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【実食レポ】 「三條若狭屋」(京都市中京区) 祇園ちご餅

2024年「百味展」お土産コーナーレポートの最終回は、「三條若狭屋」さんの『祇園ちご餅』です。

明治26年創業の三條若狭屋さん。
ちご餅は、祇園祭にまつわるお菓子です。

祇園祭りに伝わる銘菓「祇園ちご餅」

昔祇園祭には、6月1日に社参といい稚児の御位貰い儀の行列があり八坂神社の帰り楼門の茶店で稚児が一同に味噌だれをつけた餅と飲み物を振舞いました。そのちご餅が厄を除き福を招くと伝われ洛中の評判になりました。
大正初期、お稚児さんのお世話をしていた二代目主人如泉が忘れられていた餅の事を知り、それに創意工夫をし京菓子として祇園ちご餅を創作しました。白味噌を甘く炊いたものを求肥で包み氷餅をまぶし竹串にさしまして1包み三本入り、竹の皮風の紙で包み三色の短冊を飾っています。

三條若狭屋HPより

三条若狭屋さんは、百味會のメンバーです。


三條若狭屋さんの百味展の展示(2024年10月)


1包540円(2024年10月現在)

パッケージは「疫を除き福を招く」と書かれていて縁起が良さそうです。
包みの中には3本のちご餅が入っています。


薄紙に包まれたちご餅が3本入っています


シンプルな見た目と味でほっこり

求肥の中には、白味噌が入っています(チラッと薄黄色が見えるかしら)。
表面の氷餅がキラキラしてちょっぴりシャリッとして良いアクセントになっています。
白味噌は優しい甘味で、シンプルにおいしいです。

氷餅ってなんでしょうね?ということで、今回は「氷餅」に焦点を当ててみようと思います。

氷餅

氷餅は、餅を水につけたあと、冬の冷たい風で乾燥させた(凍らせた)ものです。
今回のちご餅や和菓子の表面にキラキラと光る形で使われる氷餅は、乾燥させた上記の氷餅を細かく砕いたものだそう。
和菓子の世界では、細かく砕いた氷餅が霜の表現に使われたりします。

氷餅
こおりもち


信州(長野県)名物の一つ。凍(し)み餅ともいう。餅を液状にして厳寒のもとで凍らせ、十数日をかけて自然乾燥させる。食するときは熱湯をかけ、砂糖を加える。鎌倉初期からあり、雪餅(ゆきもち)とも称した。武士は陣中の糧食としてそのまま食べたものらしい。江戸時代になっても、非常時に備えて、諏訪(すわ)藩は氷餅を御糧菓としていた。菓子というより主食に近く、病人食や離乳食にも用いられる。氷餅は岩手県など東北地方でもつくられる。
[沢 史生]

「コトバンク」出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)

調べてみると、信州では氷餅をイメージした四角い和菓子も販売されていました。
こちらもいただいてみたいですね。

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