【12月のAudible読書メモ④】
今年最後の読書メモです。
『【2巻】校閲ガール ア・ラ・モード』宮木あや子
先週聴いた『校閲ガール』の第二弾。
河野悦子を取り巻く個性豊かな仕事仲間のスピンオフの物語。
第一話から第四話までは、アップテンポでありながらもそれぞれの人物が
やりたい事をみつけ成長していく様や彼ら彼女らからの視点を通した悦子に対する評価が読んでいて心地よい。
第四話に書かれた校閲部の部長・茸原の編集者時代の担当女性作家さんとの美しく切ない話が映像が目に浮かぶようで印象に残った。
『【3巻】校閲ガール トルネード』宮木あや子
口は悪いが校閲の仕事は完ぺきな悦子。自分の置かれた場所で全力で仕事をするさまは、周りの人が応援したくなるのも当然。部署の異動を経て悦子が下す決断、受け入れたくはなかったが、自分のできることを受け入れた悦子の姿がほろ苦い。
作家ではなくモデルとしての道を進む彼へかけた悦子の言葉や、上司の茸原が悦子へかけた言葉があたたかくて、私もエールを送りたくなった。
『先生、どうか皆の前でほめないで下さい:いい子症候群の若者たち』金間大介
noterさんのこちらの記事の中で紹介されていた本の題名が気になりすぎて今週の3冊目として選んだ。
日本語学校で授業をしていて、ときどき反応が極端に薄いクラスにあたることがある。原因はいろいろあるのだが、この本を聴いて「あーそういうことか」と思い当たる節がいくつもあった。
国籍を問わずデジタルネイティブ世代が抱える問題が同じであるならば、
とても勉強になった。
そういえば、この間中国の学生が「先生、新しい言葉を勉強しました!」と言うので、「なんという言葉ですか」と聞いたら、「同調圧力と空気を読むです」とニコニコして彼女は答えた。「そういうのは、Sさんの国でもありますか?」「はい、あります」と言っていた。
今後、学生と接する際、この本の内容が役に立ちそうだ。
おまけ
Kindleで『回転晩餐会』(一穂ミチ)を読んだ。
『スモールワールズ』刊行記念の特別ショートストーリー。
ビルの15階にある回転レストランでの物語。
回転レストランのゆっくり回る速度と回っていく途中の景色の移り変わり、人生の時の流れが相まって、登場人物の隠された秘密がわかるラストに驚愕した。この短いストーリーに相反して私の感動の長さは倍以上だった。
最後までお読みいただきありがとうございました。