新商品開発で「暮らしの豊かさ」を再定義。業界の枠を超えて白熱の議論を繰り広げた「第2回 架空商品グランプリ」
『架空商品モール』は新商品開発の現場で直面する「アイデアの総量と質の不足」という課題に対して、生活者起点のニーズとAI技術を融合させて革新的なソリューションを提供するプラットフォームです。
昨年12月に正式リリースを迎え、2025年1月19日にはNHKニュース「おはよう日本」で特集いただくなど、数々のメディアやSNSで注目を集めています。
2025年1月16日、東京のNTTDXパートナーオフィスにて開催されたのが「第2回 架空商品グランプリ」。30名近くの新商品企画担当・新規事業担当者が集まり、架空商品モールを使って、実際の新商品開発現場さながらのワークショップとディスカッションを行いました。
今回のテーマは、建材・設備機器と幅広い住関連サービスを提供するグローバル企業「株式会社LIXIL」様に提案する「理想の住まいに近づくためのソリューション商品」と、東海地方で都市ガスや電気などのエネルギーを供給する総合エネルギー企業「東邦ガス株式会社」様に提案する「暮らしが豊かになる、火を使ってあたためる商品」の2つです。
多種多様な業界から集まった新商品開発担当者だからこそ、それぞれのフィールドで培ったノウハウを活かして、交換して。そうして誕生した、情緒的価値がありつつも実現性が高い架空商品とは……?
市場のトレンドを抑えた“プロ視点”で行われる、アイデアブレスト
まずはグループごとにテーマに沿った「あるある」をブレストします。今回は各テーマ3グループずつ、計6グループに分かれて行いました。
「暮らしが豊かになる、火を使ってあたためる商品」に関するブレストでは、「火を使うこと」だけにこだわらず、より大きな枠組みで「あたためる」シーンで発生する悩みやあるあるをざっくばらんに出していきます。
▼ブレストで挙がった「あるある」の一例
子どもが火に興味を持つようになり、料理中に目が離せない
体育館やホールなど、広い空間をあたためるのに時間がかかる
カセットガスボンベの残量が分からず、使おうとしたタイミングで切れる
焚火やバーベキューで煤が出るのが気になる
キャリアやライフスタイル、世代が異なる参加者が集まっているからこそ、出てくるあるあるの種類もシーンもさまざま。
他の参加者の話を聞きながら、「たしかに使い捨てのガスボンベはサステナブルではないかも」「ガスホースの接続にIoTを取り入れてみてはどうか」と新たな提案が生まれるなど、今の市場のトレンドを抑えた“プロ”視点でのディスカッションが多くのグループで見受けられました。
理想の暮らしを実現する商品アイデアを、新商品開発のノウハウと経験を活かして磨き上げる
続いて、架空商品の生成フェーズに移ります。架空商品モール開発担当者によると、よりイメージに合う架空商品をつくるには「主語を明確にし、抱えている悩みやあるあるを具体的な文章でAIボットに伝えること」が肝なのだとか。
レクチャーをもとにテーマに沿った課題やニーズを架空商品モールに入力すると、まずはカテゴリーが異なるアイデアが6種類、そのあとに画像が4種類生成されました。
「リビングに置いてあるだけで心が高まるようなコンセプト・デザインにしたい」「もう少し手軽に使える機能に修正しよう」と、AIに要望を伝えながら、自身の新商品開発の知見をアイデアに活かしていく参加者たち。
これまでの新商品開発では、一つのアイデアを他者に伝わる“かたち”にするために多くの時間を要していましたが、架空商品モールを使うと、わずか5分でコンセプトや機能を伝える文章、画像を生成できます。
つまり、これまで以上のスピードで多くのアイデアを生み出し、そこから市場価値のあるものを選び、プロの知見をもってブラッシュアップしていける。架空商品モールは、商品開発のあり方を根本から変えていくのです。
