あいまい日記 4 ─誰も人生を知らなくて、本当に良かった
人生一般について解明した人間は、この地球上のどこにもいない。歴史上にも一人もいない。勝手にそう確信している。極めて優れた人というのは、あくまで何かを“うまくやる”ことについて優れているのであって、それは特別なことや神秘的なことを知っていることを意味しない。哲学者は未だに死を解明してくれない。世界中を旅するとか、苦難の末に事業を成功させるとか、いわゆる「人生経験」を経験し尽くした人は、魅力的な自伝を書く以外のものすごい爪痕を世界に残したことはあるだろうか。いや、何か恨みや怒りを