悩む僕の前を桜の華が舞う【第4話】
中身が入れ替わっても、こんな僕をうまく動かせる人はいないんだよな。
あっ、
25卒で、偏差値50未満HSP(INFJ)のわく輔です。
3年生までに金融・IT・人材業界に内定し、財閥系企業に就職予定です。
【半自伝的エッセイの構成】
第1話:小学生時代(あらすじ有り)
第2話:中学生時代
第3話:高校生時代 👈前回
第4話:成人の日まで 👈今回
第5話:就活の成功を告げるまで
※話の中で登場する曲名を押すと、その曲が流れます。
ブザーが鳴り響く時
卒業証書と皆勤賞の賞状、後輩部員のプレゼントが入ったカバンを背負い、気づかれないように役1.5km先の乗り継ぎ駅までの初めて通る道を歩いた。
道幅が狭くなり、◯◯記念館の駐車場に入った瞬間、ブザーが鳴り、慌てて向かいの細い道へ駆け抜けた。何とか乗り継ぎ駅に到着し、誰にも気づかれず帰宅した。
卒業式から後期入試まで、わずか10日ほどしかなかった。後期入試は必須科目の英語と選択科目の日本史。私は英語を捨て、日本史に集中して勉強した。教材を使って、イメージを頭に叩き込んでいた。
入試前日の夕方、担任から電話がかかってきたが、特に意味がないと思い、スルーした。
入試本番、合間に左膝のお守りを触りながら試験を受けた。日本史には手応えがあったが、英語はあまりできなかった。
合格発表の日、スマホで「多分、通ってないだろうな」と言いながらWEBサイトをチェックした。すると、合格の表示が出てきて、驚きと喜びが込み上げてきた。
後日、誰にも気づかれずに高校に行き、卒業証明書を手に入れた。その帰り、部活で◯◯記念館のボランティアをした記憶が蘇った。『あのブザーが◯◯さんの応援で「新たな幕開け」になった』と感じながら、自転車のペダルをこいだ。
入学写真と握手
大学の入学式では、すでに複数人のグループが行動している中で、母の頼みで看板の横で1人で撮影され、恥ずかしかった。
通学に往復3時間かかるため、知り合いはいなかった。
中国語の初回授業の前、着席していると、同学部男子の旗田に「中国語の授業で合ってるよね?」と聞かれ、「合ってるよ」と答えた。旗田は「ありがとう」と言って手を差し出し、握手を交わした。
その後、一緒に悩みながらパソコンで課題提出をしたり、授業の空き時間に話をしたり、ホワイトボードで絵しりとりを楽しんだ。
中国語の授業で同じだった1年生の間、旗田は毎回会うたびに嬉しそうに手を振って駆け寄ってきてくれた。僕と同じ不器用なのに、裏表がなく明るく愛嬌があり、その魅力を強く感じていた。
偶然出会った一冊
大学ではコロナ禍に関係なく、無所属の自由を選んだ。それでもアグレッシブさを保つため、筋トレや散歩、ランニングを続けた。
主にオンラインの大学授業とTOEICの独学に取り組み、アルバイトもせず、引きこもりがちで無気力な日々を送っていた。初めて人恋しさを感じ、閉塞感に悩んでいた。
1年の終盤、何気なく散歩していると古本屋に入り、『「大学時代」自分のために絶対やっておきたいこと』という本を購入していた。
授業を受けただけで1年が終わる危機感から、この本をきっかけに学生生活や人生の楽しみ方を考え始めた。過去の出来事を箇条書きにして振り返ると、「悪いことばかりだ」と感じた。
それでも、些細なことも大切にしようと決意し、思考や予定をメモするようになった。売れる前の苦労話を笑い話にしていたオードリーのラジオで、過去と今の自分を分けて考えられるようになった。
一方で、大学受験で英語が苦手だったため、TOEICの勉強時間の割に成績が伸びず、次第に勉強が嫌になっていた。そんな中、大学の授業で簿記を学び、市販の簿記テキストを読んだとき、なぜか「いける!」と感じた。そこで簿記3級・2級のテキストを購入し、簿記2級の勉強を独学で始めた。
半年間で実現させたイベント
2年生になる前、チーム活動ができる授業を見つけ、提出書類を通過させた。その授業で、地元の方々を対象にした博物館の誘致イベントを企画し、実行することになった。当初、同級生メンバー7人で週1回の授業では時間が足りなかった。そこで、僕はオンライン会議を主催してタスクを決め、チーム内で共有して実行した。
男子メンバーの花本はテーマパークのマーケターを目指し、スケジュール手帳を使って日々の生活を大切にしていた。その姿に影響され、僕も長期的な目標を立ててやることリストを始めた。それが学業成績優秀者となる要因となった。
花本が年間来館者データを分析し、来館率が低い高校生と大学生をターゲットに選定した結果、「深海◯◯」という企画が決まった。
途中で装飾班とSNS班に分かれたが、予想以上に博物館との連携や大学との報連相が重要だった。僕は装飾班として施設構造を把握し、博物館用具の使用確認を進めたが、深海空間の演出は予算と安全面で難航した。インスタ映えを狙った案は、博物館側からNGが出て進まなかった。
一方、SNS班はInstagramでターゲットに向けた告知を行い、来館促進を狙った。SNSに疎い僕は貢献できず、オンライン会議の主催もしなくなり、気まずさを感じていた。
