音楽が流れ、パーティボートって感じです。
まわりに何もない海のど真ん中を音楽を鳴らしながら走る一隻のボート。
いやぁ贅沢。
船上では、それぞれ談笑したり、写真を撮ったり、海風に吹かれて景色を楽しんだり、寝転がって陽差しを体中に浴びてる人など、みんな思い思いに過ごしています。
ツアー客の年齢は20代から60代ぐらいと幅広く、国別だとロシア、キューバ、カナダ、そしてただ一人トルコでした。
キューバは日本人観光客が少ないせいか、日本人って言うとなんか、盛り上げる側がリアクションに困りそうなので、私もカナダからってことにしときました。
驚いたことに今回のツアー客の半数以上がロシアからでした。
もしもし、今ウクライナで戦争中じゃないんですか?
ウクライナの人達大変そうですが・・・
って聞きたかったけど、この場で聞けるはずもありませんよね。
被災地と非被災地との関係もそうだけど当事者じゃないと結局ピンとこない他人事なのかもしれませんね。
ロシアも国を挙げて戦争中って感じではないんですね。
キューバではロシア人観光客が多く、ホテルでもロシア語をよく聞きます。
ロシアの富裕層なんでしょうか?
キューバとロシアの関係の強さを感じます。
もう一つ驚いたのは、中国人の60代男性一人、60代、40代女性の家族3人グループだと思っていた人たちが、ロシア人だったこと。
ロシアにもアジア系の人がいるとは聞いていましたが本当ですね。
確かに中国人のようで、大声で話さないし物静かで男性も女性も筋肉質でどことなく野性味を感じます。
さて今回のツアーのスケジュールですが、海のど真ん中でシュノーケリング、イルカのプールでイルカにタッチ、島に上陸して昼食兼自由時間、そしてボートで帰るというプログラムです。
シュノーケリング
まずは海上に停泊させてシュノーケリング。
シュノーケルを借してもらい、必要な人は浮き輪になる発泡スチロールのようなもを腰に巻き付けてもらいます。
私も泳ぎには自信がないので巻き付けてもらいました。男性でも結構付けていました。海に慣れてないと危ないしね。
前述のアジア系ロシア人の3人はシュノーケルもなし、浮き輪スチロールもなしで海に飛び込んでいました。やっぱりワイルドだぁ!
クルーからは「船の後部10m範囲内で泳ぐように」と注意を受けました。
両サイドとも流れが速く、死角になるので危険なのです。
海の中は宮古島の海ほど透明度が高くなく、ハワイの海ほど魚の種類もいませんでしたが、バリ島の近場の海で行ったシュノーケリングよりは、水もキレイで魚もいっぱいいて、ずっとよかったです。
そして何より安全でした。
バリの時は地元の人がやっているシュノーケリングツアーだったんですが、シュノーケルが壊れていて水は飲むわ、替えてもらったものも水漏れするわ、で3個目をジェットスキーで届けてもらったほどでした。
ですが国営キューバのリゾートツアーはそんなことはありませんでした。
イルカと遊ぼ!
シュノーケルの次はイルカがいる島のプールに向かいます。
イルカって本当に可愛いですよね。笑ってるみたいだし。
言葉がわかるんじゃないの?と思うくらいの感情移入してしまいます。
ツアー客は島のイルカのプールに着くと、胸のあたりまで海のプールに入って一列に並びます。
その前をイルカが泳いでくれるので一人一人タッチをしたり、キスをしたりします。それだけと言えばそれだけですが、触れるのが嬉しい。
イルカは時々男性の前だとキスを拒否、女性だと喜んでキスをするんです。オスのイルカだったんですが面白いですね。
そして高速で泳いで急に現れてジャンプしたり、足ヒレで立ち上がってバックしてくれたり、みんなを喜ばせてくれます。みんなが歓声を上げて喜ぶとイルカも嬉しそうなのがいいですね。
さらに希望者はイルカと一緒に写真を撮ったり、いっしょにプールを一周泳いだりできます。もちろん有料。それぞれUS$10(CA$15)です。
この日、現金はチップ程度のCA$5ぐらいしか持ってこなかったので、残念ながら私は諦めるしかありませんでした。
イルカの抱っこ写真はともかく、一緒に泳いでみたいよね。
ダメ元でイルカと泳ぐ体験のスタッフに「ホテルには現金があるけど、このツアーに現金は持って来てないの?ホテルで後から払える?」
と聞いてみましたが「それはできないよ」
とあっさりと言われました。やっぱりそうだよね。
それを夫に話し、他の人がイルカと泳いでいるのを見ていたら、そのスタッフが私にコソッと話しかけてくれました。
「イルカとそんなに泳ぎたい?だったら泳いでいいよ。もし誰かにお金払ったか?って聞かれたら、払ったって言うんだよ。」
と言ってくれたのです。
ものすごく驚きました。
まさかそんなことを言われるとは夢にも思ってなかったから。
そして最後のツアー客が泳ぎ終わるのを待って私もイルカのプールに入ってイルカを待ちました。
その時にスタッフがさっきまでライフジャケットを着ていた私が何もつけていないのに気が付いて、
「もし、プールのど真ん中でイルカから落ちたらどうする?」
って聞いてきました。
「ちゃんと掴んでるから大丈夫。もし、落ちたら海に浮かんでる」
と答えましたが、不安げなスタッフに夫がすかさず、
「彼女は少し泳げるから大丈夫」
と言ってくれて、それを聞いたスタッフの男性が
「プールが深くなる端のところまで行け!」と私に指示すると
イルカが私を迎えにやってきてくれました。
イルカがツアー客と泳ぐときは仰向けになってヒレを握らせてくれます。
イルカにしたら、仰向けになったお腹の上に人間を乗せてヒレを握らせて、バック状態で高速で泳ぐんです。知りませんでした。
たった数秒、プールを一周しただけだけどフレンドリーなイルカに乗せてもらって、海を一緒に泳げたなんて最高の気分です!
