さまよえるKPTの亡霊をときどき鎮めては考えて(ふりかえり Advent Calendar 2024|4日目)
すべての皆さま。おつかれさまです。W2ナニカソンです!
KPTについて考える時間はときに鎮魂のようで
今年ふりかえりで思い出深いのはこの2つの記事…。
というよりも、このきっかけになった、何度も繰り替えるKPT反省会というか(あえて反省会ワードをアンチテーゼ的に使ってみるなど)なんというか。
どんなにふりかえり界隈が進化しても、この類の話題があふれている様子を見るにつけて、全体的に底上げされて俯瞰で見れば進化すれば進化するほど、ある段階の断絶が余計にくっきり浮き彫りになって、むしろ置き捨てられ方が大きくなっていくような葛藤、矛盾、コンフリクトな違和感を感じていました。
見過ごせなくて言語化してみた結果の記事ですし、そこに一定の関心を持っていただけたこと自体はとてもポジティブなことでもあったけれど。ふりかえりに限らず、なにかの文化圏というか領域が進化することで、切り離された世界への解像度が逆に褪せてゆくような怖さも、当時と変わらず抱えています。
ふりかえり界隈のヒトビトは変わらず抜け落ちそうな人々にそれぞれの方法論で手を差し伸べ続けているし、万能ではない物事を受け入れて、課題意識もちゃんと持っていて。
結果的に「これは必読やぁ」「脱帽だぁ」とうなるような知見、思いの集積したスライドやら発表の記録も日々ちりばめられてゆくのに、その星々のまたたく宇宙にどんどん突き放されていく、なにかが断絶した世界も変わらず現場にはあり続けるのです。
なんだろうこれは、そういう宿命なのか。いや、そんなはずはない。
そんな状況に私如きがなにができるのか、そんなことはわからなくて。時々「あああぁアアー」って気持ちになったりもするけど、それでも置き去りにされた世界を考え続けることをやめたくないのです。
どんな分野においても。
試行錯誤をカタチにして、そして壊したくなる
KPTの鎮魂ってなんだろう、とふと思ったりします。それこそ魔法のようにどの現場でも解決できるなんてことはなくて(というか、ふりかえり自体がそもそもそんなものじゃなくて)。結局ひとつひとつ、なんですが。
それであれば、なにかそのひとつをできないものかとモヤモヤしてた頃に「コンプリボドゲコンペ」なるものに出会いました。
1枚のコンビニプリントをベースに、ほしい時にさっと印刷してあそべる、そんな世界を広げるコンプリボドゲコンペ。
ふと、ひらめきました。手軽に印刷して、すごろくのようにあそぶことを通じて、KPTをもっと「いつのまにか」できるようなものはつくれないだろうか?
「完全に理解した」になることはなくても、少なくともいくつかのアンチパターンであったり、ある程度汎用的に生きやすい先人たちの学びを追体験できれば、それだけでもほんの少し変わる、こともある…かもしれない?
いきなり「これだ!」と言えるようなものはできないだろうけど、まず、できるところまで形にしてみよう。それこそ、それを使ってみてふりかえりして、育てていく種子のようなものだっていいじゃないか…。
そんなことをグルグル考えているうちに「すごろくで自然に流れるKPT」という1枚モノの(紙ペンでもあるような)ボードゲームができました。
「案の定」…という表現は、コンペディションへの参加態度としていささか不謹慎かもしれませんが、ただ客観的に見てやはりチャレンジの側面が強いだろうととらえていたのも事実です。「案の定」挑戦の客観的指標からすれば「空振り」におわりました。
ただ、まだ終わりじゃない。これをベースとして、もっと現場で活用して、そこからそれこそふりかえりのふりかえりをして、模索してゆければ。そういうものには仕上がりました。これ、今後まだ育ててゆきたいのです。
このように試行錯誤を勇気を出して形にして、容赦なく前進のためにぶっ壊し手をくりかえしてゆけば、さまよえる魂ともっとわずかでもよい形で、向き合ってゆけるかもしれません。いや、ゆくのだ。ゆけばいいのだ。
ふりかえり会を少し自由な発想で実践したりも
勿論この一年、KPTだけを考えているわけでもなく。たとえば今年は「あさりに砂を吐かせるような横断ふりかえり会」を発足しました。
いや、実際にはまだいちど開催しただけ。でも、あえて「発足しました」と宣言することで、続けるための原動力につながる側面もあるはず。未来への置き石としてあえて「発足しました」と言い切ってしまいたい。
この言葉が嘘っぱちじゃなかったことを証明する未来に進みたいのです。
最後に
ふりかえり Advent Calendarは2年連続の参加となりました!
じつはこっそりもう1回。
ふりかえりのおともになるフカボリふりかえりゲーム「問い・解い・トイ」も引き続きよろしくお願いいたします。
(W2ナニカソン・ワクワク魔人S)