週5で働くナマケモノ

映画の感想を書こうと思い立ちnoteを始めたナマケモノ。時々noteのジャングルに現れては、文章を書き去っていく。

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最近の記事

片想いは呪いでもある〜酒井麻衣監督『恋を知らない僕たちは』感想

キラキラ映画と侮ることなかれ。ここで描かれる片想いは、キラキラと同時にどうしようもない呪いでもある。このジャンルの経験が少ないので、ここまで厳しく恋愛を描くかと驚き。 そして、その呪いを超えた先のそれぞれの変化は、やはりキラキラして清々しい。映画的な魅せ方もキレッキレでとても面白かった!

    • "ルール"の可視化が心地よい〜風間太樹監督『バジーノイズ』感想

      物語の始まりで、主人公の清澄が自宅で作曲をするシーン。音がひとつひとつ足され、曲が形になっていく。そしてこのシーンによって、この映画を観ている観客も、この映画は"主人公の世界に音が足されていく物語"だということを無意識のうちに認識する。この流れが素晴らしい。 この映画はその後も作品における"ルール"をとことん可視化していく。その可視化が終盤において全て効果的に機能していくのだから、監督の才能はなかなかのものだ。ラストも気持ちよくその"ルール"の中のひとつを守りながら綺麗に着

      • この話をこの温度感で語れる凄み〜濱口竜介監督『悪は存在しない』感想

           実際現実のどこかでも起こっているであろう話。そんな風に捉えることもできる話を、肩に余計な力を入れずに、純粋に「どう展開していくんだろう」という興味で楽しめる温度感で仕上げる。ここに監督の力量を感じる。    実を言うと今回は完全に映画賞を狙いにきたなということを思った。だが決してそのことはマイナスなわけではなく、むしろそれを狙ってやれて、かつ本当に賞を取れる。そこに凄みを感じてしまうのだ。

        • 内藤瑛亮監督『毒娘』

           中盤、娘にフォーカスが当たってからの話のドライブ具合が予測不能で楽しい。やはり内藤瑛亮監督の描く、若さの暴走は格別だ。ラストの展開は『先生を流産させる会』にも通じるものを感じさせる。監督のファンならもちろんのこと、そうでない人にも是非ともこの独特の癖を楽しんでいただきたい。久々に癖の強いオリジナル挿入歌もあるよ!

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        • 映画
          11本
        • 2022年までの文章
          15本
        • 1本

        記事

          BS松竹東急でやってた『CURE』最後の方だけ見てましたが、画像が綺麗になったことで、ラストの恐怖が、前にDVDで観た時の「あ、持ってる…」から「持・っ・で・る…」に変わるくらい増してました。

          BS松竹東急でやってた『CURE』最後の方だけ見てましたが、画像が綺麗になったことで、ラストの恐怖が、前にDVDで観た時の「あ、持ってる…」から「持・っ・で・る…」に変わるくらい増してました。

          書くの忘れてましたが、『ダンジョン飯』1話観直したらちゃんと面白かったし、さっき2話観たらすごい面白かったです。今後も楽しみ。

          書くの忘れてましたが、『ダンジョン飯』1話観直したらちゃんと面白かったし、さっき2話観たらすごい面白かったです。今後も楽しみ。

          2023年映画ベスト10作品

          (1/31タイトル変更しました)  まずはこの前書いた記事について謝罪というか。どうやら寝ぼけた状態で記事をひとつ書いて掲載してしまっていたらしい。あまりに記憶にないので削除した次第です。今後しないように気をつけます。  さて、今年はnoteをなるだけ更新したい。だが書くことがない。仕方ないので今更だけど、2023年の新作映画で、特に良かった10作品をまとめました。掲載順は見た順で。順位はつけず行きます。それではドン。 1.少女は卒業しない 原作のそれぞれのエピソードを