泳いだ後、私も舞い上がってうっかり近づいてきたイルカをキックしそうになったところをすかさずよけたイルカと私にスタッフが
「キス!」と言ってきて
慌ててイルカの方に向き直るとイルカがやってきてくれたのでハグをしてキスしました。
しっかりキスをして、ハグした手を離すとまるで喜んでいるように尾びれで立ち上がって水しぶきを上げて立ち泳ぎをしてくれました。
わーい!私も嬉しいよ!ありがとう!
その時にはすでの他のツアー客はボートの方に向かっていました。
私も慌ててプールから出て、内緒でイルカと泳がせてくれた優しいサングラスで表情が読めない長身のスタッフにお礼のハグをして、急いで他のツアーメンバの方へ向かいました。
「お金がないからできない」と残念がる私にサラッと見せてくれたキューバ人男性の優しさでした。
いかにも遠方のアジアから来ました、って感じの唯一の小柄なアジア人だったから、気の毒に思ってくれたんでしょうね。
このことが今回の私のキューバ旅の最高の想い出です。
そして今になって冷静に考えると、スタッフが心配したようにあのプールで万が一イルカから落ちたら、泳ぎは得意じゃないので私はどうなっていたかと思うとちょっとゾッとします。無事でよかったです。
南の島のランチ
ボートに戻り、ボートは島のハーバーのあるビーチに着きました。
青い海と透明な波、白い砂浜、そしてヤシの木。絵に描いたような南の島のビーチでした。
あたりにはビーチハウスとビーチバーがあるだけです。
この島のハーバーのビーチハウスで昼食を食べてビーチで2時間程度過ごしたら、ボートに戻り、バラデロに帰ります。
ビーチハウスで食べていると、お決まりのようにどこからともなくラテンバンドがやってきます。
ロシアグループのところで「カチューシャ」を演奏して大うけでチップを貰ったと思いますが、私と夫のテーブルに来て
「どこから来たの?」と聞かれたので
「ジャパン」と答えると
持ち歌がなかったのか「ウェルカム!」と言って次のテーブルへ行ってしまいました。正直、ちょっとホッとしました。
とまぁ、フォトジェニックな抹茶に島の様子を伝えてもらったところで、
この島を後にしてバラデロに戻ります。
帰りのボートで大盛り上がり
島ツアーを一緒に過ごした客同士ももこの辺りになるとお互いにリラックスして和んできます。
加えて、ツアーももう終わりと思うとなんとく寂しい気分になるものです。
ボートでは相変わらずダンスミュージックが流れてますが、相変わらずみなさん思い思いに大人しく過ごしています。その中で一人音楽に合わせて楽しそうに踊っている小麦色に焼けた小柄なロシア人の女性がいました。
他のロシア人、カナダ人、キューバ人のツアー客は控えめで様子見なのか、イマイチ、ノッテきません。
いやぁ、後は帰るだけだし、せっかくパーティボートにいるんだから、最後は私もみんなで盛り上がりたいゾ~!
と思うとやっぱり踊りたい!でしょう。
私もその一人楽しそうに踊っている小柄なロシア人女性のところに行って、一緒に踊りながら、二人で他の人達を手招きして踊るように誘いました。
そうしたら、なんか老若男女、踊る人が増えてきましたよ!
ほら、みんな実は踊りたかったんじゃん!
みんなで踊って盛り上がろー!
みんなでノリノリでいい加減で踊ってもう少しでバラデロに着くので、みんなが休憩しかけたところで、クルーのリーダーが
「最後だから俺の好きな曲をみんなで踊るぞ!」
と言ってマカレナを流し、振り付けを見せながら踊り始めました。
※よかったら、いっしょに踊ってみてね。
ここまで来ると一気にみんなで盛り上がります。
みんなで小学校の生徒みたいにリーダーの真似をして踊ります。
マカレナはよく知られたシンプルな曲だし、振り付けを真似ながら、
みんなで「オー!マカレナ!」と大合唱!
最後の最後にツアー客が一つのチームになって盛り上がりました。
みんなで一緒に盛り上がるって楽しいよね。
そうこうするうちにバラデロのハーバーが見えてきました。
すると、またまたお決まりのクルーへのチップ籠が回って来ました。
もちろん強制ではありません。
やっぱりまたか、って感じはあるものの、今回は喜んでチップを渡したい気分です。と言っても所持金はCA$5だけだけど。
考えてみればカナダで$100の食事で1時間過ごして、料理を運んで片づけてもらうだけでもサーバーに$15~$20払のチップを払う、不条理な常識よりもずっと納得できます。
それにしても楽しかったなぁ。素直にありがとう、と言える気分。
あの一緒に踊った小柄なロシア人女性とは英語もスペイン語も通じなかったけど「やったね!」って感じでお互いに目配せして笑って別れました。
キューバに来て島ツアーに行ってよかったなぁ。
そんな1日でした。