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学生必見!ボランティアサークルとカルト(新興宗教)の危険なつながりを避けるために気をつけること

現在、世界平和統一家庭連合(旧 統一教会)と政治活動のつながりが世間を賑わせていますが、大学内の学生サークルを隠れ蓑とし、活動を展開したり、信者を集めたりしている宗教団体についても改めて注目を集め、表彰などの公的な評価を見直す動きも出ています。

今回は、ボランティア活動に関心のある大学生が、ボランティア活動とカルト(新興宗教)の危険なつながりを回避するために気をつけるべきことについて考えていきたいと思います。

宗教とボランティア

ボランティア活動は、成り立ちや広がりの歴史から見ても宗教と密接につながっています。
今日のボランティア活動の原型とも言われる世界最初のセツルメント「トインビーホール」も宗教者が大きく関わり展開していきましたし、世界120の国と地域に広まり、約6500万人以上が活動する世界最大規模の非営利団体「YMCA」もキリスト教の教えを実践する宗教団体です。

しばしば、「日本最古のNPOはお寺である」という話を聞くことがありますが、お寺も仏教の拠点ですし、東日本大震災の時には、様々な宗教団体が支援活動に取り組んでいました。そのまま、災害支援に特化した組織として残し、活動を続けている団体もあります。

宗教や宗教団体が行うボランティア活動=危ないということではありません。
まずは、宗教活動によって社会をより良くしていくことであったり、それ自体が歴史・文化として今日まで継承されてきたりしているという点について理解する必要があります。

それでは、宗教とボランティア活動のつながりの何が危険なのでしょうか。特にそのリスクが高い「大学生のサークル活動」について考えていきましょう。

カルトに狙われる大学生

宗教団体にも様々ありますが、「大学入学後にボランティア活動をしてみたい!」と考える学生が最も気をつけなければならないのが、「カルト団体」です。

そもそも「カルト」とは、過激・狂信的で、異端な新興宗教集団です。
特定の思想により構成員を身体的・精神的・経済的に拘束したり、社会的な活動やつながりなども制限されてしまいます。

大学生は実家を離れて一人暮らしを始めたり、アルバイトをしてお金を稼いだりするなど社会的、経済的に自立するタイミングである一方で、社会的な経験や知識が比較的乏しいと考えられるため、昔からカルトの標的にされてきました。
特にボランティア活動に関心がある学生は、「自発的に動くことができる」、「奉仕的な自己犠牲を伴うことでさえ厭わない」「心優しい(他者の気持ちに寄り添える)」などの見方から、そのターゲットにされやすい傾向にあります。

「そのような団体があれば、入る前に気づくだろう」「近づかなければ問題ない」「声をかけられても断ればいい」と考えている大学生が大半だと思いますが、最初からカルトとバレているような団体はほとんどありません。
むしろ、”よくある大学生サークル”を巧妙に装っているのです。

では、学生サークルに忍び寄るカルトの特徴、そしてそのリスクとはどんなものなのでしょうか。

先輩学生が話す「(新興)宗教じゃない」は本当か?

大学生がボランティアサークルを含む「学生サークル」に加入するのは、新歓期と呼ばれる4〜5月が大半です。
コロナ禍では、チラシをばら撒くといった恒例行事も自粛対象となり、TwitterやInstagramをはじめとするSNSでの勧誘活動が活発化しました。

最近は、学生サークルやそのサークルに所属する所謂”先輩学生”が、オンラインツールを利用して匿名の質問に答える(質問箱やpeingなど)ということも増えていますが、そこで気になる投稿を見つけました。

Aサークルが宗教団体という噂があるのですが、本当ですか?

この質問に対し、先輩学生は以下のような趣旨で返答していました。

宗教団体ではなく、NPO法人なので健全です。
上下関係も薄く、メンバーがみんな良い人なので、宗教感はありません。

おそらくここで回答している学生は、「宗教っぽいこと」「カルト的な宗教団体が関わっていること」の違いがわかっていません。
実際にそのサークルの背景にカルトがいるのかどうかを正確に把握できていないはずです。

このように、意図的にカルト勧誘をしている人だけでなく、真実を知らないことから無意識に嘘を発信している”先輩学生”がいますので、気をつけてください。

「宗教っぽさ」とは何か

多くの学生が、サークル選びの際に気にしているのは、カルトが関わっているのかどうかではなく、「宗教っぽいかどうか」だと感じています。
ここで言う「宗教っぽさ」は以下の通りです。

  • 活動に熱心な学生と同じ熱量でいることを求められる

  • 活動の頻度が高いうえに、高い出席率が求められる

  • 簡単に辞められない

  • 人数が多く、コアメンバー(幹部など)との距離感が非常に遠い

体育会系団体にも似たような実態があるかもしれませんが、拘束力が強く、高圧的な印象を感じるのではないでしょうか。

このような団体があるとすればカルトかどうか以前に、ハラスメント問題が表面化し、解体せざるを得なくなっているはずですが、先輩学生の性格やふるまいによって、このような「宗教っぽさ」を感じる学生がいるかもしれません。
それは、カルトが関わっているかどうかということとは別で、「(新興)宗教っぽさ」があるということを表しています。

近年は、SNSなどで個人が社会に対して容易に情報発信できるようになっていますので、誰にでも分かるような「宗教っぽさを出している団体」はほとんどありません
むしろ「カルトが関わる学生サークル」は、それとは真逆の雰囲気を醸し出しながら忍び寄ってきます。

逆に、クリーンな活動だと思う要素って何?

