オーラルフレイル予防 住民同士の力を引き出し合う笑顔のチカラ"社会福祉士""歯科衛生士"の考えるフレイル予防
~オーラルフレイル予防 住民同士の力を引き出し合う笑顔のチカラ~
人は、生涯にわたりかけがえのない固有の存在として、最後までその人らしく尊厳を持ち生きることを、このオーラルフレイル予防からアプローチするものです。
口は生活の入り口であり、その人とその人の生活を作ります。
口の健康を取り戻し、生きがいを持って健康で生きるために必要なことを一緒に学びました。
その人の描く目標を、一緒に達成する集まりの場を作りました。
そして、これらを地域で広めていきたいと考えています。
地域において一市民として、社会福祉士や歯科衛生士の視点から、住民同士が互いの力を引き出すための活動を紹介します。
他人に支配されるのではなく、自らの生きる力を持ち、それを引き出す機会や体制を構築することが、専門職の重要な役割であると考えます。
1.はじめに
❶オーラルフレイルとは何か
オーラルフレイルとは、年齢を重ねて口の健康が悪くなり、食べる力が弱くなることです。
例えば、歯が少なくなったり、噛む力や舌の動きが弱くなるのが原因です。これが進むと、体全体の健康にも影響が出ることがあります。
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト
❷フレイルとは何か
フレイルとは、年をとることで体や心が弱ってしまう状態です。
でも、早めに対策すれば元気に戻ることができます。
身体的フレイル: 体力や筋力が落ち、疲れやすくなります。
オーラルフレイル: 歯や口の機能が低下し、食べるのが難しくなります。
精神的フレイル: 年をとると気持ちが落ち込みやすくなります。
社会的フレイル: 外出や人と話す機会が減り、孤立しやすくなります。
【オーラルフレイル予防が重要な理由】口の健康が悪くなると、
食べるのが難しくなる: 噛んだり飲み込むのが大変になり、栄養不足に。
体調が悪くなる: 体力が落ちたり、病気になりやすくなります。
楽しみが減る: 食事が楽しめず、生活がつまらなくなります。
孤独になりやすい: 食事や会話が億劫で、人と過ごす時間が減ります。
❸社会福祉士と歯科衛生士の役割
●社会福祉士の視点
地域交流: イベントや活動を通じて、高齢者が他の人と交流できる機会を提供。
訪問支援: 定期的に高齢者を訪問し、悩みをサポート。
地域サポート: 専門家や地域ネットワークと連携し、必要な資源を提供。
●歯科衛生士の視点
口の健康でフレイル予防
栄養をしっかり摂れる: 健康な口で美味しく食べ、体が元気に。
病気を防ぐ: 入れ歯や歯のケアで全身の健康を守る。
生活が楽しくなる: 食事を楽しむことで生活の質が向上し、フレイル予防に。
予防活動と啓発
定期検診: 歯科での定期チェックとクリーニングで虫歯や歯周病を防ぐ。
口腔ケア: 適切な歯磨きやフロスの使い方を練習。
栄養相談: 栄養士と協力して、健康を維持する食事のポイントを学ぶ。
啓発活動: 地域や学校で歯の健康の重要性を伝える講座を実施。
2.住民同士の力を引き出し合うアプローチの紹介
〜オーラルフレイル予防笑顔のチカラ〜
●コミュニティの力
住民同士が互いに支え合うと、みんながより幸せになり、笑顔が増えます。
これが、地域全体の元気や健康を高める大きな力になります。
●地域活動の具体例
地域でオーラルフレイルの予防活動を実施しましたので、その一部を紹介いたします。これは過去に行われた活動です。
■参加者
介護予防を対象とした方々、地域の子育て支援グループの親子、社会福祉士、保健師、歯科医師、歯科衛生士
各住区で集まり、地域の子育て世代や歯科医師と一緒にワークショップやレクリエーションを開催しました。
参加者はグループに分かれ、さまざまな活動に取り組みました。
オーラルフレイル予防のため、口腔機能を向上させるアプローチをレクリェーションに取り入れ、参加者同士のつながりを深めながら、自分たちで目標を設定し達成するレクリェーションをグループで考案し、実施しました。
歯科医師も参加しましたが、主導は歯科医師ではなく、住民が中心となり、主体的に活動することに重点を置きました。
講師はおらず、住民が中心となっています。
