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64 家に現れていた両親の闇‐1

両親はとても秘密主義だった。
問題をひた隠しにし収拾がつかなくなってからそのことが露呈される。
余計な心配をかけまいとしていることはよくわかるが、収拾がつかなくなってから対処するのは一人っ子である私なのだ。

その理由が実家の片づけをしてよくわかった。
家はその人の人生そのものを表している。
このことは風水コンサルテーション(私の仕事は風水と占い鑑定)でさんざん見てきたが、今回の実家じまいで彼らの生き方そのものが家の中に表現されていたのだ。

1.大量の良質な皮製のポケットの多いカバン(父)
中には隠しポケットがついているものもあったが、ポケットが多いという事は一見便利なようでいてどこに何を入れたかわからなくなる、そして物事にアクセスする事がスムーズに進まない。
良質な皮製という事は、品質が良いものを好むという事だがその中に隠しポケットまであるという事は秘密性を表す。
公にしたくない事を表面的にはきれいに見せ、なかったようにふるまうと解釈できる。
また大量のカバンという事について、かばんは物を入れるための物、それがからの状態で大量にあるという事、容れ物は充分にあるのに満たされていないという事になる。
手放す作業に際してカバンの中に何か入っていないか確認する作業は本当にうんざりした。
お金でも入っていれば報われるのだが、出てきたのは小銭ばかりであった。
つまり父は問題が起きたとしても何事もなかったように振舞い、隠し、自分自身は不安でいっぱいだったのであろう。
母が認知症であることをを私にひた隠しにして、年齢相応の物忘れだからと言い続けてきた理由がここにはっきりと表れていた。
隠してきたものはポケットの中で膨れ上がり、いつしか自分だけでは対処できないくらいのモンスターに育ったのであった。
常備薬の中には抗不安剤もあった。

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