「(新興)宗教っぽさ」とは反対に、みなさんが「クリーンな団体」だと思う要素はどういったものなのでしょうか。
いくつか例挙げてみましょう。

  • 全国的な組織で、メディアにも取り上げられている

  • 先輩学生が親身になって相談に乗ってくれる

  • メンバー同士の距離感が近い(仲が良い)

信頼性という面では、TVや新聞などのメディアで取り上げられているということを判断基準にしている学生も多いです。
しかし、昨今のメディアはそこまで学生サークルの歴史や実態について深く調べていません。
むしろ「怪しさ」を隠すために、ボランティア活動の実績を量的に見て判断するような行政の表彰には積極的に応募しますし、その熱心な活動による社会への貢献度は高く見えます。

また、大学入学後に「なかなかコミュニティに入れない」「疎外感を感じている」という学生も入りやすいように、先輩学生が親身になってくれたり、メンバー同士が仲良く、つながりが強固であったりします。
それは、より多くの学生を取り込みたいカルトにとって、当たり前に行っていることだと言えますし、このような様子から「(新興)宗教っぽくない」=健全だと判断するのは危険だと思います。

カルトが背景にいる学生サークルのリスクとは?

ここからはカルトが関わる学生サークルの具体的なリスクを考えていきます。

  1. セミナーを通して高額なお金を徴収されている
    学生サークルの活動として当たり前のようにセミナーのような勉強会や集まりが開かれ、そこで会費を徴収されることがあります。
    もちろん適切な勉強会であってもお金がかかることはあるわけですが、毎回のようにお金がかかり、継続的に参加することで結果的に高額な支払いになっているという状況は危険です。
    会費が適切な金額なのか、その機会以外でも同じような学びは得られないのか、客観的な視点で考えてみることができなければ、どんどん経済的な拘束を受けていくことになります

  2. 断れない勧誘により、カルトとの個人的なつながりをつくってしまう
    カルトは信者集めの手段として学生サークルをつくったり、つながったりしています。
    「先輩学生親身になってくれる」「メンバー同士の仲が良い」、これらの状況によりそれぞれ個人的なつながりがどんどん深まっていくわけですが、それによりカルト勧誘を受けた際に、断れなく(断りにくく)なってしまったり、それ自体を疑うことができなくなっていったり、メンバーを裏切れないという感情などからそれを相談できなくて一人で抱えてしまったりするということが生じます。
    きっと相手が初対面の人であったら問題なく判断できると思いますが、個人的で良好な関係を構築したうえでその「勧誘」がある、ということによって正常な判断ができなくなってしまうのです。
    特にそのサークル以外に友人が少なく、周りに自分の気持ちを共有できる人がいないという学生は、そのつながりをつくってしまうだけでなく、「抜け出せなくなる」可能性が高いので注意してください。

  3. 学生サークルを管理している母体の役員や理事、事務局にカルトの関係者がいる場合
    NPO(法人格を持つ団体を含む)団体がその支部として学生サークルを管理しているところも多いです。
    その場合、学生サークルが年会費や登録費を部員から徴収し、上納金のように母体の団体に支払う必要があることも多いのですが、実はそのお金の一部が、役員や理事、事務局職員を通してカルトに流れているというケースもあります
    もちろんちゃんと活動費として使用されている部分もあるでしょうし、徴収されたお金がどのように使用されているのかの実態を詳しく調査している学生もいません。
    だからこそ、学生は「自分がカルトに関わっている」という意識がないまま、関わってしまうということが起きてしまうのです。

他にも、団体、人、地域、時期によって様々なリスクがありますので、ご注意ください。

リスクを避けるために意識すること

  1. 自分で団体の情報を調べる
    先輩学生”の話を鵜呑みにせず、自分で調べてみることが大切です
    大規模な団体は、NPO団体が母体となっていることも多いですし、NPO法人であれば、登記の内容やお金の流れを確認することもできます。
    そこの役員・理事。事務局職員が日頃学生にどう関わっているのかも確認できると良いでしょう。

  2. 流行に流されない
    カルトは、「気軽に参加できる」というボランティア活動の魅力を活かし、参加ハードルの低い活動や集まりを設定して、信者とつながる機会をつくっています。
    「SDGSs」「子ども食堂」「若者のキャリア開発」「未来づくり」「ゴミ拾い」、、、手軽でキャッチーで、話題性のあるテーマ・社会課題の解決を活動目的・内容に設定して、新たな学生サークル(ボランティア団体)を創ったり、急速に参加者数を増やしたりしているケースも多いので、流行りのテーマだからといって飛びつかないようにご注意ください

  3. 信頼できる人に聞く
    冒頭で記載した九州大学のサークルのように公的な評価を得ていたり、メディアに取り上げられているケースも多く、何を信頼すればよいか判断すること自体が非常に難しいと思います。
    そんな時は、大学内にあるボランティアセンターや、地域のボランティアセンター(社会福祉協議会など)を訪れ、専門職のボランティアコーディネーターに聞いてみてください
    大学付きの司祭、神父・牧師などがいる大学に所属している場合は、その宗教者や宗教学者の方に直接聞いてみるのも有効です。連盟への加盟状況などから、その宗教団体がカルトなのかどうかを調べて、教えてくれる場合があります。

まとめ

カルト(新興宗教)団体にとって、学生サークルは都合の良い存在です。
だからこそ、簡単にその目的や活動がバレないようにしています。

「ボランティア活動をしたい」という気持ちや実際の活動が、新たな社会課題を生むことにつながらないように、そして何より自分自身を守るためにもカルトを避けるということが重要です。

学生サークル選びの際は、情報を鵜呑みにしないよう注意しましょう!

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