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季語: 寒鮃、ねんねこ、と、推敲

① 薄紅に透く身秘むるや寒鮃

② 寒鮃梳き引きの刃のしゅるしゅると

③ 吾を支ふねんねこの子の重さかな

④ねんねこの縁のくせ毛の少し増え

◆◆◆◆◆

①、②: 「寒鮃」、難しかったです。何も浮かばず、画像や動画を検索。鮃の表の泥のような色と、美しい身の色のギャップ、そして、YouTubeで見つけた料理人さんの、梳き引き(すきびき)の技術に驚きました。「梳き引き」という言葉も初めて知りました。鱗を取る方法の一つだそうです。梳き引きの様子を、「しづしづと」「粛粛と」「平かに」など迷った挙句、音と動きから「しゅるしゅる」としてみました。何かもっと、ぴたっとはまる言葉がありそうな気がしますが、出てこず、でした。

③、④: 昔々、小さかった妹をおぶっていた、ねんねこ姿の母の背中をなんとなーく思い出しながら考えた句です。


そして今日も、前回の推敲です。

◆元句: 母の煮るかんぴょう柔く春まぢか

推敲句: 母の煮るもの柔らかく春まぢか (アポロ先生)

◆元句:春隣母のおぼろの淡き色

推敲句: 春隣母の田麩の淡き色 (橘鶫さん)

今回は恵方巻きの具材をイメージしましたが、まず、季語の「春まぢか」や「春隣」と、恵方巻きの時期が近すぎました。

そして、「かんぴょう干す」や「かんぴょう剥く」という夏の季語があり、また、春の季語に「朧」(おぼろ)があります。今回の場合、これらの季語と重なっているかも?と思われる「かんぴょう」や「おぼろ」という言葉を、冬の句の中でも「使えなくはない」と教えていただきました。しかし、このように、別の季節の季語を連想させる語を使ってしまうと、本来の季節の季節感が落ちてしまうという、非常に大事なことを教えていただきました。

いつも本当にありがとうございます。今日も、ご意見、ご感想、アドバイス等ありましたら、よろしくお願いいたします。

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