映画日記#18 『カルメン故郷に帰る』
今日はDVDで日本映画『カルメン故郷に帰る』を鑑賞した。
日本最初の総天然色映画(カラー映画)であり、脚本と監督は『二十四の瞳』などの名匠・木下恵介だ。主な出演者は高峰秀子、佐野周二、「宗方姉妹」の笠智衆。
めちゃくちゃ面白かった!
いきいきとした女性の開放感が、軽井沢の青々とした空と非常にマッチしていた。
田舎の閉塞感は昔から変わらないのだなと思いつつ、失われつつある連帯への郷愁も感じた。
一人ひとりのキャラクターの、良い所と悪い所を描く人間らしさの匙加減が絶妙だった。バカだけど憎めない、愛おしいキャラクターたちのコミカルな群像劇としても非常に見応えがあり、今泉監督作品に通じる人間の愛おしさが描かれていた。この映画は、何よりもテンポ感が素晴らしい。
開放的な女性2人が、田舎の閉塞感を打破していく様をダンスに投影させて、リズミカルな展開で物語を進めていた。
ハッと息を呑むほど美しいショットの数々で、人物の立ち位置と影の作り方が見事に決まっていた。
日本初のカラー映画がこの作品でなければ、もしかしたら日本映画の歴史は、もっと遅れていたのかもしれない。日本映画史上でも重要なマスターピースの一つであり、今なお色褪せない面白さに満ちた快作だった!
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