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【詩】カフスボタンの散文詩

初老男性のカフスボタンの四角はそれぞれが丸みを帯びているが誇らしい艶やかさをもち併せていた。

式典に出席するたびに言祝がれるいたわりが手指を通じてボタンに届いたせいだろう。

青地に白のくり抜き線がかすんで見えるのもかえって優美だからいっそう撫でたくなるのも無理はない。

シャツの袖口でひそやかに輝ける光をじゅうぶんに宿していた。

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voyant(まみえる人)
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