          2023年映画ベスト10作品

          生きづらさへの“革命”〜金子由里奈監督『散歩する植物』感想

             U-NEXTで見つけた拾い物。『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』の金子由里奈監督作品なのだが、『ぬいぐるみと〜』につながる要素をとても感じる作品だ。  この世界で生きづらさを感じる人たちの連帯を独特のタッチで描いたこの作品。終盤ではその人たちの反抗が描かれる。それはさながら“革命”のようで、『ぬいぐるみと〜』で「この世界に革命を起こしたい』と語った監督とのシンクロを感じる。思わず嬉しくなった。

          生きづらさへの“革命”〜金子由里奈監督『散歩する植物』感想

          ナマケモノの生態記録(2023年11月)

           noteのジャングルからは絶滅したと思われていた、週5で働くナマケモノの生き残りを我々は発見した。なぜ今になって、我々が観察できるような場所に出てきたのかは不明だが、いつ絶滅するか分からない彼らの生態は記録に残さなければと思う。  さて久々に姿を現したナマケモノだが、11月時点では活動は少なかったようである。体調は良かったようだが、本来の生態である映画鑑賞などの活動はおとなしめであった。  そんなわけで観た作品が少ない11月のナマケモノであるが、そんな中でのお気に入りはN

          ナマケモノの生態記録(2023年11月)

          人物のディテールを突き詰めること 〜デヴィッド・フィンチャー監督『ザ・キラー』感想

           まず導入からしてとんでもない。任務を遂行中の殺し屋の生活ルーティンを、彼の心の声をバックに見せていく。たったそれだけなのに、こちらの興味を飽きさせないし、映画を観ている内に我々は、この殺し屋の人となりを自然と理解することになる。  その後の展開として、殺し屋は任務に失敗し報復を受ける。その後殺し屋の復讐劇が始まっていくわけだが、そんな展開でもこの映画は感傷的にならず、殺し屋の行動を淡々と見せていく。その淡白さがより作中で起こるイレギュラーを際立たせ、作品をドラマチックにして

          人物のディテールを突き詰めること 〜デヴィッド・フィンチャー監督『ザ・キラー』感想

          宮﨑駿監督『君たちはどう生きるか』

           監督がこの作品で我々に語るメッセージはとても力強い。「学べ。清らかなものからも、濁ったものからも。先人たちから、生きとし生けるもの全てから学べ。学んだならば、さあ君たちはどう生きるか?」  この投げかけに説得力を持たせるのは他ならぬ監督の物語の編み方。作中でああ、自分はファンタジーを観ているという幸福感に何度包まれたか。まさに先人たちのファンタジーから学び、それを血肉としたもののみが描ける世界。そこに至るまでどれほどの血と汗があったことだろう。この映画を観た後だとそんなこと

          宮﨑駿監督『君たちはどう生きるか』

          そもそも書くことが決まらないと執筆も何もないことに気づいた。最近の良かった映画の感想を書くにも寝かせすぎて旬を失ってるし。乗り越えるべきはそこ。

          そもそも書くことが決まらないと執筆も何もないことに気づいた。最近の良かった映画の感想を書くにも寝かせすぎて旬を失ってるし。乗り越えるべきはそこ。

          noteだろうが何だろうが書くことは続けたいので、ちょっと色々方法を考えてみる。もちろん同時並行で執筆もしながら。

          noteだろうが何だろうが書くことは続けたいので、ちょっと色々方法を考えてみる。もちろん同時並行で執筆もしながら。

          やっぱりnote更新していくの難しいな。

          やっぱりnote更新していくの難しいな。

          ショーン・ベイカー監督『レッド・ロケット』

          「強い国」という神話をトランプの時代でも取り戻せなかったアメリカ。そんな国の下層で繰り広げられるダメ男の再起をかけた奮闘記。下品で泥臭いが実は結構したたかな映画。 なんだかスティーヴン・ソダーバーグ監督を連想したりもした。ソダーバーグを卑猥に、泥臭くやった感じ。実は似たもの同士なんじゃない?2人ともスマホで映画撮影とかやってるし。

          ショーン・ベイカー監督『レッド・ロケット』

          『機動戦士ガンダム 水星の魔女』リアタイ視聴できた。今週も面白かった〜。

          『機動戦士ガンダム 水星の魔女』リアタイ視聴できた。今週も面白かった〜。