住民自身が教師となり、他の参加者に対して発表を行います。
歯科医師も参加者と共に活動に取り組みます。
まず初めに名札を作成し、自分で名前を記入しました。
自分が読んでもらいたい名前を書きましたが、多くの人が幼少期に呼ばれていた下の名前を書いていました。
もちろん歯科医師も同じように幼少期のニックネームを書きました。
これらの活動には、地域の子育て支援に参加している親子も参加して、一緒にレクリェーションを行いました。
参加者はこの活動で達成したい個人の目標を思い描き、それを葉に書いて大きな木の模造紙に貼り付けました。
【参加者それぞれの目標】
・外出する
・むせなくなる
・しわを減らす
・ゆっくりと食事をする
・友達を作る
・若返る
・認知症の予防
・食欲を増す
・元気になる等
活動の一部紹介です。
・ボール遊び
・ペットボトルを利用したエクササイズ
・飴玉探し
・お手玉遊び
・風船を膨らませて子供たちと遊ぶ
・みんなで紙芝居を読む
・ずいずいずっころばし
・隣の人と手を繋いで歌う
・にらめっこしましょうあっぷっぷ
・隣の人にボールを渡す
・グループで模造紙に書く
・書いた模造紙を発表する
(早口言葉、唱歌、春が来た、春よこいなど)
・通りゃんせ
3.まとめ
住民同士の力を引き出し合うアプローチ
⚫️コミュニティの力
住民同士が互いに支え合うと、全員がより幸せになり、笑顔が増えます。
これが地域全体の元気や健康を高める大きな力となります。
⚫️実際に行った地域活動の紹介
過去に行ったオーラルフレイル予防の地域活動では、以下のような取り組みがありました。
参加者には介護予防を対象とした高齢者、地域の子育て支援グループの親子、社会福祉士、保健師、歯科医師、歯科衛生士が含まれました。
各住区でワークショップを開催し、地域の子育て世代や歯科医師と共に口腔機能を向上させるレクリエーションを実施。
参加者同士のつながりを深めるとともに、自分たちで目標を設定し、達成する活動を行いました。住民が中心となり、名札作りやグループ活動を通じて、他の参加者と交流しました。
例えば、ボール遊びやペットボトルを使ったエクササイズなどを行い、楽しみながら健康について学びました。各自の目標(例: 外出する、友達を作る、食欲を増す)を考え、活動に反映させました。
講師はおらず、住民が主導で活動を進め、歯科医師も参加者と共に取り組みました。
⚫️笑顔のチカラ
笑顔とコミュニケーションの重要性
笑顔はストレスを減らし、心を軽くします。
周りの人との関係が良くなり、孤独感が減ることで、精神的な健康が改善されます。
健康な口は美しい笑顔を支え、笑顔に自信を持つことができます。
一方で、口の健康が悪いと、笑顔を作りにくくなり、社会的な交流が減ることがあります。
4.今後の展望
これからは、オーラルフレイルやフレイルについての理解をさらに広め、地域活動を通じて予防と支援を強化することが重要です。
地域活動の拡充
もっと多くの地域で、住民同士が支え合うイベントやワークショップを増やし、みんなで楽しみながら健康を維持する活動を広げていきます。笑顔の促進
笑顔が心と体に良い影響を与えることを広め、口の健康を保つことが笑顔を支えるというメッセージを広げていきます。住民参加型の取り組み
住民自身が主体となり、自分たちの健康とコミュニケーションを促進する方法を探求し、地域全体での支え合いを進めていきます。
参加者のニーズをまとめると、以下の通りです。
この目標を達成するための取り組みが必要とされています。
健康の改善: むせを解消し、食欲を増し、元気になる。
美容と若返り: しわを減らし、若々しさを保つ。
生活の質向上: 外出機会を増やし、ゆっくり食事を楽しむ。
社会的つながり: 友達を作る。
認知機能の維持: 認知症の予防を図る。
これらにアプローチをする、オーラルフレイル予防、フレイル予防を展開していきたいと思います。
それぞれ住民が自らの目標を設定することが大切です。
必要な「資源」を提供し、協力して取り組むことが重要です。
そして、実践を通じて学びが生まれ、それが次のステップへと繋がるようになります。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
私の目指しているのは孤立のない共生社会の実現です。