1年で本100冊読んでみた
昨年の8月末から家にいたくない気分が続き、毎日のように図書館に通うようになった。
図書館ではみんな勉強をしたり読書をしたりしているから、僕もSNSやゲームはせず、読書をするようになった。
家にいられるようになってからも読書の習慣は続き、結果として1年で100冊近くの本を読んだので、その感想をまとめてみる。
どんな本を読んだのか
本を100冊といっても、読む本の種類によってその経験は大きく違ってくるが、私の場合は脳科学や心理学に基づいた学術書や自己啓発本を中心に読んだ。
100冊/年の読書から感じたこと
①神は細部に宿る
この言葉は「ディテールにこそ本質が表れる」という意味だと私は解釈しているが、書籍についても同様であると感じた。
授業中に先生が何気なく発した一言が理解につながったり、印象に強く残ることがあるように、読書でも主題から少し離れた場所に書かれた短文から著者が考えていることが読み取れるという場面も少なくなかった。まさに、そういった細部にこそ、その書籍の本質が表れていることが多いのだ。
YouTubeには書籍の内容を要約したり、解説したりしているチャンネルが多く存在するが、その動画にはそういった本質は含まれないため、実際に自分で読むことでしか得られないものがあった。
②1冊読んだだけじゃ人は変わらない
本をたくさん読んでいると、不思議なところの点と点がつながり、理解に深みが生まれてくる。それを繰り返すことで、自分の価値観や考え方に変化が生まれてくる。ある1冊が決め手になることはあっても、1冊の読書だけで変化が生まれることはないだろう。あったとしても一過性のものだろう。
新たな深みへ到達し、自分の世界が広がっていくのを感じられることが、読書の楽しみであるのだと思った。
③本の中に答えはない
自分がそうであった(今もそう)からこそ思うのだが、多くの人は自己啓発本に人生の指針を求めているのではないだろうか。
しかし、読書の中でわかってくることは、自分の人生の指針は自分で見つけなければならないということだ。本に書いてあることは、あくまで統計であったり、経験則によるものであり、それが100%自分の答えになるということはない。
それでも、自分の目の前に立ちはだかる壁は、少しずつ形は違えど、他の人の前にも立ちはだかってきたものだから、先人の経験から学べることは多いだろう。
結論:Just Do It
1年間の読書を経た現在私が辿り着いた結論は、「最終的には行動にかかっている」ということだ。読書は目的ではなく、手段であり、そのゴールは得た知識をいかに活用していくかにある。それにはやはり行動が伴わなければならない。内的世界も外的世界も、行動をもってして初めて変わっていくのである。
今後の私の課題は知識の応用であり、アウトプットであると考えている。
おまけ:面白かった本3選
約100冊の中でも特に影響を受けた本を3冊選んでみました。(アフィリエイトは使用してません)
①アルコホーリクス・アノニマスの歴史/アーネスト・カーツ
世界中にあるアルコホーリクス・アノニマス(AA)というアルコール依存症のための自助グループの歴史をまとめた本。
AAをはじめとしたアノニマス系の自助グループに根付いている12ステップの考え方から、多くのことを学んだ。分厚い本だけど、それだけの価値と叡智が詰まってます。
②走ることについて語るときに僕の語ること/村上春樹
村上春樹が趣味のマラソンを通して、自分自身を語るエッセイ。
村上春樹は言葉を扱う職業をしているわりに、物事をフィジカルに捉える部分があり、それがすぐ性行為に持ち込まれる小説にも表れていると思う。
大ベストセラー作家でありながらも、ネチネチと努力を続け作品を作り上げていく姿勢にとても感銘を受けた。
③大人になることのむずかしさ/河合隼雄
ユング心理学の大家、河合隼雄が青年期について書いた本。
イニシエーションなき時代において、いかにして人は大人になるのかということについて、さまざまな視点から考察している。
40年前に書かれたものであるにもかかわらず、現代における諸問題についても含まれており、全く古くない。
すでに青年期を終えた人々にとっても一読の価値はあるだろう。