【2月のAudible読書メモ③】
『老人ホテル』原田ひ香
みのみのさんにお勧めしていただいた一冊。
原田ひ香さんの小説はいつも人生経験豊かな人物から様々な教えをいただく内容が多い。今回もそうだ。専門書を読むのももちろんいいが、入り口としてこのような物語から入っていくのもいいと思える本だった。
いつものほっこりとした雰囲気ではなく、ラストは心拍数が高まる展開。
爽やかな読後感ではないが、天使の生い立ちを考えればその流れは納得できる。
*天使と書いて、エンジェルと読む。キラキラネームだということに気が付くまでに時間がかかった。Audibleだけに。
20代で一人暮らしを始める私がこの本を読んでいたら、どんな感想を持っただろうか。聞いてみたくなった。
『それもまたちいさな光』角田光代
「幼馴染」にとても憧れがある私。どんなに願ってもそれだけは手に入れることができないもの、人だからだ。だから、幼馴染という設定だけで、ぐいぐい引き込まれてしまう。
少しネタバレになってしまうが、この物語はラジオが出てくる。
ラジオで発信する側の心持ちと受け取り手の描写にも興味をそそられた。
雄大が語る幸せについてのくだりは、強い共感を覚え、誰かとこの気持ちを共有したい気持ちにかられた。 だれかー。いませんか?
『走ることについて語るときに僕のかたること』村上春樹
ここ2,3週間この本についてのnoterさんの記事をいくつか読んだ。また、日本語学校のクラスでも少しだけ話題になり、気になっていたので、ダウンロードしてみた。
走ることで得られる体力だけではなく、「まわりくどいところに真実がある」ことを証明するかのような毎日の積み重ねに圧倒され、感服の念をもたずにはいられない。
『川のほとりに立つ者は』寺地はるな
寺地はるなさんの小説にいつも私は教えをもらう。
上記にある、「当たり前」に埋もれた声だ。
毎回、はっとさせられる。
困難を抱えている人に誰もが単に寄り添えばいいという単純なものではなく、こういった視点を持つことの大切さを教えられる。
「他人に対する想像力」、「フィルターを通して我が子を見ている」などそこここにブックマークを押したくなるフレーズが出てくる。何度、スマホをポケットから取り出し、一時停止を押して30秒戻るボタンを押したかわからない。
松木が書いた小学校の卒業文集の内容が心に残った。
『ゴミ人間 日本中から笑われた夢がある』西野亮廣
読むきっかけとなったのは、こちらのnoterさんの記事です。
ふくふくさん、ありがとうございます!
がツンと頭を殴られたくらいの衝撃を受けた。
読んでよかった!
西野さんの頭の回転の速さ、世の中の変化への気づき、視点の置き方に
驚きの連続だった。
特に印象的だったところ
・子育てに見立てた絵本の販売戦略
・NYでの個展の話
・映画の声をある方に頼むときのエピソード
・絵本を全ページweb公開した時の話
特に絵本を全ページweb公開した時の話は、その理由がわかると非常に説得力があり唸ってしまった。
『八月の御所グランド』万城目学
「女子全国高校駅伝」のほうは、私も絶望的に方向音痴なのでものすごく共感しながら聴けた。
高校生ランナーの二人の不思議な共有時間。京都が舞台だけに本当にありそうな気がしてくる。二人に生まれる爽やかな交流。体育会の部活経験がない私に疑似体験をさせてもらったような物語。
「謎の草野球大会」のほうは、ある話を思い出した。
昔の白黒写真を現代の技術で色付けすることによって見る人が、その写真に写っている光景を「昔のこと」から「自分事」にするというような話をどこかで聞いたのか読んだのか・・・。
「戦争に断ち切られた青春」と上記の紹介文の中にあるが、物語にするこによって、写真に色が付けられたように、まさに自分事に置き換えて思いをはせることができた。切ない思いが押し寄せる読後だった。
読んだらすぐにメモを作らないと、どんどん溜まりますね。
6冊分を振り返るのは大変でした。反省。
最後までお読みいただきありがとうございます。
また次のnoteでお会いしましょう。
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