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嘘日記

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全部嘘で日記を書いています。 日記をまともに書いてこなかったので、体裁として日記になっていない部分が弱点です。 1000文字程度の短いストーリー集としてお楽しみ下さい。
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2023年12月の記事一覧

噓日記 12/31 大晦日大決算

噓日記 12/31 大晦日大決算

12月31日、ついにこの日が来た。
年の初めには途方もなく遠く見える日だが、いつも気配なく当日を迎えている。
さて、今年の俺はどうだったか。
今年を総括するならば、病の年であったと思う。
謎の頭痛が長引いて、新型コロナに感染し、インフルエンザに感染し、なんなら昨日から小さく風邪さえ引いている。
それを耐えようと免疫力を高めるためにヨーグルトを食べたら、腹を痛めるような小さな不運も続く。
そんな風に

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噓日記 12/30 創作怪談

噓日記 12/30 創作怪談

休みに入って常に酒を飲んでいるので今日が二日酔いなのか三日酔いなのか四日酔いなのか何も分からない。
こんな日にやることと言えば自己嫌悪か創作怪談くらいしかない。
そこで今回は俺なりの創作怪談の技法を残しておこうと思う。
まず第一に、友人が体験したという体はやめる。
一気に創作感が溢れてしまうため注意が必要だ。
オススメは母方の祖父とかの血が繋がってるちょっと遠いライン。
故人だと尚良い。
勝手に不

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噓日記 12/29 平日と休日の間

噓日記 12/29 平日と休日の間

朝、アラームが鳴る一分前に起床して平日だけに設定しているアラームを全てオフにした。
昨日仕事納めを迎えたので、新年までしばらく休みだ。
体はまだ平日の仕様でいようとするので、行動で休みであることを教えてやらねばならない。
だからこうやって小さなことから平日と休日を切り替えていく。
それから朝食も作らず、カップ焼きそばに湯を注ぐ。
朝から重いものが食べられないだとか言うやつは胃が死んでるし精神が薄弱

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噓日記 12/28 怪談頻出単語辞典

噓日記 12/28 怪談頻出単語辞典

ばーっ【バーッ】─やって
①何かが突然現れること。「そしたら上からなんかが─て出てきよるんですよ」②早く動作をすること。「先輩来るから机の上、─片して」③大勢が来ること。「前の方から人の集団が─こっち走ってきて」〔近年では怪談中の動作を表す言葉の代用として、そのニュアンスを伝えるために用いられることが多い。例、「家帰ってシャワーを─浴びよったらですね、なんか気配感じよるんですわ。あぁ、この感じ後ろ

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噓日記 12/27 マーモット怪談

噓日記 12/27 マーモット怪談

みんなは好きな動物っていますか。
僕にはいます。
それがマーモット。
先日の合コンで好きな動物はマーモットと答えて死ぬほど滑ったんですが、それでも僕はマーモットが好きです。
あの蠱惑的なボディ。
プリティーというより、ぷりちー。
むっちむちの赤ちゃんおじさん、そんな生き物がマーモットなのです。
さて、本日はそんなマーモットにまつわる怪談をひとつ。
この話を聞いたのがヨーロッパからの留学生であるA君

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噓日記 12/26 クリスマスのあと、静かな街

噓日記 12/26 クリスマスのあと、静かな街

ここ数週間続いていた喧騒も落ち着いて、静かな街が戻ってきた。
街を華やかに彩っていた照明も昼の間に撤去されたのか、煌びやかな煩さは消え失せ、夜は冬本来の姿であるグレーに濃紺を混ぜたような鈍い色の空に戻っている。
そんな深い空を眺めながら家路を辿る。
ビジネスバッグを極力振りまわさないように受ける重力のままにダラリと腕を垂れ下げて、冷たいアスファルトに革靴を鳴らす。
パタリ、パタリと鳴る足音が均一な

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噓日記 12/25 ファッション鉢巻

噓日記 12/25 ファッション鉢巻

メリークリスマス!
聖夜だが知ったこっちゃない。
この世の聖夜を祝うアベックに呪いを。
俺のように一人で過ごす男に祝福を。
さて、本日は鉢巻の巻き方について考えていきたい。
学生時代、体育祭で鉢巻をおしゃれに巻いていた奴らがいただろう。
俺はそいつらが嫌いなんだが皆はどうだろうか。
皆の記憶を辿るとファッションリーダーを気取って頭の上あたりでリボン結びにしてた奴らが必ずいたはずだ。
きもいよね。

