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【散文】洞の
目覚めれば、朽ちた樹木の洞でうずくまっていた。どうかすると、手足が内側の樹皮に届きそうでそうでもない。広がりやあいだが感じられなかった。わたしと木との空隙に暗がりだけがさし挟まれていた。
早く出ていきたかったが、外にも夜の闇が一面に広がっている。どちらにしても心細かった。
この世における、がらんどうとは、まさにこのことだと思った。
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目覚めれば、朽ちた樹木の洞でうずくまっていた。どうかすると、手足が内側の樹皮に届きそうでそうでもない。広がりやあいだが感じられなかった。わたしと木との空隙に暗がりだけがさし挟まれていた。
早く出ていきたかったが、外にも夜の闇が一面に広がっている。どちらにしても心細かった。
この世における、がらんどうとは、まさにこのことだと思った。