そんな時、大学の図書館で『完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込』を読み、オードリー若林の性格に共感し、救われた。
8月後半に「深海◯◯」イベントを実施し、3日間で4000人以上が参加。その結果、地元来館者の増加が確認され、イベントは成功を収めた。
ガールズバーの話でアルバイト講師になる
2年の夏の終わり頃、テレビ番組でオードリー若林が「ガールズバーで人見知りを治した」と話していた。その時、花本が塾のアルバイト講師をしていたことを思い出し、高校時代に通っていた個別指導塾の求人に応募することを決めた。
英語と数学の試験、オンライン面接を受けて合格。共通テストの英語は4割未満だったが、TOEICの勉強が役立ったと実感した。
勤務当初、進捗確認や宿題チェック、授業内容の入力などの事務処理に追われていた。そこで、授業前に準備と確認メモを取ることで、少しでも効率よく時間を確保しようと工夫していた。
彩りある学びと連結会計の壁
TOEICの独学を辞めた2年生の秋、志望ゼミに入ることができた。このゼミは自由度が高く、自主性が重視されていた。
2年秋から3年春にかけて、各グループで教科書内容を分担し、発表と議論を行った。僕は、PowerPointで効果的な色使いを工夫し、発表の準備を進めていた。
ある日、1年の終盤同様に、古本屋でカラーコーディネーター検定試験スタンダードクラスの教材を見つけた。試験まで1ヶ月を切っていたが、資格がなかった僕には丁度良いと思い、購入し勉強した。
ネット試験中、部屋で1人つぶやいていると、カメラ越しの試験官に注意された。それでも、2週間の独学が功を奏し、無事合格した。
この勢いで「成人式前に簿記2級を取得する」という目標を立てて、週・日単位の計画を実行した。
高校の朝学プリントの裏面で勉強し、捨てることに快感を感じた。復習と簿記の動画で理解を深め、過去問題集では5周目に連結会計を除き、8割以上の正答率を達成した。
12月にネット試験を予約し、学校のパソコン室のような会場で本番を迎えた。しかし、連結会計が出題され、8割に届かず不合格となった。その後、目標を2年生までに変更し、独学を続けた。
爆音K-POPと成人式の足音
冬期講習中、塾専用タブレットから突然韓国アイドルの曲が爆音で流れ、周囲の生徒や講師に笑われて恥ずかしい思いをした。この頃、オードリー若林の話の通り、少人数での人見知りを克服できる予感がしていた。
成人式が近づく中、中学ラグビー部のLINEグループで立原が一緒に式に行く人を呼びかけた。行く気はなかったが、「お供させてください」と返信し、参加することに決めた。
成人式の前日、卒業アルバムの小弓は全て笑顔で、僕はそれが不思議だった。
季節外れの桜に直面
成人式の会場に到着したが、マスク越しの同級生に声をかけるのをためらっていた。一方、森口は僕と隣の男子たちのフルネームを言い当てて、どこかへ行った。
式は予想より早く終了。会場近くで皆が写真を撮ったり話している中、僕は帰宅するため1人で自転車をこいでいた。すると立原から電話があり、引き返してラグビー部メンバーで集合写真を撮った。
その後、集団の中で自由行動を避ける自分を痛感しながら、1人で帰宅し昼食をとった。
午後は小学校で新成人のつどいがあった。
通学路の最後の信号を渡った瞬間、宇多田ヒカルの「SAKURAドロップス」のイントロが脳内に流れた。寒さが消えて桜が咲いているような感覚に包まれた。歩く先に桜色の振り袖姿が見え、正門付近で小弓と再会した。
僕:「元気だった?…元気そうやな」
小弓:「変わらないね」
僕は「どういう意味?」と聞いたが、ネガティブに感じて慌てて「高校入試の帰りに話せずにごめん」と伝えた。
戸惑っていた小弓はその後、一緒に写真を撮った。小弓は凛々しさが加わっていて、芸能人のようなオーラを感じた。
撮影後、他の人も来ていたので、その場を離れ学校に入った。
小6の予感とビンゴが外れた内心の喜び
新成人のつどいで、20歳の自分への手紙が返され、「好きなタレント:小堺かずき」と書かれていた。懇談期間中、早く下校して「ライオンのごきげんよう」を見るのが嬉しかったことを思い出した。
休憩中、校庭を眺めて小6の頃の予感を思い出した。20歳までに積んだ社会経験は予想外で、運命が少し変わったように感じた。その後、保育所からの同級生望月を見つけ、感動しながらLINEを追加した。
ビンゴ大会で、ビンゴした後に夢を語って景品を獲得する同級生の姿に焦りを覚えた。最後は参加者全員で写真撮影をした。新成人のつどいを通して、自分も含めて同級生の様子に変化を感じなかった。
終了後、望月に頼んで出席しないのに2次会のLINEグループに追加してもらった。小さく感じた小学校を出て、他の同級生と紛れて1人で帰宅した。やはり桜はまだ咲いていなかった。
最後まで読んでいただきありがとうございました☺️
また、次の記事でお会いしましょう。
またねー❗️
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