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【詩】毛布の散文詩

焦げ茶のやわらかな毛布は、なおのこと心地よくて一心にくるまり我を忘れながら沈みこんだ。

この繊維のふくよかさを、何かのけだものにでも化かされたのだと思えば、森閑とした静けさが胸のなかいっぱいに広がる。

今日を生きる理由なんかもうどうでもよくなって、波打つ毛並みとともにしっとりと眠っていたかった。

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voyant(まみえる人)
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