名前の知らない友だち
「…君は、」
名前を訊ねようとしたぼくをさえぎって、少年は笑みを浮かべた。
「野暮なことは聞きっこなし。名乗らなくちゃ親しくなれないってことはないはずさ。そう思わないかい。名前を知らない友だちが、ひとりくらいいるのもいいのもだよ。」
ぼくは、少年の云うことにも一理あるとは思ったけれど、何か少しもの足りない気もした。
親しい人にこそ話しづらい、相談しづらいことは
誰しも必ずある、と思う。
自分のことを、状況を、
まったく、何にも、1ミリも理解していないからこそ
話せることもあるのかもしれない。
…よくわからないけれども。
知って欲しいから?
答えを求めているから?
賛同者が欲しいから?
私はあまりというかかなり自分のことを語るのが苦手だ。
語らいたいと思う反面
自分だけの世界には踏み込んで欲しくないとも思う。
褒められることは嬉しいけれど、
自分の中で完結していることだから他者からの評価は重要ではない。
だから“この場所”は
私にとって日記帳の中と一緒。
記録。
思想の整理。
感情の再確認。
だからこそ、
名前も知らない顔も見たことない人たちの道くさ的文章として
読書欲を多少なり満たしていただけるのならばこれ幸い。
読んでくれてありがとう。
また何かしら書きます。
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