【1月のAudible読書メモ①】
昨年末から年始にかけて3冊聴きました。
『おらおらでひとりでいぐも』 若竹千佐子
「老い」と「孤独」に向き合う桃子さんの姿を想像し、若い頃は、想像もしなかった自分の老いもこんな感じだろうかとしみじみ思うものがあった。
部屋で一人部屋にいるとき、病院の待合室にいるとき、外出先でけがをして助けを呼ぶことも戻ることもできずにいるとき、どの場面もナレーションの東北弁が情景を鮮やかに映し出し、くすっとしたり、苦しくなったり。
桃子さんは、一方で、「自由」についても独白している。その点についても、「あぁ、なんだかわかる」と共感してしまう自分がいた。
いつかまた、読み返したくなる日が来ると思う。その時どんな感想をもつのだろうか。今は想像できない。
東北弁を文字で追うのはなかなか難儀そうなので、Audibleで聴く読書にして正解だったと思う。
『アーセナルにおいでよ』 あさのあつこ
新しいことを仲間と始めるときのワクワクドキドキ感がありつつも、本当にうまくいくのだろうかという危うさをずっと抱えながら聴いた。すなおに聴けないおばさんだ。
「アーセナル」は会社の名前だけれども、そこに込められた想いはそればかりではないだろう。それが、生きづらさでのどが詰まるような日々を送る若い人たちにそっと元気や勇気を与えてくれると思う。
過ちを犯したものが社会で生きるチャンスをもらえる社会であってほしいというメッセージが入っているようにも思え、この物語の続きがあるならば、この4人はこの先、この「アーセナル」をどのようにしていくのか気になった。
『板上に咲く - MUNAKATA: Beyond Van Gogh』原田マハ
先日、「現代の葛飾北斎になる」という「博士ちゃん」のテレビ番組を見た。そこから、私の興味が葛飾北斎→ゴッホ→棟方志功に行きついたわけではない。けれども、ゴッホは葛飾北斎に影響を受け、棟方志功は「ゴッホになる」と言って青森から上京したのを考えると何かこの本に出合う繋がりがあったのだと感じずにはいられなかった。
彼と彼を生涯支えた妻チヤについてこのタイミングで知れたのはとても良かった。欲を言うなら、もう少し早くにこの本に出会えていれば、東京国立近代美術館の「生誕120年棟方志功展」を観に行けたのに惜しいことをしたと思う。それくらい、このアート小説に心を持っていかれた。
何度も胸を熱くした。とりわけ、献身的なチヤの夫を真っ直ぐに応援する気持ちと言葉に心を打たれ涙した。また、棟方志功の妻や子どもを想う気持ちとその行動にもぐっときた。
棟方にとって神仏にも等しい柳宗悦と濵田庄司に見いだされ、感極まるシーンも感動的だ。ここを皮切りに最後まで何度も心を動かされた。
渡辺えりさんの朗読に驚嘆の連続だった。声のトーンも読みも素晴らしく、私は、Audibleを聴いているのではなくて、彼女の一人舞台を観ているのではないかと思ったくらいだ。
やっとメモを書きあげることができました~!
さあ、次は何を聴きましょう。楽しみです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
また、次のnoteでお会いしましょう。
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