個人ワークを経て、各グループでプレゼンテーションにのぞむ渾身の1商品を選定。より根拠あるものにするため、機能実現を裏付けるデータを集めたり、積極的にメーカー様に意見を求めたりと、その様子はまさに企業の企画会議さながらです。「商標は大丈夫か?」「より顧客目線で発表したほうが刺さりそう」と、発表資料に載せる細かい文言やコピーにもこだわります。
また、過去の商品開発でハードルとなったことを共有するなど、業界の枠を超えて、新商品企画担当・新規事業担当者同士が提案と質問を重ねていき、各グループ、最終発表に挑む架空商品の解像度を高めていきました。
ユニークさと実現性・市場性のバランスが審査のポイントに
そしていよいよ審査員と参加者に向けて行う最終プレゼンテーションの時間へ。
「理想の住まいに近づくためのソリューション商品」をテーマに考えたグループからは、
キッチンの生ごみの嫌な臭いを防ぐ「スメルセーバー」
お風呂掃除の面倒を解消する「浴室自動シャワーヘッドクリーナー」
「カーテンのいらない断熱&斜熱性能の窓」
など、住まいの水回りや窓に焦点を当てた多様なソリューション商品が提案されました。
プレゼンテーションでは「最初はtoC展開で、将来的には介護施設や病院などtoB展開も検討している」「5年後、10年後のマーケットを先に確保しておく狙いもある」など、展開方法やビジネスモデルについてもアピールし、審査員も思わず「すごい」とつぶやくシーンも。
続いて、「暮らしが豊かになる、火を使ってあたためる商品」をテーマにしたグループの企画では、
アウトドアの火の管理の手間を解消する「自動着火・調整機能付き焚火台」
自宅で使う「調理もできるヴィンテージストーブ」
暖房と連携することで快適な目覚めをサポートする「目覚まし布団」
など、ユニークな切り口の商品が並びます。
プレゼンテーション後の質疑応答では、「自動着火・調整機能付き焚火台」に対して「アウトドアは手間さえも醍醐味の一つのため、どこまでニーズがあるのか?」とクリティカルなコメントも。新商品開発の役割や意義について、あらためて考えさせられる時間となりました。
すべてのグループのプレゼンテーション後には、グランプリ決定に向けた投票が行われました。審査員は「株式会社LIXIL」と「東邦ガス株式会社」の各ご担当者様、司会を務めたゆーまろさん、そして、今回のワークショップの参加者です。
まず、「理想の住まいに近づくためのソリューション商品」でメーカー様からの特に評価を集めたのは「浴室自動シャワーヘッドクリーナー」です。
「丸ごと洗うという発想が良く、既存商品がカバーできていないウィークポイントをうまく押さえている」「リフォームのオプションでの提案や、toB展開も考えられており、ビジネスモデルとしても広がりがある」と、そのユニークさとマーケティング視点での実現可能性が評価のポイントとなりました。
「暮らしが豊かになる、火を使ってあたためる商品」で多くの評価を集めたのは、「調理もできるヴィンテージストーブ」。
特に、「アウトドアの非日常感を、日常に持ち込む」というコンセプトが絶賛され、「暖房器具の周りに人が集まる様子が具体的にイメージできた」「火のゆらぎに注目しつつ、機能的な商品に仕上げている」といったフィードバックがなされました。
架空商品モールが目指すのは、単なる便利商品の開発ではなく、私たちの生活をより豊かにする「情緒的な価値のあるプロダクト」の創造です。
「第2回 架空商品グランプリ」では、参加者がそれぞれの経験や視点を持ち寄り、新商品開発における市場性や実現可能性を深く掘り下げながら、既存の枠を超えた新しい発想をかたちにしていきました。プロの視点とAIの協働をもって、今後も架空商品モールは新商品開発の現場に新たな可能性を示していきます。
▼当日の様子を収めた動画もぜひ併せてご覧ください!
※本記事内の商品に関する著作権やその他の知的財産権の一切は、当社(株式会社NTT DXパートナー)および開催企業に帰属します。
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