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渡辺 杜太朗
2022年3月23日 07:22
私の心は私しか解らんもんでふわりと漂う掴めない心は浮遊霊と同じで行き場がない重い身体 重い思考重く無駄に豊かな心には虎が噛み付いてるもんで私は今日も動けない外の世界は美しく濁りのない空の破片私は地を這う浮遊体低空飛行の分離体心に噛み付く虎との散歩はもうとうに飽きているとっくの昔に飽きている
2022年3月20日 20:16
新しい心臓はバクバクと音をたてる今までの音より大きく間隔も短い胸の内側からパンチを撃ってくる様なガトリング銃で撃たれているようなとにかくまだ落ち着かない生活部屋から一歩出たら心臓音が一人歩き車の騒音でバクバク自転車の呼び鈴でドキドキ疲れちゃうったらありゃしない静かな心臓が嫌で無理を言って変えてもらった心臓なもんで文句を言うわけにもいかない私はピエロの心臓のように静か
2022年3月11日 14:31
蛇にあげたショータイム巻きついたからには解けぬ舌を出しながら天井を見上げ鳴いた観客席から誘った少女ぐるぐる巻かれては苦しそうなのにどこか嬉しそうご自愛くださいスポットライトが美しい程の螺旋をとらえて邪魔のしない手の込んだBGM愛故の縛り嘘も空虚も飲み込んで抱いた心いくまでもっと強く服が裂ければ今度は憂いも裂いてほしいのこのまま私の脱皮を観てこのまま
2022年3月9日 19:31
勇敢な朝に溶け込むあなた達は綺麗な顔をしているね夜更かしの癖に瞬きを恐れない三日月の盾をかざして虚ろな気迫が何遍も巡り巡って嫌いなストーリー語りだす為に産まれたわけじゃない何食わぬ顔をしてすれ違ったそこのあなたもそこのあなたも本当は疲弊の色をもって立っている凛として歩いている僕に同じことはできるだろうか
2022年3月8日 11:05
目ざましいくらいの他者の声息切れするほどの祈りみんな私に言ってくる何百人の無観客慌てる指先心の貶し合い潤うのは目頭だけ乾燥地帯に私の炎が引火したら燃えてしまうこの家まるごとに無くなります苦しいとは未来への自己投資きっと救いが其処にはあるだから私は生きていける罵ってばかりの無声の音をぐちゃぐちゃにして捨てられたなら文句は言わない美しい日常にキスがしたい側にいて
2022年3月6日 16:58
赤い蝶々はルビーの瞳花弁の上で鳴いている小さな声澄んだ音花粉は綺麗に光った宝石私にとっても身近な奇蹟心の鼓動が聴こえるの赤い蝶々の小さな心臓花弁はそれを優しく包みひらりと護ってあげている優雅なベット妖艶な布団美しい鱗粉の軌道は風とは関係のない道をパラパラと飛んでいく赤 橙 白 黄散り散りに私の街からどこまでも赤い蝶々はルビーの瞳花弁の上で鳴いている命