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209.【怒りの分析シリーズ】ふりかけ



出来事の一部始終

夕食の最中、バジさんが子ども二人と食卓につき、私はキッチンで残った作業をしていた。対面キッチンのカウンター越しから、娘を制するバジさんの声が聞こえてきた。

なんでも、娘がふりかけを全部かけたいというのを止めているらしい。確かに、子ども用の少ないご飯に一袋一杯分になっているふりかけを全部かけてしまうと、”大人の常識”からすれば多いと感じてしまうかもしれない。

すでに一袋の半分をかけていた娘に対し、残りをかけるのをやめさせようとしている。その声色は、とてもイライラしているように感じられた。

私は、ふりかけなんて小さなことだと思い、キッチンから娘に「かけていいよ!」と声をかけた。

バジさんは、今度は私に対してのイライラを全力で顔に出した。大きな溜息まで同時について、あからさまに納得していない感をこちらに伝えてくる。

しかし彼は、その場では絶対に言葉を飲み込む。彼のいいところであり悪いところだ。

私は、自分がなぜ娘に声をかけたのかを説明した。自分の経験上、ふりかけくらいたくさんかけさせてあげたいと伝えたのだが、バジさんからは、「ヤギさんの考えは知らんけど、とにかく俺は横やり入れられたことがイヤだった」と返ってきた。

その後も、ふりかけのことについて塩分がどうの、基準はどうのと話し合ったが、なかなか着地点が見つからなかった。話はどこかかみ合わないし、お互いに相手をどうにか納得させようと力ずくになっている感じがした。

途中で改めて二人で話の目的を確認し合った。すると、バジさんが「俺がイヤだと感じたことだから、俺から話し合いを始めなければいけなかったね」となり、二人して納得した。

怒りの分析

怒りを感じた”瞬間”を探る

今回の怒りはじわじわ系だから、瞬間を探すのになかなか苦労する。

でも恐らく、娘に対してイライラしながら声かけをしていたところが最初だと思う。そんな小さなことで?と思った記憶がある。

それからもう一つは、「知らんけど」と言われたところか。もう少しレスポンスを期待していた自分がいた。

あとはもう話し合いの中でずっとモヤモヤは増幅されていった。何せなんとか私をひれ伏させようとしてくるからだ。ここではもう瞬間を特定するのは難しく、なだらかに怒りゲージはMAXへと近づいていった。

自分の状態を客観視する

次は自分の状態を客観視する。

まず生理中だったことは今回の出来事に確実に関係している。PMSが強いほうで、感情のコントロールが基本的にうまくいかない。

あとは、旦那が復職してからとにかく忙しいと感じながら過ごしていた。子どもにも余裕がなくなってしまう自分に自己嫌悪だった。

一番苦手なのが献立を考えることで、それに立ち向かったあとだったからHPが残っていなかった。

まとめると、

  • 生理中だった

  • 自分のやりたいことができていなかった

  • 自分を責める気持ちがあった

  • 自分の苦手に向き合った直後だった

総じて体調の悪さと疲れが最大値だった感じだ。”余裕がない”状況だった。
だから恐らく、バジさんにはせめて余裕があってほしかったんだと思う。

自分が求めていたものとのギャップを探る

まず、怒りの瞬間の一つ目から考える。

私が期待していたことは、自分に余裕がない分、代わりにバジさんに余裕をもって子どもと接してほしかった(ザ他力本願)。

そもそも一日中子どもたちの相手をしていた自分と、子どもたちから離れて自分のペースをつくれていたバジさんとであれば、今子どもたちに対して余裕があるのはバジさんだろうという勝手な押し付けがあった。

というかまず、自分に余裕がないことを生理中だということ以外伝えていない。今回は自分にかなりの非がありそうだ。

一応ギャップとしては、「自分の代わりに余裕をもって子どもたちと接してほしかった」に対して「全く余裕のない対応をしていた」ということになる。


そしてもう一つは「知らんけど」と軽くあしらわれたところ。

私としては、余裕のない対応をさらにしてしまい、バジさんを怒らせてしまったと焦りのような気持ちがあったと思う。そこで、バジさんの怒りを収めるためだけのこじつけのような気持ちだけを話した。

そりゃぁ、知らんけどってなるか。
でも私がここで求めていたのは、バジさんからの反応がもう少しあること、あわよくばバジさんの怒りが収まることだった。

ギャップでいえば、「自分の言葉に反応して怒りを鎮めてほしい」に対して「反応なし、かつ怒りも収まらない」だったということか。

伝えるべきだったこと

バジさんが復職してから自分のやりたいことができていない
子どもたちに余裕のない対応をしてしまって自己嫌悪している
余裕を持ちたいけれど体調も悪いし疲れも溜まっているから厳しそう
代わりに子どもたちに笑顔で接してあげてほしい

今回の分析の感想

怒りの意味が分かった瞬間、この出来事に対して残っていた怒りゲージが二段階で急降下した。

余裕のないパートナーを見ること自体、あまりいい気はしない。自分が好きな朗らかな彼でいてほしいと思っているから。

今回は本当に自分が悪かった部分が多いなぁと思う。でも、ここまで反省できるようになるために、やっぱりこの思考をゆっくりたどらないとできなくて。今後の目標はこれをもっと早くできるようになることだ。

二つ目の怒りが解けた時、あの時ずっと話が嚙み合わなかったのが自分のせいだったのかとショックだった。こんなに簡単な答えだったのに、あの時は自分は全く悪くないと思い込んでいた。

今は、バジさんの気持ちがよくわかる。きちんと謝ろう。

これもまた、バジさんにはまだ怒りゲージが残っていたことすら話していない。もう面倒だから、折を見てこの文章を読んでもらおうか。

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