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相手が負担にならない話の聞き方

こんにちは!ご覧くださって、ありがとうございます。
*SNS相談員と日本語教師をしています。ワカです。

*SNS相談員とは:LINEなどを使いテキストのやり取りでカウンセリングを行うカウンセラーのことです。現在は47都道府県全ての自治体で、DV、メンタルヘルス、児童虐待、子育て、引きこもりなど、さまざまなSNS相談事業が実施されています。

話そうと思っても、相手を傷つけてしまったらと思うと怖い

友人や家族、学生、同僚の先生などが精神的に落ち込んでいる、またはうつ病や適応障害など精神疾患を患っている場合、どうやって話しかけたらいいのか分からなくて躊躇するという相談を受けます。
何気なく言った言葉が相手を傷つけてしまいそうで怖くて、結局話しかけられないという話も聞きます。
周りにいる人がそのように気を使ってしまう場合、サポートが受けにくい状況になり、本人はますます孤立してしまう可能性が高くなります。
ぜひ話しかけてほしいと思うのですが、その際に以下のような言葉の使い方を参考にすると、相手とスムーズに会話が進むかもしれません。

「どうして」は使わない

「どうして」という質問の仕方は時に相手を責めるように聞こえることがあります。代わりに「何」「どんな」「どういう」などを使うといいでしょう。

どうして学校に行かなかったの?」
→「何か学校に行けない理由があったの?」

どうして落ち込んじゃうの?」
→「周りがどんな感じだと落ち込んじゃうのか教えてくれる?」

「あなたがこうした」ではなく、「なんらかの出来事が(あなたを)こうさせた」というニュアンスだと相手は自分を追い込むことなく、話しやすくなります。

事実確認+感情に寄り添う

心配な状態であれば、まず現状を確認、問題を把握し、そこから解決方法を見つけようとするのは、とても冷静で的確な行動です。
でも事実確認の連続の質問は、相手にとって「なぜやらないのか」と責められている、気持ちを分かってくれようとしないと感じることがあります。
沈黙があったとしても焦らずに、感情に寄り添いながら確認していくと、少し会話のムードが変わってくるかもしれません。

①事実確認の連続の質問
A:「昨日は寝られた?」
B:「少し」
A:「薬は飲んだの?」
B:「まだ」
A:「今日は学校休んだほうがいいかな? いいよ、私が連絡しておくから」
B:「うん…」

②事実確認の質問+感情に寄り添う
A:「昨日は寝られた?疲れているように見えるけど」
B:「少し」
A:「そっか。少しか。それだと体がしんどいかもしれないね」
B:「うん」
A:「うんうん。少ししか寝られてないんじゃ体もしんどくなって当然だよ。薬は飲んだの?」
B:「まだ」

どうでしょうか。①も②も相手の口数は少ないですが、②の方が相手に寄り添っていて、会話も一方的じゃないように聞こえますよね。
・相手が言った言葉には「そっか」「うんうん」など相槌をする。
・質問だけじゃなく「疲れているように見えるよ」「しんどいんじゃない?」「大変だったよね」など相手の気持ちに寄り添った言葉をプラスする。
そうすると、相手も感情表現が出しやすくなってくるかと思います。

いかがでしょうか。
いつもこんなことを考えながらだと、気軽に声をかけにくいですかね。
実は心理士やカウンセラーも「あの声かけは良かったのか」と悩み、時にスーパーバイザーにアドバイスを求めたり、逐語記録を元に皆んなで検討したりしているのですから、落ち込んでいる人に声をかけるのはとても気を使う、大変なことなんです。

ただ、周りのほんの少しの声掛けが、相手にとっては「受け入れられている」「ここにいていいんだ」と感じられ、それが勇気やエネルギーに変わることがあります。これはカウンセラーにはできない、周りにいる人にしかできないことです。

大丈夫かなと気になった時、朝会った時に挨拶がてらでも、先ほどの言葉の使い方を参考にして、話しかけてみてはいかがでしょうか。


オンラインでカウンセリングをしています。ご都合がいい時に予約して受けることができます。職場での人間関係や、ご自身の心身のことなど、お悩みがあればお気軽にご相談ください。
*相談状況によっては、医師や社労士など専門家を紹介することがあります。


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