マガジンのカバー画像

あいまい日記

15
思考のローカストホール
運営しているクリエイター

2020年6月の記事一覧

あいまい日記 4 ─誰も人生を知らなくて、本当に良かった

人生一般について解明した人間は、この地球上のどこにもいない。歴史上にも一人もいない。勝手にそう確信している。極めて優れた人というのは、あくまで何かを“うまくやる”ことについて優れているのであって、それは特別なことや神秘的なことを知っていることを意味しない。哲学者は未だに死を解明してくれない。世界中を旅するとか、苦難の末に事業を成功させるとか、いわゆる「人生経験」を経験し尽くした人は、魅力的な自伝を書く以外のものすごい爪痕を世界に残したことはあるだろうか。いや、何か恨みや怒りを

あいまい日記 3 ─書くことは“重み”の付加

文章化するということについて考えてみる。書くことの目的を決めてnoteを始めたわけじゃない。むしろ書き始めて気づいてことだが、書くことは、自分の中にある思いやイメージに“重み”を付加していく作業なのかもしれない。他人の頭の中がどうなっているかは知りようもないが、私の頭の中では思いやイメージというのは宙を舞う薄片のようなものだ。すこし強い風が吹けば、つまり何か注意が引かれるようなことがあったとき、簡単にどこかへ飛んでいってしまう。それらは書かれて情報になることで“重み”を得て地

あいまい日記 2 ─私という川にどうか綺麗な魚を住まわせてほしい

生活をいかにコントロールするか。毎日やること。毎週やること。毎月やること。これは○時間やる。あれは△時間やる。すると睡眠は□時間になる。1日を時間で腑分けしていく。ひとつずつ処理していく。向上していく。摩耗していく。途切れる。諦める。幾度も試みてきた。無理なのか?やり続けて来れたことはなんだろうか?一つ、グラフィックデザインの仕事。これはもう10年を超えた。途中、1年ほどブラブラしていた時期はあったが、それを経て、やはり私にはこの仕事だと、それ以前よりずっと明確な想いを得て、

あいまい日記1 ─虚無

私は家にいると体中が虚無になる。虚無感に包まれるということではない。もっと端的に虚無になる。言葉でその違いは表現し難い。絵を描くとか、近い将来のためにWEBデザインを勉強したいとか、積んでいるプラモデルを組み立てようとか、家の外ではいつもそんなことを思うわけだが、家に踏み入れた途端そういう負荷のかかる取り組みに耐え難くなる。何かやろうとすればやたら眠くなり、せめて生活リズムを整えようと早めに寝ようとすると今度は一向に寝付けない。ゲームをする、マンガを読む、ASMRを聴きながら