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噓日記 12/24 メリークリスマスジジイ

噓日記 12/24 メリークリスマスジジイ

本日はクリスマスイブ。
いわゆる所の聖夜みたいなものでございますね。
幸せそうな家族連れ、アベックなんかが街に屯しているもんですから、私はそんな彼らを一人残らず通報している次第です。
不埒な輩から街の治安を守っているんでございます。
そんな私は家庭を守ろうと家の中で布団を被って一日過ごしておったんですが、この時間になって守る家庭がないことを思い出したんです。
そこで今日の日記にはそんな聖夜の出来事

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噓日記 12/23 ハラスメント

噓日記 12/23 ハラスメント

最近社内のハラスメントが気になる。
よく言うところのパワハラだ。
うちの場合は上司が部下に対して言葉の選び方を間違えているのだ。
部下の言葉を遮り、言いたい放題言うバカを見ていると関係ない私まで気が滅入る。
欲しい言葉以外全て否定するならコミュニケーションなんてとるなと私は言いたい。
そんなやつはちゃんと病気だからこの世でパワハラに悩む人間は悩まないで欲しい。
仮に私に言ってこようもんなら恫喝に次

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噓日記 12/22 プチ忘年会

噓日記 12/22 プチ忘年会

仕事終わりにプチ忘年会に参加して来た。
職場の中でまあまあ仲のいい数人と近所の飯屋へ。
後の予定もあるので皆ノンアル、食べたのも定食。
忘年会と呼称するには色気が足りないが、たまにはこんな会も悪くないだろう。
席について口を開けば出てくるのは仕事場の愚痴。
上司が気に食わない、部下が反抗的、そんな少しだけ職場でするのに憚られる話題がそこなら気軽に溢せる。
適当なメニューを注文して、そんな愚痴をこぼ

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噓日記 12/21 お笑い芸人

噓日記 12/21 お笑い芸人

毎年この時期になると少しだけ後悔することがある。
お笑い芸人達の賞レースにかける熱い思いに当てられて。
芸人たちの日常を動画配信サイトで見てみると、売れていなければ貧乏生活、舞台よりもアルバイト、芸人仲間と共同生活、なんて現実を目の当たりにするのだが、そんな彼らは言わば青春の延長線。
青春とは辛くも楽しく、ただ自分を信じるフェーズにいられる時間なのだ。
私たちが青春を半ばで打ち切って、自分に区切り

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噓日記 12/20 カス戦士の休息

噓日記 12/20 カス戦士の休息

抱えていた仕事が一段落ついたのでやっとこさ気が抜ける。
張り詰めていた緊張の糸はダルンダルンと緩みきり、明日からの服装のことしかもう頭にない。
なんでもこれから気温がさらにグッと下がるらしい。
何を着たらいいのやら。
毎年の冬を何らかの手段で乗り切っているが、毎年どうやって越冬したのか忘れてしまう。
常に冬の初心者として生きている。
おしゃれで暖かいコーディネートでも探そうと思ってInstagra

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噓日記 12/19 ワンコインの幸せ

噓日記 12/19 ワンコインの幸せ

今日は一日多忙を極め、晩飯の準備をするのも躊躇ってしまうほどに疲れていた。
そんなわけで帰り道に牛丼チェーンに寄って一番ノーマルな牛丼をテイクアウト。
疲れているから店で食べればとも思ったのだが、気分的にどうしてもそれを避けたかった。
店内のどうにも忙しいあの雰囲気に飲まれてしまい、私も勝手に気疲れしてしまうと予想して。
店員も客もすぐに店を飛び出して日常に戻ろうとしているような忙しなさが、牛丼屋

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噓日記 12/18 サックス

噓日記 12/18 サックス

生まれ変わったらやりたいことの一つにサックスがある。
今生では諦めているが、もし生まれ変わることがあったのなら俺はサックスを吹きたい。
何故ならサックスが吹ける男の価値は二十代後半くらいから抜群に伸び始めるから。
死ぬまで伸びる。
伸びすぎだろってくらい伸びる。
死ぬ頃には棺桶に入らねぇくらい伸びる。
俺の親戚のサックス吹きおじさんは最終的に屋久杉を切り倒して棺桶にしたらしい。
テナーサックスなら

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